SIP専用線の基板(パッケージ)~ビジネスフォン・PBX同士をSIP専用線で接続するための基板~

SIP専用線の基板(パッケージ)はビジネスフォン・PBX同士をSIP専用線で接続するために使う基板です。

目次

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SIP専用線の特徴

SIP専用線には次のような特徴があります。

  1. IPネットワーク上に仮想的に構築されたVPNを利用する(IP-VPN、インターネットVPNなど)
  2. ビジネスフォン・PBX間で発信者番号情報をやりとりできる
  3. 発信元の番号情報を透過できる(局線とSIP専用線をタンデム接続したときに、相手側に局線番号を表示できる)
  4. 多数の拠点間をフルメッシュ接続すれば、専用線同士のタンデム接続が不要
  5. SIP専用線の基板(パッケージ)は接続する拠点数ではなく同時通話数に応じて実装すればいいので経済的

1.IPネットワーク上に仮想的に構築されたVPNを利用する(IP-VPN、インターネットVPNなど)

SIP専用線はIP-VPN、インターネットVPNなどIPネットワーク上に仮想的に構築された拠点間専用の接続を利用します。

VPNサービスには次のようなものがあります。

IP-VPN

  • フレッツ・VPNワイド(NTT東日本・西日本)
  • フレッツ・VPNゲート(NTT東日本・西日本)
  •  Arcstar Universal One(NTTコミュニケーションズ)
  • KDDI IP-VPN(KDDI)
  • ULTINA IP-VPN(ソフトバンク)

インターネットVPN

  • ULTINA Managed VPN(ソフトバンク)
  • Arcstar Universal One インターネットVPN(NTTコミュニケーションズ)
  • セキュア・インターネットVPN(NTTPC)
  • VECTANT インターネットVPN type-R(アルテリア・ネットワークス)
  • ネットボランチDNSサービス(ヤマハ)

2.ビジネスフォンPBX間で発信者番号情報をやりとりできる

SIP専用線は発信者番号情報のやりとりができます。

SIP専用線の発信者番号例

拠点Aのビジネスフォン・PBXの情報
  • 拠点番号:10
  • 内線番号:100
  • SIP専用線の発信特番:8
  • 開番号方式とする(発信特番:8は押した時点で削除される)
拠点Bのビジネスフォン・PBXの情報
  • 拠点番号:20
  • 内線番号:200
  • SIP専用線の発信特番:7
  • 開番号方式とする(発信特番:7は押した時点で削除される)
拠点Aの内線100から拠点Bの内線200へ発信した場合
  1. 拠点Aの内線100から「820200」とダイヤル
  2. 拠点Bの内線200に着信、液晶には「10100」と表示される
拠点Bの内線200から拠点Aの内線100へ発信した場合
  1. 拠点Bの内線200から「710100」とダイヤル
  2. 拠点Aの内線100に着信、液晶には「20200」と表示される

3.発信元の番号情報を透過できる(局線とSIP専用線をタンデム接続したときに、相手側に局線番号を表示できる)

外からかかってきた外線着信をSIP専用線でそのまま転送した場合(タンデム接続)に、発信元の番号情報を専用線の相手先にそのまま透過させることができます。

SIP専用線の発信元番号情報の透過例

拠点Cのビジネスフォン・PBXの情報
  • 拠点番号:11
  • 内線番号:300
  • SIP専用線の発信特番:7
  • 開番号方式とする(発信特番:7は押した時点で削除される)
  • 局線(XX-XXXX-1111)に着信したときはSIP専用線経由で拠点Dの内線400に着信する
拠点Dのビジネスフォン・PBXの情報
  • 拠点番号:12
  • 内線番号:400
  • SIP専用線の発信特番:9
  • 開番号方式とする(発信特番:9は押した時点で削除される)
拠点Cの局線(XX-XXXX-1111)に携帯(090-XXXX-XXXX)から外線着信した場合
  1. 携帯(090-XXXX-XXXX)から局線(XX-XXXX-1111)に電話をかける
  2. 局線(XX-XXXX-1111)への着信はSIP専用線経由で拠点Dの内線400に転送着信する
  3. 拠点Dの内線400に着信、液晶には「090-XXXX-XXXX」と表示される
拠点Dに携帯(090-XXXX-XXXX)から外線着信、手動でSIP専用線の相手先へ転送した場合
  1. 携帯(090-XXXX-XXXX)から拠点Dに外線着信する
  2. 内線400が外線着信に応答
  3. 保留後「911300」とダイヤル
  4. 拠点Cの内線300に着信、液晶には「12400」と表示される
  5. 拠点Cの内線300が着信に応答、拠点Dの内線400と通話状態になる
  6. 拠点Dの内線400が受話器を下ろす(もしくは転送ボタン、フラッシュボタンなどを押す)
  7. 携帯と拠点Cの内線300間の通話になり、液晶には「090-XXXX-XXXX」が表示される。

4.多数の拠点間をフルメッシュ接続すれば、専用線同士のタンデム接続が不要

多数の拠点間がVPNで全てつながっている状態(フルメッシュ)であれば、SIP専用線もフルメッシュ接続が可能です。

フルメッシュ接続すれば、専用線同士でタンデム接続する必要がないので、複雑な構成をせずにすみます。

従来の専用線サービスであれば、本社と各拠点間をスター状に接続する必要がありました。

  • 本社-拠点A
  • 本社-拠点B
  • 本社-拠点C
  • 本社-拠点D

そのため本社以外の拠点同士で専用線通話をするには本社で専用線同士をタンデム接続する必要がありました。

本社以外の拠点同士での専用線のタンデム接続例

  • 拠点A-B
  • 拠点A-C
  • 拠点A-D
  • 拠点B-C
  • 拠点B-D
  • 拠点C-D

SIP専用線であれば、このような複雑な構成を取らずに済むわけです。

5.SIP専用線の基板(パッケージ)は接続する拠点数ではなく同時通話数に応じて実装

SIP専用線の基板(パッケージ)は論理的なチャネル構成をとっています。

そのため、接続する拠点数の分だけ基板も必要、ということにはなりません。

同時通話数に応じて基板を実装する、という考え方なので従来よりも少しだけ経済的になっています。

従来の実装例(本社と拠点A~DをOD専用線でスター接続)

  • 本社 (8回線用OD専用線の基板×4) ※対拠点A・B・C・Dで2枚ずつ
  • 拠点A (4回線用OD専用線の基板×2)
  • 拠点B (4回線用OD専用線の基板×2)
  • 拠点C (4回線用OD専用線の基板×2)
  • 拠点D (4回線用OD専用線の基板×2)

拠点A~Dはそれぞれ8通話まで同時通話できればOK。

それに伴い本社は8×4=32通話分のOD専用線の基板を実装しています。

しかし本社での同時通話はせいぜい8本程度、タンデム接続を合わせても13~4本程度が現状。

これをSIP専用線での接続にするとどうなるのでしょうか?

SIP専用線での実装例(本社、拠点A~DをSIP専用線でフルメッシュ接続)

  • 本社 (16チャネル用SIP専用線の基板×1)
  • 拠点A (8チャネル用SIP専用線の基板×1)
  • 拠点B (8チャネル用SIP専用線の基板×1)
  • 拠点C (8チャネル用SIP専用線の基板×1)
  • 拠点D (8チャネル用SIP専用線の基板×1)

SIP専用線にすると、拠点数ではなく必要な同時通話数を基準に考えるので、基板の数を少なくできます。

SIP専用線の基板(パッケージ)1枚あたりのチャネル数

  • 4チャネル
  • 8チャネル
  • 16チャネル

SIP専用線の基板(パッケージ)によく付けられる型番

  • SIP
  • SIPT
  • IPST

最後に

SIP専用線は従来の専用線ではできなかった発信者番号情報の通知や透過などが実現できる上、導入コスト、運用コスト面でも優れています。

そのことから旧来の専用線からSIP専用線への移行が進んでいるというのが現状です。

SIP専用線の基板(パッケージ)は今後さらに増えることが予想されます。

最後までご覧いただきましてありがとうございます。

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