ダイヤルイン(アナログ回線)~ビジネスフォン・PBXにダイヤルイン契約をしたアナログ回線を収容する~

ダイヤルイン(アナログ回線)

ビジネスフォン・PBXに ダイヤルイン契約をしたアナログ回線 を収容した場合について説明します。

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アナログダイヤルインの動作シーケンス

アナログ回線でのダイヤルイン(アナログダイヤルイン)は次の図のようなシーケンスで動作します。

アナログダイヤルインの動作概要

  1. ビジネスフォン・PBXに収容しているダイヤルイン契約をしたアナログ回線に着信する
  2. 相手からの呼出信号を受信したビジネスフォン・PBXが1次応答信号を網側に送出する
  3. 1次応答信号を受けっとった網側はダイヤルした電話番号に応じた内線指定番号(ダイヤルした電話番号の下4桁もしくは3桁の番号)を着信先に送出する
  4. 内線指定番号を受信したビジネスフォン・PBXは内線指定受信完了信号を網側に送出する
  5. 網側に内線指定受信完了信号を送出後、ビジネスフォン・PBXで受信した内線指定番号に応じた着信先へ着信動作を行う
  6. 着信先の内線電話機がダイヤルイン着信に応答する
  7. ビジネスフォン・PBXが網側に2次応答信号を送出
  8. ダイヤルイン着信に応答した内線電話機とかけてきた相手との通話状態になる

このようにアナログ回線でのダイヤルイン着信では、受信した内線指定番号(電話番号の下4桁もしくは下3桁)に応じて、ビジネスフォン・PBXであらかじめ設定されている着信先に着信動作を行います。

PB回線(プッシュ回線)での契約が必要

アナログダイヤルインは内線指定番号を受信するときに、PB信号(プッシュ信号)のやりとりを行うので、必ずPB回線(プッシュ回線)での契約が必要となります。

また、ビジネスフォン・PBXにはPB信号を受信するための回路(PBR:PBレシーバー)が必要となります。

PBレシーバーは次のような基板(パッケージ)に実装されています。

  • CPU
  • PB信号受信用の基板(パッケージ)
  • アナログ回線用の基板(パッケージ)

ほとんどのビジネスフォン・PBXでは2ch~4ch分程度のPBRが初期実装されています。

アナログナンバーディスプレイと併用する場合はPB信号の代わりにモデム信号を受信するモデムダイヤルインとなる

アナログ回線でナンバーディスプレイとダイヤルインを併用するケースでは網側から受信する信号が通常のダイヤルインと異なってきます。

PB信号の代わりにモデム信号を受信するモデムダイヤルインという着信方式に変わります。

着信に時間がかかる

アナログダイヤルインは、通常の電話回線と違い、着信までに行う動作シーケンスが多いので、着信に少し時間がかかります。

着信を受けてから2~3秒程度経過してから着信ベルが鳴動を始めます。(もっと時間がかかることもあります。)

障害切替時には制御線が必要

ダイヤルイン契約をしている電話回線は、どの回線を経由して着信してくるのか確定していません。

停電時や障害時に電話機に直結して動作させるためには、ダイヤルイン機能を網側で停止させて、通常の電話回線の状態に戻さなければ、正常に着信することができません。

通常の電話回線の状態に戻すためには着信専用(IC)契約をしている制御用の電話回線を別途契約しておく必要があります。

停電時や障害時にはこの制御用の電話回線から網側に制御信号(アース)を送ることで、ダイヤルイン機能が停止され、通常の電話回線へと切り替わります。

アナログダイヤルインの着信先(平常時)

平常時の着信先

平常時のアナログダイヤルインの着信先はビジネスフォン・PBXの設定により電話番号ごとに様々な形でダイヤルイン着信します。

  • 「○○-○○○○-1111」は多機能電話機のファンクションキーのボタンに着信(着信ボタン1111)
  • 「○○-○○○○-2222」は多機能電話機のファンクションキーのボタンに着信(着信ボタン2222)
  • 「○○-○○○○-3333」は内線FAXに着信
  • 「○○-○○○○-4444」は多機能電話機のファンクションキーのボタンに着信(着信ボタン4444)
  • 「○○-○○○○-5555」は多機能電話機のファンクションキーのボタンに着信(着信ボタン5555)
  • 「○○-○○○○-6666」は多機能電話機のファンクションキーのボタンに着信(着信ボタン6666)
  • 「○○-○○○○-7777」は多機能電話機のファンクションキーのボタンに着信(着信ボタン7777)

アナログダイヤルインの着信先(ビジネスフォン・PBXの電源OFFのとき)

ビジネスフォン主装置、もしくはPBX電源OFF時の着信先

停電や障害などでビジネスフォン・PBXの電源がOFFになった時にはダイヤルイン制御回線を通じて次のように切り替わります。

  1. 停電などでビジネスフォン・PBXの電源がOFF
  2. ダイヤルイン制御回線の2芯あるうちの1芯(-48V側)にG(アース)が接続される
  3. 網側でG(アース)を検知すると収容局の交換機側でダイヤルイン機能を停止
  4. ダイヤルインから通常の一般回線に戻る

ダイヤルイン制御回線でダイヤルイン機能が停止された電話回線の接続先

ダイヤルイン機能が停止したアナログ回線はビジネスフォン・PBXの停電回路に接続された各端末に直接つながるようになります。

  • 「○○-○○○○-1111」は2芯あるうちの1芯(-48V側)にG(アース)が接続される
  • 「○○-○○○○-2222」は停電対応電話機に接続される
  • 「○○-○○○○-3333」は停電時に使用可能なFAXなどに接続される

最後に

ビジネスフォン・PBXでアナログ回線を利用する割合が年々少なくなっていることから、アナログ回線にダイヤルインを契約してり用するケースも当然減ってきています。

ひかり電話やKDDI光ダイレクトなどのIP電話が普及してきていることから停電時の対応もあまり重要視されない傾向にあります。

いろいろと制約の多いアナログ回線でのダイヤルインを利用するよりはISDN回線(INS64、INS1500)やIP電話(BRI接続、LAN直収)でのダイヤルイン利用をおすすめします。

最後までご覧いただきましてありがとうございます。

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