網同期 (クロック) パッケージは、INS64回線やINS1500回線などのISDN回線からの網同期 (クロック) 信号を受信して、デジタル網とビジネスフォン・PBXの同期をとるときに必要となる基板です。
【1】INS64回線やINS1500回線などのISDN回線は、網同期 (クロック) 信号が必須
INS64回線やINS1500回線などの、いわゆるISDN回線は、局からの網同期(クロック)信号で、局と端末間で同期を取る必要があります。
網同期 (クロック) を正常に取れない状態で、INS64回線やINS1500回線などの、ISDN回線をビジネスフォン・PBXに接続すると次のようなことになります。
- 使い続けているうちに突然、発着信ができなくなる
- PHSと併用している場合、PHS端末が正常に使えなくなる
【2】IP電話のBRI接続 (INS64回線相当) やPRI接続 (INS1500回線相当) の場合は網同期 (クロック) 信号の取り方が異なってくる
IP電話をVOIPゲートウェイ経由で、BRI接続 (INS64回線相当) やPRI接続 (INS1500相当) するときにも、網同期 (クロック) 信号が必要となります。
しかし、IP回線はIPネットワークを経由するので、通常のISDN回線のように、網同期 (クロック) 信号を取ることができないことがあります。
IP電話の網同期 (クロック) 信号の取り方
【3】網同期 (クロック) パッケージは、大規模容量タイプのPBXで使われることが多い
網同期 (クロック) パッケージは、中小規模容量タイプのビジネスフォンやPBXではなく、主に大規模容量タイプのビジネスフォン・PBXで使われます。
中小規模容量タイプのビジネスフォン・PBXでは、網同期 (クロック) を受信するための専用パッケージが用意されていないケースのほうが多かったりします。
その代わりに、CPUパッケージやINS64回線パッケージ、あるいはINS1500回線パッケージが網同期 (クロック) 信号を受信して同期をします。
網同期 (クロック) パッケージを実装する場合は、二重化するケースが多い
網同期 (クロック) 信号は重要な役割を担っているため、万が一に備えてパッケージを二重化することが多いです。
片側のパッケージが故障しても、もう片側のパッケージに自動的に切り替わるので、その間に新しいパッケージに取り替えることで、完全に網同期 (クロック) を受信できなくなる状態を回避することができるからです。
【4】網同期 (クロック) パッケージによく付けられる型番
- CLK
- CLKD
- CK
最後に
ビジネスフォン・PBXにとって、網同期 (クロック) 信号の同期をとることは非常に重要です。
同期が外れてしまうと、ISDN回線やPHSなどが利用不能になってしまうことがあるので、網同期 (クロック) パッケージは常に二重化しておくことをおすすめします。
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