ビジネスフォン・PBXの本体装置は、単独で設置するタイプ (スタンドアローン) が主流です。
接続する内線電話機や、外線の種類が、多岐に渡る昨今では、次のような回線を接続する機会が増えてきています。
- ひかり電話、KDDI光ダイレクトなどのIP電話
- インターネットVPN、IP-VPNを利用した専用線
- 有線、無線LANに接続するIP電話機
これらの回線や電話機を接続するためには、ビジネスフォン・PBXだけでなく、次のようなネットワーク機器が不可欠です。
- 光回線を接続するONU
- 拠点間を結ぶためのVPNルータ
- ビジネスフォンやIP電話を接続するためのスイッチングHUB
これらのネットワーク機器を、ビジネスフォン・PBX周辺に設置しなければならない訳ですが、なんだかゴチャゴチャしそうな感じですよね?というかゴチャゴチャします。
19インチラックにネットワーク機器と一緒にまとめる
従来のスタンドアローンタイプと異なり、19インチラックに搭載するサーバータイプのビジネスフォン・PBXもあります。
サーバータイプのビジネスフォン・PBXは、ラックマウント用金具を筐体の両サイドにとりつけることで、19インチラックに簡単に搭載できるようになっています。
そのため、従来のスタンドアローンタイプに比べると、とてもコンパクトに設計されています。
19インチラックに搭載するメリット
サーバータイプのビジネスフォン・PBXを、19インチラックに搭載するメリットは次の通りです。
- ビジネスフォン・PBXの本体とネットワーク機器をまとめて収容できる
- ケーブル整理用のオーガナイザーをラックに取り付ければ、ケーブルの整理も簡単
- 機器の騒音防止になる
- ホコリがたまりにくいので、機器の状態が悪くなりにくい
- 19インチラックは前面は扉になっていて、側面・背面に関しては、簡単に取り外せるパネルになっているため、メンテナンス性が高い
- 扉を施錠できるので、セキュリティ面も安心
- 19インチラック内に機器やケーブルが隠れるので外観が良い
IP系の機能向け
このサーバータイプのビジネスフォン・PBXは、従来のレガシー系の機能もサポートしていますが、本来はIP系の機能向けに作られています。
IP系とレガシー系のもっとも大きな違いは、内線電話機の違いです。
IP系の端末は、有線/無線LANを使った【IP内線電話機】
例えば、内線電話機を全てIP電話機にしてしまえば、ビジネスフォン・PBXからは、スイッチングHUBに対して、LANケーブルを1本接続するだけで済んでしまいます。
接続するIP電話機の台数は関係ありません。
ビジネスフォン・PBX本体のサイズは、IP電話機の台数に影響を受けないので、サイズが大きくなることはありません。
レガシー系の端末は、電話線を使った【いままで通りの電話機】
逆に、レガシー系の電話機であれば、電話機の台数に応じたケーブルを接続する必要があります。
接続する台数に応じてビジネスフォン・PBXに実装するパッケージの数も増えます。
ということは、パッケージの実装数に応じてビジネスフォン・PBX本体のサイズも当然大きくなりますよね?
最後に
昨今発売されているビジネスフォン・PBXは、だんだんと小型化が進んできており、取替え前と取替後では、大きく姿を変えることが多々有ります。
特にスタンドアローンタイプのビジネスフォン・PBXの小型化は、メリットがある反面、実はデメリットもあります。
小型化のメリット
- 取替え後は、ビジネスフォン・PBXの設置スペースが減ったので、部屋が広くなった
- スペースが余分にできたので、他に物が置けるようになった
小型化のデメリット
- 取り替える前は、ビジネスフォン・PBXの筐体の上にネットワーク機器類を置けていたが、取替後は何も置けなくなってしまった
- ビジネスフォン・PBX取替前は、きれいに収まっていたケーブルが、取替え後はケーブルを隠しきれなくなってしまい、見た目が悪くなった
上記のようなケースでも、設置スペースさえあれば、サーバータイプと19インチラックの組み合わせで、今まで以上にすっきりとさせることが可能です。
「場所をとるから19インチラックは使いたくない」という理由で、19インチラック無しで機器を設置したはいいものの、結果的に機器類の整理がしきれずに、余計にスペースを消費してしまった、というケースも実はあります。
サーバータイプのビジネスフォン・PBXには、なんだかんだいっても、19インチラックが一番合うのです。
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