「ISDNが2024年1月に終了する」という話を聞いて不安にお思った方もいらっしゃるのではないでしょうか?
結論から申し上げますと
「ISDN」自体がなくなることはありません。
ですので、ビジネスフォンやPBXでご利用中の会社様は2024年以降も継続してご利用いただけます。
そこのところについてもう少し詳しく説明していきましょう
2024年1月に終了するのは【ディジタル通信モード】のみ
「ISDNが終了する」という言葉だけが先行してしまって、勘違いされている人もずいぶん多いようですが、冒頭で申し上げたとおり「ISDN」サービス自体が終了するということはありません。
終了するとされているのはISDNサービスの中の通信モードのひとつである【ディジタル通信モード】のみ。
そしてISDN回線において、ほとんどの会社様で利用されているのは【通話モード】です。
ビジネスフォンやPBXで使われているのも、この【通話モード】なんですよ
実はISDNには全部で3つの通信モードがあります。
- 通話モード
- ディジタル通信モード
- パケット通信モード
順番に説明していきますね
通話モード
【通話モード】は文字通り音声通話で使われる通信モードです。
ビジネスフォンやPBXに接続しているISDN回線、つまりINS64やINS1500もこの【通話モード】を利用しています。
ディジタル通信モード
【ディジタル通信モード】は音声通話ではなくデータ伝送に特化した通信モードです。
【ディジタル通信モード】は主に次のような用途で利用されています。
- POS(販売情報管理システム)
- CAT端末(信用照会端末)
- G4FAX
- 警備装置
- EDI(電子商取引)
- ネットワーク回線のバックアップ…etc.
パケット通信モード
【パケット通信モード】はデータを一定長のサイズに分割後、パケットとして伝送する通信モードです。
【パケット通信モード】の場合、【ディジタル通信モード】と違って、データを一度蓄積してから通信を行うという特性から、通信帯域の消費が少なくて済む、というメリットがあります。
説明した3つの通信モードの内、2024年1月以降も使える「通信モード」は、
- 通話モード
- パケット通信モード
の2つ。
そして、2024年1月以降、使えなくなる「通信モード」は、
- ディジタル通信モード
ということになります。
ですが、実際のところ、この【ディジタル通信モード】を利用しているかどうかなんてわからない、という人も多いんじゃないでしょうか?
次は【ディジタル通信モード】を使っているかどうかの確認方法について紹介しますね
ディジタル通信モードを使ってるかどうかの確認方法
【ディジタル通信モード】を利用しているかどうかすらわからない、というような場合は月々の請求書を確認しましょう。
利用中の場合は【INS通信料】という項目があるはずです。
念の為、ひと月分だけでなく、複数月分の請求書を確認することをオススメします!
ここで【INS通信料】という項目を見つけらた場合は、早めに代替サービスへの移行を検討するようにしましょう。
2024年が近づくにつれて、間違いなく混み合うことが予想されるからです。
2027年までの補完策を提供予定
NTT東西では【ディジタル通信モード】の移行が間に合わなかった利用者のために、「補完策」の用意もあるとのこと。
一応、2027年までを目処に補完策での提供を予定しているそうです。
ただし、現行の【ディジタル通信モード】と同一の品質が保証されているわけではありません。
機器によっては動作しない可能性も十分に考えられます。
できればこの補完策をあてにするのではなく、2024年1月を迎える前に代替サービスへ移行することをオススメします。
ビジネスフォン・PBXには【ほとんど】影響なし
ISDN回線の【ディジタル通信モード】が2024年1月以降使えなくなることによる、ビジネスフォン・PBXへの影響は【ほとんど】無いといってもいいでしょう。
と言いつつ、若干の影響が出てくる可能性はあるかと思います。
いくつか例を挙げてみましょう。
- これまでINS64回線単独で使っていたG4FAXを、G3FAXに変えてビジネスフォンの内線として収容する
- 警備装置とビジネスフォンで兼用していたISDN回線をアナログ回線へ変更する
- ビジネスフォンのISDN内線で使っていたG4FAXを、アナログ回線単独で使えるG3FAXに変更する
上記のようなケースはそれほど多くはないとは思いますが、可能性としては決して否定できるものでもありません。
逆に言えば、上記のようなレアケースでも無い限り、【ディジタル通信モード】の終了によるビジネスフォン・PBXへの影響はほぼ皆無であることは間違いないでしょう。
2024年以降にはINS64の新規申込みはできない?
2024年の固定電話網(PSTN網)のIP化に伴い、ISDNのサービスの一つである【ディジタル通信モード】が終了することについてはもう理解いただけたかと思います。
ただ、世間では情報にいくつもの尾ひれが付き、「ISDN終了」のみならず「固定電話終了」あるいは「電話加入権の廃止」や「ISDNの新規申込み終了」などなど、もうどれが本当の情報なのかよくわからない状態になっています。
これら誤った情報について順番に解説していきますね
「ISDN終了」「固定電話終了」はウソ
「ISDN終了」は一部正解、ほとんど間違いのウソですね。
2024年の固定電話網のIP網化に伴い、ISDN及びアナログ回線の一部サービスが終了します。
- INSネット(ディジタル通信モード)
- マイライン/マイラインプラス
- ビル電話
- 支店代行電話
- 着信用電話
- 有線放送電話接続電話
- 短縮ダイヤル
- キャッチホン・ディスプレイ
- ナンバー・アナウンス
- でんわばん
- トーキー案内
- 発着信専用電話
- ノーリンギング通信
- 二重番号サービス
- トリオホン
- なりわけサービス
- 114(お話し中調べ)
- 空いたらお知らせ159
- ナンバーお知らせ136
中でも大きな問題となっているのが、ISDNの【ディジタル通信モード】なんですね。
これが拡大解釈された結果、「ISDN終了」さらには「固定電話終了」へと発展したわけですね。
むしろ通話料が全国一律で3分8.5円(税抜)になってお得になります。
「電話加入権廃止」「ISDN新規申込み終了」もウソ
「電話加入権廃止」と「ISDN新規申込み終了」ももちろんウソです。
2024年以降もISDNを含む固定電話の新規申込みはできますし、電話加入権も廃止されることはありません。
もはやこれらの情報についてはどこからどう変異したのやら…といった感じでほとほと呆れてしまいますね。
おそらくは、この2024年問題を利用した悪質なセールスによる影響と思われます。
皆さんも悪質なセールスにはくれぐれもお気をつけくださいね!
まとめ
今回は、2024年1月に終了するのは「ISDN」そのものではなく、その中の通信モードの一つである【ディジタル通信モード】のみである、ということについて説明しました。
POSやCAT、G4FAXといった一部の機器については代替サービスへの移行が必要となるものの、ビジネスフォン・PBXにおいては2014年1月以降も引き続きISDN回線(INS64、INS1500)が使えるよ、ということがお分かりいただけたかと思います。
ですので、ビジネスフォン・PBXに関しては慌てて何かしなければならい、というようなことはありませんので安心してください。
何度も申し上げますが、2024年1月に終了するのは、あくまでも【ディジタル通信モード】のみ。
ISDNは2024年以降もまだまだ現役続行です。
最後までご覧いただきましてありがとうございます。