FAXにいろいろな印刷方式があること、知ってました?
FAXは複合機と一体化したものも多くなりましたが、多くのオフィスで使われている事務機器です。
一口にFAXといっても、その機種によってさまざまな印刷方式があります。
とはいえ、何を選んだら良いかわからないという方も多いのではないでしょうか。
もちろん取扱説明書を見ればどのような用紙や消耗品を選ぶべきかは書いてありますが、FAXで出てくる用紙や、普段の使い方からでもある程度見分けられるものです。
この記事ではFAXの印刷方法の種類、及び用紙や消耗品の選び方について、その概要を示します。
1. FAXの印刷方式と、必要な用紙やインクは?
FAXの印刷方式は大きく分けて4種類あり、それぞれに必要な用紙や消耗品は異なります。
それぞれの印刷方式について説明していきます。
この印刷方式では、熱を加えると変色する感熱紙を用います。
インク等は必要としません。
インクリボンについているインクを熱で溶かし、紙に転写する方式です。
普通紙が使える一方、機種に適合したインクリボンが必要です。
もっともこの印刷方式を取るFAXのインクリボンは細長い形ではなく、A4サイズ等のシート状になっていることが多いです。
四角いケースに入ったインクをノズルで紙に向けて吹き出し、印刷する方式です。
インクジェットプリンターではいわゆる「裏移り」を防ぐため、インクジェット専用紙を使う必要があります。
あわせて、機種に適合したインクを使用する必要があります。
筒の中に入ったトナーを、熱と静電気を使って紙に印刷する方式です。
印刷直後は紙が温かいのが特徴です。
また、紙を出力する前に静電気を除去していますので、紙を触ってもビリッとすることはありません。
レーザープリンターでは、機種に適合したトナーを使うことが必要です。
そのため、職場ではメンテナンス業者から定期的にトナーを送ってもらうことも多いでしょう。
その一方、紙は普通紙で良いことが特徴です。
2. FAXに対応する用紙の見分け方
職場でFAXをお使いの場合は、
FAXの用紙が無くなった!
という場面が必ず発生します。
FAXの用紙が切れた、困った、用意しなければ!
ということもあるでしょう。
もちろん用紙を探す上で基本的かつ確実な方法は、FAXの機器の型番を控え、メーカーのWebサイトや取扱説明書で調べることです。
しかしFAXの用紙や消耗品を見るだけでも、ある程度までの見分けはつきますので、覚えておくと良いでしょう。
ここでは、大まかな見分け方を説明します。
以下の内容を見ていただくことにより、少なくとも
「インクジェット式のFAXなのに、感熱式のFAX用紙を購入してしまった」
という事態は避けられるでしょう。
2-1. 感熱紙を用いるFAXの場合
感熱紙を使うFAXの場合は、以下の特徴がみられるでしょう。
- いつも出てくる紙は1枚(自分で切る場合もある)
- 紙が丸まっている
- すぐ色があせる
- 紙を熱すると黒くなる
- 印刷は1行ごとに行っているように見える
このような特徴を持つ紙は、感熱紙です。
- 四角い筒型の箱
- または丸い筒の形
で販売されていることが多いでしょう。
感熱紙はメーカー共通で使えるものもありますが、横幅のサイズがFAXと合わないと使えません。
また、機器に対応したFAX用紙も販売されています。
そのため、あらかじめFAXの型番を調べておき、対応する用紙を購入しておけば間違いがないでしょう。
2-2. インクリボンを用いたFAXの場合
インクリボンを用いたFAXの場合は、以下の特徴がみられるでしょう。
- 特別な紙を使っている認識はない
- ときどきカーボン紙のようなものも交換している
- 濡れても文字がにじまない
インクリボンを使って印刷しているFAXは、このような特徴があります。
この種類のFAXでは、インクリボンが機種に適合しているかどうかが要ですので、紙の方は普通紙なら何でも良いといえます。
2-3. インクジェット式FAXの場合
インクジェット式FAXの場合は、以下の特徴がみられるでしょう。
- 印刷後、すぐに触るとインクが手につく
- 印刷後の紙が少し湿っているような気がする
- ときどき四角い形のインクも交換している
- 濡れると文字がにじむ
- 印刷は1行ごとに行っているように見える
このような特徴がある場合は、インクジェット式を採用しているFAXといえるでしょう。
複合機の場合もありますので、コピー機兼用でもインクジェット式の場合があります。
インクジェット式FAXには、インクジェット対応の用紙を使わなければなりません。
普通のコピー用紙を使うと、インクの裏移り等が起きることもあります。
2-4. トナーで印字するFAXの場合
トナーで印字するFAXの場合は、以下の特徴がみられるでしょう。
- プリンターやコピー機と兼用で、存在感があるほど大きい。
- ときどきトナーを交換している。印刷される文字が薄くなると、トナーを出して振ったりしている
- 紙は1枚ずつ出てくる。印刷速度が速い。印刷直後の紙は温かい
- 濡れても文字はにじまない
このような特徴がある場合は、トナーで印字するFAXとなります。
その多くはレーザープリンターを軸にした複合機です。
この機器では、機種に適合したトナーを使うことが重要です。
そのため、紙はコピー機用なら何でも良いといえるでしょう。
3. FAXで出力された紙を扱う際の注意点
FAXで出力された紙を扱う際には、いくつか注意点があります。
それぞれについて解説していきましょう。
光の当たるところに置いておくと、文字が薄くなったり、見えなくなったりします。
また紙が黄ばむこともあります。
このため、必要な時以外は引き出しの中等にしまっておくことが大切です。
また、なるべく印字面を内側にして2つ折りにする等、印字面が光に当たらないようにしましょう。
なお、用紙を廃棄する場合は機密情報が外部に漏れないようにするため、溶解処理を行う企業も多いと思います。
しかし、感熱紙はこの処理に適合していません。
このため普通紙と区別して処分する必要があります。
紙自体に特に注意点はありませんが、インクリボンを廃棄する際には注意が必要です。
インクリボンは印刷した文字が白抜きで残っています。
そのため、機密情報が印字されたインクリボンをそのまま捨てると、情報が丸見えになってしまいます。
溶解処理もできませんので、処分の方法に注意が必要です。
インクジェット式FAXで印刷された紙は、
- 水に濡れたり
- 濡れた手で触ったり
すると
- 文字がにじんだり
- 消えたり
してしまいますので注意が必要です。
レーザープリンターで印刷された紙と同じですので、特に注意点はありません。
紙を扱う際の一般的な注意を守れば良いでしょう。
まとめ
ここまで説明してきました通り、一口にFAXといっても、さまざまな印刷方式があります。
そのため用紙を補充する際には、どの印刷方式を使っているかを確認することが大変重要といえるでしょう。
また、用紙によっては光や熱の影響を受けたり、水に濡れると文字がにじむ等の影響を受けることがあります。
良好な状態で保存するためにも、用紙ごとの注意点について把握しておくことが必要です。
用紙等を廃棄する場合にも注意が必要な場合があります。
感熱紙やインクリボンは、多くのオフィスで採用されている溶解処理に適合していません。
そのため、廃棄方法をよく確認・検討しておくことが必要です。
この記事が皆様の参考になれば幸いです。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございます。