ボイスメールパッケージは、ビジネスフォン・PBXで、通話録音や留守番などのボイスメール機能を利用するときに必要となる基板です。
【1】ボイスメールの様々な機能を使って、より業務を快適に
ビジネスフォン・PBXのボイスメールには次のような機能があります。
- 通話録音
- 留守番機能
- 各種メッセージ送出
- メールボックスを利用する
通話録音
内線電話機で通話している内容を、メールボックスに録音する機能です。
録音された内容は、ボタン操作で簡単に聞き取ることができます。
留守番機能
内線着信もしくは外線着信時に、ボイスメールが留守番応答する機能です。
留守番応答用のメッセージを、独自に吹き込むことができます。
留守番応答後の相手からの伝言を、メールボックスに録音することもできます。
各種メッセージ送出
様々な状況に応じたメッセージを、ボイスメールに録音することができます。
メールボックスを利用する
内線ごとに設定したメールボックスを利用して、次のような使い方ができます。
【2】最近のビジネスフォンには最初からボイスメール機能を実装していることが多い
新しい機種のビジネスフォンには、最初からボイスメール機能が実装されているケースが多くなっています。
初実装のボイスメールは、CPUパッケージに内蔵されていて、システム全体で1時間~4時間程度までの容量となっています。
【3】ボイスメールパッケージは、数十時間~数百時間までの録音に対応
初実装されているボイスメールは、システム全体の録音時間が1時間~4時間程度となっているので、多くの台数の内線で頻繁に使い続けると、あっという間に枯渇してしまいます。
それに比べてボイスメールパッケージは、数十時間~数百時間までの録音が可能となっています。
【4】ビジネスフォン・PBXの機種によってボイスメールの実装方法が若干異なることがある
ボイスメールパッケージは、ビジネスフォン・PBXの機種によって、実装の仕方が若干異なることがあります。
- ビジネスフォン・PBXのスロットに、ボイスメールパッケージを差し込むことで実装する。
- ビジネスフォン・PBXのスロットに、ボイスメールパッケージを差し込んだ後、ボイスメール専用の内線番号を設定。内線番号をダイヤルすることで、ボイスメールにアクセスする。
- パッケージの形状ではなく、ボイスメール用のパソコンを別途用意。一般内線回路から一般内線をパソコンに複数本接続し、一般内線の内線番号をダイヤルすることでボイスメールにアクセスする。
- ボイスメールパッケージが存在せず、CPUに内蔵されている。録音容量は別途外部メモリ (USB、SDカードなど) で必要に応じて拡張する。
【5】ボイスメールパッケージは、CPUとは別に独自に動作していることが多いので、停電時には注意が必要
ボイスメールパッケージは他のパッケージ (内線、外線、専用線など) とは違い、CPUの制御だけではなく、パッケージ独自に動作しているケースがあります。
運用中は特に気にすることもないのですが、問題となるのは停電時です。
ビルのメンテナンスなどで長時間の停電時には、ビジネスフォン・PBXも電源を手動でOFFにする必要があります。
ビジネスフォン・PBXの電源OFFの手順例 (ボイスメールパッケージ無しの場合)
- 基本架の電源OFF
- 増設架の電源OFF
ビジネスフォン・PBXの電源OFFの手順例 (ボイスメールパッケージありの場合)
- ボイスメールパッケージの電源OFF (もしくはシャットダウン操作)
- 基本架の電源OFF
- 増設架の電源OFF
あくまでも例なのですが、基本的にはボイスメールパッケージを最初に電源OFF、もしくはシャットダウンすることになります。
ボイスメールパッケージにはハードディスク、もしくはフラッシュメモリが搭載されているので、ボイスメールパッケージが立ち上がったまま、ビジネスフォン・PBXの電源をOFFにすると、故障してしまうことがあるからです。
【6】ボイスメールパッケージ1枚あたりの回路数
- 2回路
- 4回路
- 8回路
- 16回路
【7】ボイスメールパッケージによく付けられる型番
- VM
- VML
- VMU
最後に
ボイスメールパッケージは、比較的新しいビジネスフォンでは、CPUパッケージに内蔵されているケースが多くなっていきているので、単独のパッケージとしては見かけることはあまりないかもしれません。
長時間の通話録音で利用する、あるいは多数の内線で利用する場合には、CPU内蔵のボイスメールでは力不足なので、そのときはボイスメールパッケージの出番となることでしょう。
最後までご覧いただきましてありがとうございます。