- 事務所にひとりしかいないので、たくさん電話がかかってきても対応できない
- 電話中にかかってきても応答できないから、ずっと呼びっぱなし
- 電話になかなか出ないため、クレームになってしまった
平日の日中は事務所に1人しかいないため、いっぺんに2つも、3つも、電話がかかってきても出れないよ!
このような環境で仕事をされているかたも、少なからずいらっしゃることでしょう。
というわけで、1人事務所が多い方のために、いくつか提案をしていきましょう。
1. 外線ボタンを1つ以外すべて保留してしまう
たとえば、事務所の多機能電話機に外線ボタンが3つあったとしましょう。
同時に3本まで外線通話ができるわけですが、事務所には1人しかいないため、同時1通話が限界です。
通話中に外線がかかってきても、当然受けることができません。
ではどうするのかというと、この外線ボタン3つのうち、1つ目のボタンだけ使える状態にして、他の2つの外線ボタンは使用中にしてしまいます。
というわけで、使っていない外線ボタンを保留してしまいましょう。
保留された外線ボタン2と3は、外線着信しても使用中のため相手には話中音(ビジートーン)を返します。
実質使えるのは外線ボタン1だけとなるので、1人で十分に対応できますね。
1-1. 外線ボタンを保留し続けるためにはビジネスフォンの設定が必要
外線ボタン2と3をずっと保留し続けるためには、ビジネスフォン側の設定を変更する必要があります。
通常、外線ボタンに通話を保留すると、一定時間が経過すると、保留リコールの呼返しベルが鳴動します。
設定にもよりますが、1分~2分くらいで保留リコールのベルが鳴動します。
この保留リコールが動作しないように、設定をOFFにするか、リコールまでの時間を長めに設定することで、長時間の保留がはじめて可能になります。
これはビジネスフォンの工事業者による設定となるので、若干ですが設定費用が発生します。
1-2. 外線ボタンだからといって保留できるとは限らない
外線ボタンだからといって、必ずボタンに保留ができるとは限りません。
着信時にボタンが光るだけの外線ボタンや、索線式の外線ボタンなどでは、ボタンそのものに保留することはできません。
また、電話回線の種類がISDN回線やIP電話の場合は、なんらかの通話をしないと外線ボタンに保留できないことがあり、「外線ボタンを押して保留」という方法をとることができません。
このようなケースでは別の方法で着信に制限をかける必要があります。
2. 着信制限ボタンで使わない外線ボタンを制限する
ビジネスフォンの機種によっては、「着信制限」という機能が実装されています。
この着信制限という機能は、一時的に外線ボタンに着信制限をかけるというものです。
着信制限が設定された外線ボタン2と3には、相手が電話をかけてきても話中音(ビジートーン)を返すため、着信することはありません。
事務所に1人しかいない状態のときには、この着信制限が多いに役に立つことでしょう。
しかし、すべてのビジネスフォンがこの着信制限の機能を実装しているわけではありません。
着信制限機能を実装していない場合は、また別の方法で着信に制限をかける必要があります。
3. モード切替で着信本数を制限する
ビジネスフォンのモード切替機能を使って、状況に応じた着信方法に切り替えることができます。
3-1. モード切替で特定の1台だけに電話を着信させる
モード切替を使って、次のような運用に設定をします。
- 一般着信で外線ボタン1~3に着信する
- 特定の内線にDIL着信する
モード1のときには、事務所に複数人在席しているので、通常通りに外線ボタンに一般着信します。
モード2のときには、ひとりしかいないため、外線ボタンには着信させずに、内線に直接させるDIL着信で運用します。
DIL着信なら、その内線にしか着信しません。
着信する外線が何回線あっても、その内線が通話中のときには、かけてきた相手は話中音(ビジートーン)となります。
この運用方法であれば、通話中に別の外線が着信するようなことがないので安心です。
3-2. モード切替で1つの仮想内線ボタンに着信させる
モード切替を使って、次のような運用に設定をします。
- 一般着信で外線ボタン1~3に着信する
- 1つの仮想内線ボタンにDIL着信する
モード1のときには、事務所に複数人在席しているので、通常通りに外線ボタンに一般着信します。
モード2のときには、外線ボタンには着信させずに、多機能電話機のボタンに割り付けた仮想内線ボタンにDIL着信させて運用します。
仮想内線ボタンは1つだけ割り付けます。
仮想内線ボタンを押して着信に応答すると、通話は仮想内線ボタンに保持されます。
この状態で別の外線がかかってきても、仮想内線ボタンは使用中のため、相手は話中音(ビジートーン)となります。
この方法のメリットは、仮想内線ボタンが割り付けられたどの内線からでも応答できることにあります。
特定の内線だけにDIL着信させる方法では、その内線のある場所に限定されてしまいますが、仮想内線ボタンであれば、どの電話機でも同じ条件で使えます。
4. 留守番で応答
着信本数を制限して話中にする方法もありますが、相手が必ずしもかけ直してきてくれるかどうかまではわかりません。
そこで、かけてきた相手にメッセージを残してもらうために、留守番を利用します。
1本目の電話回線(外線)は通常通り着信するようにしておき、それ以外の電話回線(外線)に関しては着信したときに留守番応答するようにセットしておきます。
4-1. 2本目以降の外線着信にそれぞれ留守番装置を接続
2本目以降に外線着信したときにのみ留守番応答するように、個別に留守番装置を接続します。
この方法のメリットは、相手にメッセージを吹き込んでもらえた場合に限られますが、どこから電話がかかってきたのかを後で確認ができることです。
留守番応答したからといって、かけてきた人が必ずメッセージを残すというわけではありませんが、話中で電話がつながらないよりは、この方法を好む人も少なくありません。
また、外線がナンバーディスプレイに対応していれば、着信履歴が残るので、その履歴から相手にかけ直すという選択も出てきます。
- 話中処理をする場合は、相手にかけ直してもらう
- 留守番処理をする場合は、こちらからかけ直す
このように「話中」を選択するか「留守番」を選択するかで、こちらのスタンスも自然と異なってきます。
4-2. モード切替で留守番装置に着信させる
4-1.の方法では、留守番装置の応答ボタンを押してON/OFFを切り替えていましたが、モード切替で留守番装置に着信させるという方法もあります。
留守番装置は常時ONにしておき、モード切替で留守番に着信させるかどうかを切り替えます。
この方法のメリットは留守番装置を設置する場所が限定されないところにあります。
ただし、留守番装置を近くに設置しない場合は、相手が残したメッセージを確認するためにいちいち足を運ぶ必要があります。
この方法で運用をするときは、留守番装置へメッセージを残してもらうのではなく、応答メッセージを送出するだけにしておき、着信履歴から折り返す、というかたちがいいでしょう。
4-3. モード切替でボイスメールの留守番に着信させる
4-1.と4-2.の方法では、留守番装置を別途設置するかたちでしたが、代わりにビジネスフォン内蔵ボイスメールの留守番に着信させることもできます。
この方法のメリットは次の通りです。
- 留守番装置を別途必要としない
- ボイスメールなら相手が残したメッセージをどの内線からでも確認ができる
モード切替でボイスメールの留守番に着信させるときは、数コール程度は普通に着信鳴動させてから留守番が応答するように設定をお願いしましょう。
短時間でも普通に着信させておけば、着信履歴にも残るので、履歴からかけ直すことができるからです。
5. お待たせメッセージを送出する
5-1. コールシーケンサーでお待たせメッセージを送出する
外線着信したときに、別途接続したコールシーケンサーから、かけてきた相手にお待たせメッセージを送出します。
かかってきた電話に応答できないときでも、お待たせメッセージでとりあえず一次応答ができるので、呼びっぱなしで放置されている、というような印象を和らげることができます。
5-2. ボイスメール機能のお待たせメッセージを送出する
コールシーケンサーの代わりにビジネスフォン内蔵ボイスメールのお待たせメッセージ機能を利用することもできます。
ボイスメールのお待たせメッセージには次のような運用パターンがあります。
- 通話中に別の外線着信があったときに、手動でお待たせメッセージを起動させる
- 常時お待たせメッセージを起動させておく
- モード切替でお待たせメッセージのON/OFFを切り替える
ボイスメールであれば、このように内線電話機からお待たせメッセージの動作を選択できるので、コールシーケンサーよりも使い勝手が良い部分もあります。
最後に
ひとり事務所の状況が多いかたのために、いくつか提案をしてみましたが、いかがだったでしょうか。
提案のおさらい
- 通話中以外の着信は話中にしてしまう(着信を制限する)
- 通話中以外の着信は留守番に応答させる
- 通話中以外の着信はお待たせメッセージを流して待ってもらう
お手軽にできるのは、話中にしてしまう方法ですが、かけてきた方により親切なのは、留守番応答かお待たせメッセージでの対応でしょうか。
でも一番はやっぱり「その場で応答する」ことなんですよね。
それができれば苦労しないんですけどね!というお話でした。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございます。