ビジネスフォン・PBXにドアホン(インターホン)を接続し、ドアホン(インターホン)の呼出ボタンを押すとビジネスフォン・PBX配下の多機能電話機が「ピンポーン」と鳴動します。
基本的にはビジネスフォン・PBXのメーカー推奨のドアホン(インターホン)を接続
家庭で使うようなドアホン(インターホン)をビジネスフォン・PBXに接続して利用することができますが、基本的にはメーカー推奨(もしくはメーカー製造)のドアホン(インターホン)を使用することになります。
しかし、メーカー推奨品以外でも正常に動作するドアホン(インターホン)もあるので、導入前に事前に確認しておくとよいでしょう。
ドアホン接続用のユニットもしくはドアホン接続用のパッケージが必要
ビジネスフォン・PBXにドアホン(インターホン)を接続するには、次のものが必要になります。
- ドアホン接続用のユニット
- ドアホン接続用のパッケージ
小規模用ビジネスフォンの中には最初からドアホン接続ユニットが実装されているものもあります。
ドアホン接続用のユニットはビジネスフォン・PBXの外側に取り付ける
ドアホン接続用のユニットはビジネスフォン・PBXの多機能内線用の回路を使用します。
- 多機能内線用の回路をドアホン接続用のユニットに接続
- ドアホン接続用のユニットの回路にドアホン(インターホン)を接続
ドアホン接続用のパッケージはビジネスフォン・PBX内部のスロットに実装する
ドアホン接続用のパッケージはビジネスフォン・PBX内部にあるパッケージを収容するためのスロットに挿しこんで実装します。
- ビジネスフォン・PBXのスロットにドアホン接続用のパッケージを実装する
- ドアホン接続用のパッケージの回路にドアホン(インターホン)を接続
複数個のドアホン(インターホン)を接続することも可能
1つのビジネスフォン・PBXに接続できるドアホン(インターホン)の数は1台だけ、ということはありません。
複数台のドアホン(インターホン)をビジネスフォン・PBXに接続することが可能です。
- 正面入口に1台
- 社員通用口に1台
ドアホン(インターホン)を押すと多機能電話機を呼び出します
ドアホン押下時には、多機能内線電話機が鳴動します。
鳴動している多機能電話機の受話器を上げると、ドアホンからの呼出に応答することができます。
複数の多機能電話機を同時に鳴らすことができるので、鳴動中の多機能電話機であれば、どこからでもドアホン応答が可能です。
ドアホン(インターホン)を押したときの動作例
- ドアホン(インターホン)の呼出ボタンを押す
- 多機能電話機から「ピンポーン」という着信音が鳴る
- 多機能電話機の受話器を上げるとドアホン(インターホン)との通話になる
ドアホン(インターホン)ごとに設定を変えることができる
ドアホン(インターホン)を複数台接続するときには、ドアホン(インターホン)ごとに設定を変えておくと使い勝手が向上します。
ドアホン(インターホン)ごとに鳴動音の種類を変更
- 正面口のドアホン(インターホン)の呼出音は呼出音1「ピンポーン」を設定
- 社員通用口のドアホン(インターホン)の呼出音は呼出音2「ピンポンピンポン」を設定
ドアホン(インターホン)ごとに鳴動する多機能電話機を変える
- 正面口のドアホン(インターホン)の呼出ボタンを押すと内線10、11、12の多機能電話機が鳴動
- 社員通用口のドアホン(インターホン)の呼出ボタンを押すと内線20、21、22の多機能電話機が鳴動
ドアホン(インターホン)ごとに名称を設定
- 正面口のドアホン(インターホン)に「正面口」と名前を設定、呼出ボタンを押すと多機能電話機の液晶画面に「正面口」と表示される
- 社員通用口のドアホン(インターホン)に「社員通用口」と名前を設定、呼出ボタンを押すと多機能電話機の液晶画面に「社員通用口」と表示される
次は、上記の設定を組合せた動作について説明します。
ドアホン応答の動作概要(名称と着信音を組み合わせ)
1階入口のドアホンの設定
- 名称「1カイイリグチ」
- 着信音「ドアホン用着信音1」
通用口のドアホンの設定
- 名称「ツウヨウグチ」
- 着信音「ドアホン用着信音2」
1階入口のドアホンの鳴動設定
総務部の多機能電話機3台が鳴動する
- 内線10
- 内線11
- 内線12
着信音はドアホン用着信音1で鳴動、多機能電話機の液晶画面には「1カイイリグチ」と表示されます。
着信鳴動中の総務部の多機能電話機(内線10、11、12)のいずれかが受話器を上げると1階入口のドアホンの呼出に応答することができます。
たとえば内線11が応答すると内線11と1階入口のドアホンとの通話になります。
通用口のドアホンの鳴動設定
守衛室の多機能電話機1台が鳴動する
- 内線20
着信音はドアホン用着信音2で鳴動、多機能電話機(内線20)の液晶画面には「ツウヨウグチ」と表示されます。
着信鳴動中の守衛室の多機能電話機(内線20)の受話器を上げると通用口のドアホンの呼出に応答することができます。
応答すると内線20と通用口のドアホンとの通話になります。
ドアホンと再度通話をするときに内線電話機から呼び出す
内線電話機からドアホン呼出の特番をダイヤルすることで、内線電話機からドアホンを逆に呼び出すことができます。
ドアホンと内線電話機の通話を一度切ったあとで内線電話機から再度ドアホンと通話をしたいときなどにこの呼出操作を行います。
内線電話機からドアホンを呼び出すときの動作概要
内線電話機からドアホン呼出の操作を行います。
- 内線電話機の受話器を上げる
- ドアホン呼出の特番【#】をダイヤルする
- ドアホンの番号【1】をダイヤルする
呼出操作をするとすぐにドアホンと内線電話機の通話状態となります。
ドアホン呼出時には呼出音などは出ず、呼出操作された時点で即時通話状態へと変わります。
内線電話機からドアホンを呼び出すことはめったにないことと思います。
しかしあやまって通話を切ってしまったときなどに内線電話機側からドアホンの呼出ができないというのも少し具合が悪いのではないでしょうか。
そのようなときのために、内線のほうからドアホンを呼び出せるようにしておけば、安心して使えます。
無電圧接点を使って電気錠と連動できる
夜間の通用口などにドアホン(インターホン)を設置するときは、電気錠と連動させて一時的に通用口の解錠することもできます。
電気錠と連動する動作例
- ドアホン(インターホン)の呼出ボタンを押す
- 多機能電話機から「ピンポーン」という着信音が鳴る
- 多機能電話機の受話器を上げるとドアホン(インターホン)との通話になる
- 多機能電話機から電気錠解錠の特番をダイヤル、あるいはファンクションキーに割り付けられた電気錠解錠ボタンを押下
- 一定時間(10秒程度)だけ電気錠が解錠される
ドアホンからの呼出を外出先の携帯電話に転送
ドアホンからの呼出を外出先の携帯電話などに転送することができます。
ドアホン着信で鳴動するいずれかの内線電話機から外線へ転送するように設定を行います。
ビジネスフォン・PBXの機種によっては、転送で利用できる電話回線の種類が制限されていることもあります。(INS64回線では可能、アナログ回線では不可、等)
ドアホン外線転送の動作概要
事務所を不在にするため事務所をたずねてきたお客様がドアホンを押すと自動的に外線へ転送されるように設定します。
ドアホン着信を外線に転送する設定例
- 内線電話機の受話器を上げる
- ドアホン着信を外線転送する特番(たとえば#)をダイヤルする
- ドアホン番号(たとえば1)をダイヤルする
- 転送先の外線番号(090xxxxxxxx)をダイヤルする
- 内線電話機の受話器を下ろして設定完了
事務所不在時あるいは営業時間外などにドアホンの呼出ボタンが押下されます。
ビジネスフォン・PBXに収容している電話回線から、ドアホン着信時の転送先の電話番号(090xxxxxxxx)へ自動的に外線発信を行います。
ビジネスフォン・PBXから自動的に発信された転送先の電話(090xxxxxxxx)が着信に応答するとドアホンと転送先の電話(090xxxxxxxx)との通話状態になります。
最後に
ドアホン(インターホン)とビジネスフォン・PBXを接続する最大のメリットは設定次第でどの内線電話機からでも応答できることでしょう。
通常のドアホン(インターホン)は親機と子機の1対1が基本なので、ドアホン(インターホン)からの呼出に応答するためには親機が設置してある場所まで足を運ぶ必要があります。
その点ビジネスフォン・PBXに接続されたドアホン(インターホン)であれば、鳴動している近くの内線電話機から受話器を上げるだけで応答が可能です。
どちらが使い勝手がいいか、いうまでもありませんよね。
最後までご覧いただきましてありがとうございます。