ビジネスフォン・PBXで主に使われる多機能電話機には、ファンクションキーと呼ばれるボタンがたくさんついています。
このファンクションキーは設定により様々な種類のボタンを割り付けることができます。
このボタンの設定によって、内線の運用方法が大きく左右されるので、実はかなり重要な部分だったりします。
というわけで、多機能電話機にはどんな種類のボタンがあるのか紹介していきましょう。
- 外線の着信もしくは発信で使うボタン
- 外線の発信で使うボタン
- かんたんに電話をかけられるボタン
- 通話の保留・取り次ぎで使うボタン
- 別の電話に着信を転送するボタン
- 発信者番号の通知に関するボタン
- 在席確認で使うボタン
- ドアホン、放送で使うボタン
- 代わりに応答するためのボタン
- 内線グループに関するボタン
- ダイヤルや発信を補助するボタン
- 多人数で通話するボタン
- ボイスメールで使うボタン
- ホテル機能で使うボタン
- 通話のしかたを変更するボタン
- 強制的に相手を呼び出すボタン
- システムの状態や動作を切り替えるボタン
- ACDで使うボタン
- システムの状態を通知するボタン
- 着信を拒否するときに使うボタン
- 他の内線の通話をモニタリングするときに使うボタン
- 着信になかなか出られないときに使うボタン
- INSボイスワープのときに使うボタン
- 通話料金管理で使うボタン
- その他のボタン
- 最後に
外線の着信もしくは発信で使うボタン
ビジネスフォンに収容した電話回線を、そのままボタンとして割り付けたものが外線ボタン(回線ボタン)です。
外線ボタン1つにつき、1本の電話回線が割り付けられます。
外線着信すると外線ボタンがピコピコと点滅し、着信ベルが鳴動します。
複数の電話回線を1つのグループとして、1つのボタンに割り付けたものが索線ボタン(外線グループボタン)です。
外線着信専用のボタンです。
複数の電話回線を1つのDGLボタンに着信させることができます。
MSAボタンは外線ボタン(回線ボタン)と同じような動作をするボタンです。
ただし外線ボタン=電話回線という風に1対1で紐付いているわけではありません。
電話機としては存在せず、ビジネスフォン・PBXのデータ上にだけ存在するのが仮想内線です。
仮想内線は多機能電話機のボタンに割り付けて使用します。
割り付けられた仮想内線ボタンに外線を着信させることで、あたかも外線ボタンのように動作します。
集中着信ボタンを押した内線に、すべての外線着信を集中させることができます。
外線の発信で使うボタン
外線ボタン(回線ボタン)を押すと、そのボタンに割り付けられた電話回線を捕捉して外線発信することができます。
索線ボタン(外線グループボタン)を押すと、そのボタンに割り付けられた外線グループ内の空き回線を捕捉して外線発信することができます。
MSAボタン(マルチステーションアクセスボタン)を押すと、そのMSAボタンごとに設定された空き外線を捕捉して、外線発信することができます。
仮想内線ボタンを押したら、その仮想内線から空いている外線を自動的に捕捉して、外線発信することができます。
発信ボタンを押したら、ビジネスフォンに収容している空き外線を自動的に捕捉して、外線発信することができます。
かんたんに電話をかけられるボタン
短縮ボタン(電話帳ボタン)を押してから、メモリ番号(たとえば000~999)をダイヤルすると、メモリ番号に登録されている電話に外線発信することができます。
グループ短縮ボタンは前述の短縮ボタンと同じ動作をします。
短縮ボタンは基本的にはシステム全体で共通して利用する短縮ダイヤルですが、グループ短縮は部署ごとなどで短縮を利用するグループを分けたいときになどに使用します。
リダイヤルボタンを押すと、直前にかけた電話番号を自動的にダイヤルして発信します。
よくかける電話番号をワンタッチボタンに登録しておくことで、ワンタッチボタンを押すだけでその電話番号に発信することができます。
DSSボタンによくかける内線番号を登録しておけば、DSSボタンを押すだけでその内線を呼び出すことができます。
また、内線の使用状況がDSSボタンのランプでわかるので、電話の取り次ぎをよく行う内線にDSSボタンを設定しておくと、とても便利です。
着信履歴があるときに、ボタンが点滅または点灯します。
着信履歴ボタンを押すと、着信履歴が電話機の液晶画面に表示されます。
表示された履歴を選択してかんたんに外線発信ができます。
通話の保留・取り次ぎで使うボタン
外線ボタン(回線ボタン)は外線の着信・発信でも使いますが、外線ボタンで通話中に保留操作をすると、外線ボタンそのものに通話が保留されます。
保留点滅している外線ボタンを押すことで、保留に応答することができます。
MSAボタンも外線ボタンと同じような動作をします。
MSAボタンで外線通話をしているときに、保留ボタンを押すと、MSAボタンに通話が保留されます。
保留点滅しているMSAボタンを押すことで、保留に応答することができます。
仮想内線ボタンも外線ボタンやMSAボタンと同じような動作をします。
仮想内線ボタンで外線通話をしているときに、保留ボタンを押すと、仮想内線ボタンに通話が保留されます。
保留点滅している仮想内線ボタンを押すことで、保留に応答することができます。
通話中にパーク保留ボタンを押すと、そのボタンに通話が保留されます。
保留ボタンを押して、空き状態のパーク保留ボタンに保留することもあります。
保留点滅しているパーク保留ボタンを押すことで、保留に応答することができます。
システムパーク保留ボタンは、前述のパーク保留ボタンと同じ動作をします。
パーク保留は内線のグループごとに分かれますが、システムパーク保留ボタンはシステム全体で使うので、グループ分けはできません。
自己保留ボタン(個別保留ボタン)を押して通話を保留すると、そのボタンに通話が保留されます。
自己保留ボタンで保留された通話は、保留した内線からしか保留に応答できません。
取り次ぎをせずに、自分だけが保留に応答するときに使用するボタンとなっています。
通話を別の電話に取り次ぐときに使用するボタンです。
フッキング操作をしたり、通話を別の電話に取り次ぐときに使用するボタンです。
キャッチホンなどで通話を切り替えるときに使うこともあります。
折り返し転送ボタンを押して通話を転送すると、取り次ぎ先の内線の通話終了後に、取り次ぎ元の内線に通話を戻すことができます。
転送ボタンやフックボタンと同等の使い方をします。
別の電話に着信を転送するボタン
不在転送のON/OFFを切り替えるときに使用します。
不在転送とは、内線への着信を別の電話に無条件で転送する機能です。
話中転送のON/OFFを切り替えるときに使用します。
話中転送とは、内線が話中のときにかかってきた着信を、別の電話に転送する機能です。
不応答転送(応答遅延転送)のON/OFFを切り替えるときに使用します。
不応答転送(応答遅延転送)とは、内線への着信に一定時間応答しなかったときに、自動的に別の電話に転送する機能です。
フォローミーの設定/解除をするときに使用します。
フォローミーとは、指定した内線への着信を、自分の内線へ転送させる機能です。
外線通話を別の外線に転送するときに使用します。
外線着信及び内線着信を、あらかじめ設定された内線やメールボックスに転送します。
発信者番号の通知に関するボタン
外線発信したときに相手に通知する電話番号を設定します。
外線発信するときに、相手に番号を通知したくないときに使用します。
ただし、外線がアナログ回線のときは利用できません。
在席確認で使うボタン
多機能電話機やDSSコンソールのボタン、またはディスプレイボードの在席表示を行います。
不在中にかけてきた相手の多機能電話機の液晶画面に、不在理由を表示します。
ドアホン、放送で使うボタン
放送ボタンを押すと、放送設備の外部スピーカーから一斉放送します。
放送設備の外部スピーカーが、複数の系統に分かれているときに、特定の系統からのみ放送したいときに使用します。
ドアホンから呼び出し時に、ドアホン着信ボタンが点滅し「ピンポーン」と電話機が鳴ります。
点滅中のドアホン着信ボタンを押すと、ドアホンと通話になります。
内線電話機からドアホンを呼び出すときに、ドアホン呼出ボタンを押します。
ドアホン着信転送の設定/解除をするときに使用します。
ドアホン着信転送とは、ドアホンからの呼び出しを別の外線へ転送する機能のことです。
代わりに応答するためのボタン
同じグループ内の内線への着信に、代わりに応答するときに使用します。
他のグループの内線への着信に、代わりに応答するときに使用します。
代理応答のグループがいくつかあるときに、特定のグループを指定して代理応答するときに使用します。
幹部内線への着信を代わりに受けるようにするときに使用します。
内線グループに関するボタン
自分が所属している内線グループ内にある他内線をすべて一斉に呼び出します。
内線グループ番号を指定して、そのグループ内にある内線をすべて呼び出します。
呼出先の内線が応答しないときに、ステップコールボタンを押すと、同じ内線グループ内の別の内線を呼び出します。
所属中の内線グループから一時的に離脱します。
ダイヤルや発信を補助するボタン
呼出先の内線が話中、もしくは応答しないときにリピートダイヤルボタンを押すと、自動的に一定時間ごとに繰り返し発信動作を行います。
外線発信で相手を呼び出し中、もしくは通話中にダイヤルメモリボタン(セーブドナンバーリダイヤルボタン)を押すと、ダイヤル内容がボタンに保存されます。
保存されたボタンを押すと、保存されたダイヤル内容で発信します。
通話中に相手から教えてもらった電話番号をメモするときに使用します。
呼び出した内線が話中のときに内線予約ボタンを押すと、相手内線の通話が終わった時に、自分の内線のベルが鳴ります。
ベルが鳴ったときに受話器を上げると、自動的に相手内線を呼び出しします。
外線発信のときに、外線がすべて使用中だったときに、外線予約ボタンを押します。
外線予約ボタンを押すと、外線に空きが出た時に自分の内線のベルが鳴ります。
ベルが鳴ったときに受話器を上げると、自動的に空いた外線を捕捉します。
外線通話を終了すると、すぐに空いている外線を自動的に捕捉します。
多人数で通話するボタン
通話中に会議ボタンを押して、参加させたい内線番号をダイヤルすると、会議通話になります。
外線ボタンで通話中に口頭会議招集ボタンを押すと、別の内線から通話中の外線ボタンを押して会議通話に参加できるようになります。
通話中に相手を保留することなく、別の内線を呼び出しします。
ボイスメールで使うボタン
メールボックスボタンを押すと、ボイスメールのメールボックスにアクセスします。
メールボックスに録音されたメッセージを再生中に、飛ばして次のメッセージを再生したいときにスキップボタンを押します。
メールボックスに録音されたメッセージを再生中に、一つ前のメッセージを再生したいときにバックスキップボタンを押します。
外線通話中に通話録音ボタンを押すと、通話録音を開始します。
通話録音中に録音停止ボタンを押すと、通話録音を終了して、それまでの録音内容をメールボックスに保存します。
通話録音中に一時停止ボタンを押すと、通話録音を一時的に停止しますが、通話録音はそのまま継続されるため、メールボックスには保存されません。
内線への着信を留守番応答させるときに使用します。
留守番応答したときに相手に送出する応答メッセージを切り替えるときに使用します。
指定した内線のメールボックスにメッセージを転送し、伝言を残します。
録音した内容にコメントを付けます。
ホテル機能で使うボタン
客室のチェックイン操作をするときに使用します。
客室のチェックアウト操作をするときに使用します。
客室の清掃開始操作をするときに使用します。
客室の清掃完了操作をするときに使用します。
客室の清掃チェック完了操作をするときに使用します。
客室の外出操作をするときに使用します。
客室が在室のときに使用します。
客室の内線電話機のモーニングコール(ウェイクアップコール)を設定するときに使用します。
客室の内線電話機のメッセージウェイティングランプを点灯させるときに使用します。
客室の情報を確認するときに使用します。
客室の部屋を変更するときに使用します。
通話のしかたを変更するボタン
電話機のマイクのON/OFFを切り替えるときに使用します。
マイクをONにすると、内線電話機のスピーカーを使ってハンズフリー通話ができるようになります。
ヘッドセットのON/OFFを切り替えるときに使用します。
強制的に相手を呼び出すボタン
呼び出し先の内線が話中のときに、話中呼出ボタンを押すと、内線呼出ができます。
呼出先の内線がほかの人と通話しているときに、通話割込ボタンで通話に割り込むことができます。
不在転送や着信拒否を設定している内線を強制的に呼び出します。
通話中の他の内線に、音声で割り込みします。
このとき他内線の通話相手にはこちらからの声は聞こえません。
システムの状態や動作を切り替えるボタン
外線の着信先や着信の方法を変更するときに使用します。
内線のクラスを切り替えるときに使用します。
クラスを切り替えることで、外線の発信や、機能などを規制もしくは許可します。
節電ボタンを押すと、内線電話機への電力供給が節電モードへと切り替わります。
ACDで使うボタン
ACDに参加する時はログイン操作、退出するときはログアウト操作を行います。
一時的に席をはずすときは離席操作、席に戻るときは在席操作を行います。
ACDの業務開始/終了を切り替えるときに使用します。
対応が難しいお客様との通話をグループの責任者にモニタしてもらうときに、EMGコールボタンを押して責任者を呼び出しします。
ACD監督台の電話機から、ACD端末への通話モニタ状態を表示します。
ACDへのログイン待機状態を表示します。
通話終了後、後処理モードに切り替えるときに使用します。
後処理とは、入力作業や各種事務処理などのことです。
後処理モードの間は、その端末にはACD着信しません。
ACD着信の待ち呼の状態を表示します。
ACDラストコール登録ボタンでかかってきた相手の電話番号を登録すると、一定時間以内に同じ電話番号からの着信があった場合に、同じオペレータに着信します。
ACD監督台の電話機から、通話中のACD端末にのみ話しかけることができます。
通話相手には音声は聞こえません。
ACD待ち呼が発生したときに、ACD待ち呼アラーム表示ボタンが点滅もしくは点灯します。
ACDグループへの着信がオーバーフロー、要するに着信に対応しきれなくなったときに、あらかじめ設定されている処理へと切り替えます。
システムの状態を通知するボタン
ビジネスフォン・PBXに重大な障害が発生したときに、メジャーアラームボタンが点灯します。
ビジネスフォン・PBXに軽度の障害が発生したときに、マイナーアラームボタンが点灯します。
停電などの影響で外部電源での駆動からバッテリー駆動に切り替わった時に、停電ボタンのランプが点灯あるいは点滅します。
着信を拒否するときに使うボタン
着信拒否のON/OFFを切り替えます。
迷惑電話の着信拒否を設定/解除します。
非通知でかけてきた相手の着信拒否のON/OFFを切り替えます。
他の内線の通話をモニタリングするときに使うボタン
モニタされる側とモニタする側のルームモニタボタンを押すと、通話をモニタすることができます。
通話中に送話カットボタン(送話ミュートボタン)を押すと、こちらからの声が相手に聞こえなくなります。
着信になかなか出られないときに使うボタン
着信制限ボタン(回線制限ボタン)を押してから、制限したい外線ボタンやMSAボタンを押すと、そのボタンへの着信を規制することができます。
外線着信中に着信ウェイトボタンを押すと、着信を保留状態にします。
外線着信時に送出するお待たせメッセージのON/OFFを切り替えます。
INSボイスワープのときに使うボタン
INS64回線やINS1500回線でボイスワープの転送先電話番号を登録するときに使用します。
通話料金管理で使うボタン
通話料金管理用のアカウントコードを入力するときに使用します。
通話料金管理情報をプリンターから印刷するときに使用します。
通話料金管理情報を確認するときに使用します。
集計した通話料金を確認するときに使用します。
通話明細を確認するときに使用します。
通話料金管理を解除するときに使用します。
通話料金管理の操作を終了するときに使用します。
通話料金管理の予算を設定するときに使用します。
その他のボタン
多機能電話機のスピーカーからBGMを流す時に、BGMボタンでON/OFFを切り替えます。
ビジネスフォンに内蔵しているリレー回路の番号を指定して、リレー回路を動作させます。
内線番号の名前を設定するときに使用します。
名前を設定すると、多機能電話機の液晶画面に設定した名前が表示されます。
時刻アラームボタンでセットした時刻になると、電話機からアラームが鳴ります。
外線着信中にサイレントボタンを押すと、着信音が鳴らなくなります。(着信が止まるわけではありません)
外線通話中に相手にPB信号(プッシュ信号)を送出します。
音声ガイダンスなどで通話中にボタン操作をするときに使用します。
内線FAXが受信すると、FAXボタンが点灯します。
ブザーボタンを押すと、呼出先の内線のブザーが鳴って呼び出すことができます。
相手内線のコーナーランプを点灯(あるいは点滅)させて、伝言があることを通知します。
最後に
このように、多機能電話機のファンクションキーには、数多くの種類のボタンがあるわけですが、実際にはこの中のほんの一部を割り付けて使用しているにすぎないのです。
中でも一番よく使われるボタンは次の通りです。
- 外線ボタン
- パーク保留ボタン
- 代理応答ボタン
- 短縮ボタン
あとは業務に応じて便利な機能をチョイスしてカスタマイズしていくことで、業務の効率化をはかっていくわけですね。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございます。