会社で使っている電話機で「特番」という言葉を耳にしたことはありませんか?
「特番」とは、内線電話で必須となるダイヤル内容について取り決めたものです。
- 「100」とダイヤルして内線100の電話を呼び出す
- 「0」+「外線番号」をダイヤルして相手を呼び出す
- 「#」とダイヤルして近くの内線の代わりに応答する
今回はこの「特番」について説明していきましょう。
内線番号の特番の場合
まずは「内線番号」の特番について説明しましょう。
たとえば内線番号10の場合、先頭の番号は「1」になりますよね?
たとえば、ビジネスフォンの設定で特番「1」を2桁内線として設定すると、次の内線番号をダイヤルすることができるようになります。
- 内線10~19
ビジネスフォンの機種によっては「*」や「#」を含んだ内線番号をダイヤルできるケースもあります。
- 内線1*
- 内線1#
内線特番のその他の設定例
内線番号の特番、いわゆる「内線特番」の採り方は会社によって様々。
いくつか例を挙げてみましょう。
特番20、4桁内線の場合
- 内線2000~2099
特番を「20」で設定していますので、内線4桁のうち頭2桁は「20」で固定されます。
この場合、下2桁の「00~99」の範囲で内線番号を作成することになります。
特番100、3桁内線の場合
- 内線100のみ
特番を「100」で設定していますので、作成できる内線番号は「100」のみとなります。
通常、こういった設定を行うことはあまりありません。
ただし、同じ「1」から始まる別の機能の特番を使いたいときには、こういった設定を行うこともあります。
特番6、5桁内線の場合
- 内線60000~69999
特番を「6」で設定していますので、頭の1桁目だけが「6」で固定され、残りの「0000~9999」の範囲内で内線を作成することが可能です。
内線電話機の台数が多い場合には、このように内線の桁数を増やして、たくさんの番号を確保できるようにする必要があるんですね。
外線発信の特番の場合~定番は「0」発信~
次に外線に発信するときの特番について説明します。
内線電話の受話器を上げると「ツ・ツ・ツ」という内線トーンが聞こえてきます。
いわゆる「内線」を「捕捉」した状態ですね。
この「内線を捕捉した」状態のままで「外線番号」をダイヤルしてしまうと、相手の電話にはつながりません。
「おかけになった電話番号は…」というアナウンスが流れるか、意図しない相手先を呼び出してしまう、もしくは全く違う機能が動作してしまうこともあります。
そうならないために必要となるのが「外線発信特番」なんですね。
外線発信特番をダイヤルすることにより、「内線を捕捉した状態」から「外線を捕捉した状態」へと移行し、外線をかけられる状態になります。
受話器から聞こえる音も「ツ・ツ・ツ」という内線トーンから「ツー」という外線トーンへと変わるのが確認できることでしょう。
ちなみにほとんどの場合、外線発信特番には「0」が使われることが多いです。
それでは、外線発信特番の使い方について説明していきましょう。
外線発信特番「0」の使い方
- 受話器を上げる
- 内線トーンが受話器から聞こえる
- 0をダイヤルする
- 外線トーンが受話器から聞こえる
- 相手の電話番号をダイヤルする
- 相手を呼び出す
もっと詳しく知りたい方は次の記事もあわせて参照してください。
様々な機能の特番の場合
「特番」の種類は内線番号や外線発信だけではありません。
ビジネスフォン・PBXには数多くの様々な機能が実装されています。
「特番」には、そんな様々な便利機能を内線電話機から利用するための「機能特番」というものもあるんですよ。
様々な機能特番の設定例
- 代理応答 「#」
- 短縮発信 「*」
- 不在転送登録 「70」
- 不在転送解除 「71」
- 専用線発信 「8」
上記の例はごくごく一部の機能を取り上げただけに過ぎません。
たくさんある機能に対して、どのようなダイヤルをすることで「機能特番」を使うように設定するのか?
その設定についてはビジネスフォン・PBXの機種や構成、会社の業務内容などによってお大きく異なります。
特番の組み合わせ例
ここまで「内線特番」「外線発信特番」「機能特番」などについて説明してきました。
ここからは実際の運用ではどのように設定されているのか? について説明していきましょう。
1桁特番
ダイヤル | 設定された 特番 |
桁数 | 備考 |
---|---|---|---|
1 | 内線 | 4桁 | 内線 1xxx |
2 | 内線 | 4桁 | 内線 2xxx |
3 | |||
4 | |||
5 | |||
6 | |||
7 | 次桁展開 | 70~79、7*、7# | |
8 | 次桁展開 | 80~89、8*、8# | |
9 | |||
0 | 外線発信 | 1桁 | 0+電話番号 |
* | 短縮発信 | 1桁 | *+メモリ番号 |
# | 代理応答 | 1桁 |
2桁特番
特番7x
ダイヤル | 設定された特番 | 桁数 | 備考 |
---|---|---|---|
71 | 不在転送 登録 | 2桁 | 71+転送先内線 |
72 | 不在転送 解除 | 2桁 | |
73 | 話中転送 登録 | 2桁 | 73+転送先内線 |
74 | 話中転送 解除 | 2桁 | |
75 | 不応答転送 登録 | 2桁 | 75+転送先内線 |
76 | 不応答転送 解除 | 2桁 | |
77 | |||
78 | |||
79 | |||
70 | |||
7* | |||
7# |
特番8x
ダイヤル | 設定された特番 | 桁数 | 備考 |
---|---|---|---|
81 | 専用線発信 (閉番号) |
6桁 | 81+拠点Aの内線4桁 |
82 | 専用線発信 (閉番号) |
6桁 | 82+拠点Bの内線4桁 |
83 | 専用線発信 (閉番号) |
6桁 | 83+拠点Cの内線4桁 |
84 | 専用線発信 (閉番号) |
6桁 | 84+拠点Dの内線4桁 |
85 | 専用線発信 (閉番号) |
6桁 | 85+拠点Eの内線4桁 |
86 | |||
87 | |||
88 | |||
89 | |||
80 | |||
8* | |||
8# |
このようにビジネスフォン・PBXではダイヤルする内容に応じて様々な「特番」が設定されているのです。
これが1拠点だけならば、「特番」の計画も立てやすいのですが、もしも全国の拠点を巻き込んで展開されるようなケースでは、入念に「特番」の計画を立てる必要が出てくるんですね。
ちなみにこの「特番」全体をひっくるめたものを「番号計画」と呼びます。
最後に
ビジネスフォン・PBXで使う「特番」について説明しましたが、いかがだったでしょうか?
ビジネスフォン・PBXの様々な機能を利用するためには、
- 1~9
- *
- #
などのダイヤルボタンを組み合わせて特番を設定する必要がある、ということについてお分かりいただけたかと思います。
多くの機能を利用するためには、その数だけ「特番」も必要になるということで、あまり無計画に「特番」を消費してしまうと、いざというときに番号が枯渇してしまい、大幅な設計変更を余儀なくされることもあります。
くれぐれも「特番」の設計は計画的に。
最後までご覧いただきましてありがとうございます。