- FAXをビジネスフォンに接続する意味がよくわからない
- FAXをビジネスフォンに接続するメリットは?
- 逆にデメリットは?
FAXをビジネスフォンに接続するメリット・デメリットについてまとめてみました。
- 【メリット1】電話回線の月額基本料金を節約できる
- 【メリット2】ビジネスフォンでFAXへの着信を自動識別、誤着信を防止できる
- 【メリット3】誤着信しても内線でFAXに転送できる
- 【メリット4】内線同士であればFAX送信が無料
- 【メリット5】代表ダイヤルインであれば番号と本数をビジネスフォンで調整可能
- 【デメリット1】ビジネスフォン側の工事が必要
- 【デメリット2】FAXの障害発生時にどの業者に頼んでいいのか分かりづらくなる
- 【デメリット3】ビジネスフォン主装置が故障するとFAXも使えなくなる
- 最後に
【メリット1】電話回線の月額基本料金を節約できる
ビジネスフォンにFAXを接続する大きな理由のひとつとして、電話回線の月額基本料金を節約できることが挙げられます。
会社でよく使われるG3FAXと、スーパーG3のFAXで具体例を挙げていきましょう。
FAXを単独で接続した場合
G3FAX、スーパーG3FAXにはアナログ回線(一般加入電話)を接続します。
アナログ回線を単独で契約した場合
FAX用としてアナログ回線(一般加入電話)を単独で契約した場合、事務用だと月額基本料金はおよそ3,025円程度になります。
INS64回線を単独で契約した場合
FAX用としてINS64回線を単独で契約した場合、事務用だと月額基本料金はおよそ3,883円程度になります。
INS64回線は、1回線で同時2通話まで可能ですが、上の図の例では1通話分しか利用していないので、少しもったいないですね。
INS64回線のiナンバーを契約した場合
今度の接続例では、INS64回線にiナンバー契約をして、FAXとビジネスフォンで1回線ずつ分けて使用しています。
iナンバーは、INS64回線独自のサービスで、最大3番号まで電話番号を持てます。
月額料金は次の通りです。
iナンバー契約
- 2番号契約時 月額330円(税抜 300円)
- 3番号契約時 月額440円(税抜 400円)
上図の例では2番号契約をしているので、月額基本料金およそ3,883円+月額330円で合計4,213円になります。
その中でFAX部分の月額料金は1番号/1chあたり、およそ2,107円になります。
ひかり電話オフィスタイプで3ch目にFAXを利用した場合
ひかり電話オフィスタイプは基本契約で1番号/3chとなっており、月額基本料金は1,430円(税抜 1,300円)です。
月額基本料金の内訳は次の通りです。
- 基本月額料金(1番号/3ch) 1,430円(税抜 1,300円)
- 追加番号(1番号ごと) 1×110円=110円(税抜 100円)
- VOIPゲートウェイ(4ch用)のレンタル料金 1,100円(税抜 1,000円)
合計すると1,430円+110円+1,100円=2,640円となります。
その中でFAX部分の月額料金を計算(×1/3)すると、FAX部分の月額料金は880円になります。
ひかり電話オフィスタイプで4ch目以降でFAXを利用した場合
上の図ではひかり電話オフィスタイプ(基本月額料金1,430円)に、FAX用で1番号/1chを追加しています。
月額基本料金の内訳は次の通りです。
- 基本月額料金(1番号/3ch) 1,430円(税抜 1,300円)
- 追加番号(1番号ごと) 1×110円=110円(税抜 100円)
- 複数チャネル(1chごと) 1×440円=440円(税抜 400円)
- VOIPゲートウェイのレンタル料金 1,100円(税抜 1,000円)
合計の月額基本料金は1,430円+110円+440円+1,100円=3,080円になります。
その中でFAX部分の月額料金を計算(×1/4)すると、FAX部分の月額料金は770円となります。
ひかり電話オフィスAでFAXを利用した場合
上の図はひかり電話オフィスAで2番号/4chの契約をしています。
- ひかり電話オフィスAは基本契約1番号1番号で1,210円(税抜 1,100円)
- 3ch追加しているので、1,100円 × 3 =3,300円(税抜 3,000円)
- 1番号追加しているので、110円(税抜 100円)
- VOIPゲートウェイのレンタル料金 1,100円(税抜 1,000円)
月額の基本料金は合計で5,720円になります。
その中でFAX部分の月額料金を計算(×1/4)すると、FAX部分の料金は1,430円になります。
FAXをビジネスフォンに接続した場合
月額料金が安く済むように、FAXをビジネスフォンに接続するパターンについて説明します。
INS64回線のiナンバーのひとつをFAXで利用
INS64回線×1本をビジネスフォンに収容し、FAXをアナログ内線(一般内線)として接続しています。
iナンバーでFAX用の電話番号を取得しているので、月額料金は次の通りです。
- INS64回線の月額基本料金 3,883円
- iナンバー2番号契約 330円
およその合計は4,213円となります。
代表番号とFAXを1本のINS64回線で共用しており、代表番号で最大同時2通話を使用するようにビジネスフォンで設定しています。
通話用とFAX用が上手に共存する形になっているので、FAX部分の実質的な月額料金はiナンバー契約で追加された330円として計算してもいいでしょう。
ISDN回線のダイヤルイン追加番号をFAXで利用
INS64回線×2本を代表ダイヤルインとしてビジネスフォンに収容し、FAXはアナログ内線として接続します。
運用は次の通りです。
- 代表番号の1111と3333は、あわせて同時4通話で運用(ただしFAXが使用中のときは同時3通話)
- FAX番号の2222は同時1通話で運用(ただし代表がすべて使用中のときは利用不可)
月額基本料金の内訳は次の通りです。
- INS64回線×2本の月額基本料金 3,883円 × 2回線 = 7,766円
- ダイヤルイン番号×3の月額料金 880円 × 3番号 = 2,640円
合計すると7,766円+2,640円=10,406円となります。
その中でFAXの月額料金は追加番号分のみ、として考えると880円となります。
ひかり電話オフィスタイプ(BRI接続)の追加番号をFAXで利用
ひかり電話オフィスタイプで2番号/3chの契約をしてビジネスフォンにBRI(INS64回線のT点相当)として収容、FAXをアナログ内線として接続しています。
運用は次の通りです。
- 代表番号の1111は同時3通話で運用(ただしFAXが使用中のときは同時2通話)
- FAX番号の2222は同時1通話で運用(ただし代表がすべて使用中のときは利用不可)
そして、ひかり電話オフィスタイプの月額基本料金の内訳は次の通りです。
- 月額基本料金(1番号/3ch) 1,430円
- 追加番号(1番号ごと100円) 1番号×110円=110円
- VOIPゲートウェイの月額レンタル料金 1,100円
合計すると1,430円+110円+1,100円=2,640円となります。
FAX部分の月額料金は追加番号分のみ、として考えると110円になります。
ひかり電話オフィスA(LAN直収)の追加番号をFAXで利用
ひかり電話オフィスAで2番号/3ch契約、LAN直収でビジネスフォンに収容、アナログ内線としてFAXを接続しています。
運用はつぎの通りです。
- 代表番号の1111は同時3通話で運用(ただしFAXが使用中のときは同時2通話)
- FAX番号の2222は同時1通話で運用(ただし代表がすべて使用中のときは利用不可)
月額基本料金は次の通りです。
- ひかり電話オフィスAの月額基本料金(1番号/1ch) 1,210円
- 複数チャネル(1chごと) 2ch×1,100円=2,200円
- 追加番号(1番号ごと) 1番号×110円=110円
合計すると1,210円+2,200円+110円=3,520円となります。
FAX部分の月額料金は追加番号のみ、で考えると月額110円となります。
追加番号の1つとして組み合わせることで、FAXの月額料金を節約
結論としていえるのは、
FAXの電話番号をビジネスフォンに収容する電話回線の追加番号の1つとして組み合わせると、FAXの月額料金を節約することができる
ということです。
【メリット2】ビジネスフォンでFAXへの着信を自動識別、誤着信を防止できる
ビジネスフォンの機種によっては、FAX信号を受信すると自動的にFAXが接続された内線に転送する機能が実装されています。
FAX番号ではなく、代表電話などに間違えてFAXが送信されてきても、この機能があれば代表電話に誤着信することがありません。
識別に失敗することもあります。
【メリット3】誤着信しても内線でFAXに転送できる
代表番号などにFAXからの送信が誤着信しても、FAXの内線番号さえわかっていれば手動で転送することができます。
- 着信に応答するとFAX音が受話器から聞こえてきた
- 保留ボタンを押してFAXの内線番号20をダイヤル
- 転送ボタンを押して受話器を下ろす
- 内線20のFAXが無事にFAXを受信
【メリット4】内線同士であればFAX送信が無料
同じビジネスフォンに内線として接続されているFAX同士であれば、FAX送信が無料でできます。
専用線経由でもFAX送信できることがある
拠点間のビジネスフォンを専用線で結んでいる場合には、FAXを専用線経由で送信できることもあります。もちろんその場合も通話料は無料です。
ただし、FAX送信をサポートしていない専用線もあるのでまずはビジネスフォン設置業者に確認しましょう。
【メリット5】代表ダイヤルインであれば番号と本数をビジネスフォンで調整可能
電話回線を代表ダイヤルイン契約でビジネスフォンに収容していれば、FAXの番号の追加や、同時着信数の増減などを、ビジネスフォン側で調整することが可能です。
複数の電話番号を同じFAXに着信させる
上の図では次のようにビジネスフォンに設定しています。
- FAXをアナログ内線20として収容
- xx-xxxx-2222と3333の着信先をFAX内線20に設定
このように、ビジネスフォンの設定で複数の電話番号を、1台のFAXに着信させることが可能です。
同じ電話番号を4本同時に4回線用FAXで使用する
上の図では次のようにビジネスフォンに設定しています。
- 4回線FAXをアナログ内線20~23として収容
- アナログ内線20→21→22→23と流れるように内線代表を組む
- xx-xxxx-2222の着信先を内線20に設定
- 最大4本まで4回線FAXに着信可能
ビジネスフォンの設定により、複数の一般内線で内線代表を組ませることで、同じ電話番号を複数本同時に着信させることが可能になります。
さて、ここまではFAXをビジネスフォンに収容することによるメリットについて説明してきました。
メリットがあれば当然デメリットもあります。
ここからはFAXをビジネスフォンに収容することのデメリットについて説明していきましょう。
【デメリット1】ビジネスフォン側の工事が必要
FAXを内線としてビジネスフォンに接続するためには、ビジネスフォン側の工事が必要となります。
ビジネスフォン側の工事内容
- アナログ内線パッケージの機器代(最初から実装されていることもある)
- データ設定費
- 配線工事費
- 動作確認
【デメリット2】FAXの障害発生時にどの業者に頼んでいいのか分かりづらくなる
FAXを内線として接続しているときにFAXに障害が発生した場合、まずどの業者に頼んでいいのか分かりづらくなることがあります。
- FAXの設置業者
- 電話回線事業者(NTTなど)
- ビジネスフォン業者
業者によっては、たらい回しになってしまうことがあるので、障害の症状をある程度把握してから、対応してもらう業者を選んだほうがスムーズに進むことが多いです。
一度にすべての業者を呼んでしまうと、すべての業者から請求されてしまいますからね。
【デメリット3】ビジネスフォン主装置が故障するとFAXも使えなくなる
ビジネスフォン主装置が故障してしまうと、当然FAXも使えなくなります。
ビジネスフォンの影響を受けたくない場合は、FAX用に単独で電話回線を用意しましょう。
最後に
インターネットが普及している現在では、FAXの重要性もインターネット普及前ほどは高くはなくなってきています。
FAXに対する考え方は会社によって様々ですが、ここではビジネスフォンに収容するメリット・デメリットについて紹介させていただきました。
FAXの運用方法についての参考の一助になれば幸いです。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございます。