LD専用線パッケージは、ビジネスフォン・PBX同士を市内専用線で接続するための基板です。
ちなみにLDはループダイヤルの略です。
【1】LD専用線パッケージが使われるケース
LD専用線パッケージが使われるケースは大きく分けると次の2通りになります。
- 数km以上離れた場所にある、別の拠点間をLD専用線で接続する
- 同一の敷地内にあるビジネスフォン・PBX間を、LD専用線で接続する
ケース別に説明していきましょう。
1. 数km以上離れた場所にある、別の拠点間をLD専用線で接続する
市内、市外、県内、県外といった、別の拠点にあるビジネスフォン・PBXに接続するケースでは、アナログ専用サービスを契約する必要があります。
アナログ専用サービスの中の、トールダイヤル方式を契約することで、拠点間を1対1で結ぶ専用回線を利用できます。
この専用回線は音声通話を通す、いわば「土管」のような役割を果たすんですね。
この専用回線は、それぞれの拠点に設置されたビジネスフォン・PBXに実装されたLD専用線パッケージに接続されます。
そして専用回線を経由することにより、お互いの拠点間の内線同士で専用線通話ができるようになるんですね。
なおアナログ専用サービスは、通話本数に応じて契約する必要があります。
たとえば同時に4通話したいのであれば4回線分アナログ専用サービスを契約します。
2. 同一敷地内にあるビジネスフォン・PBX間を、LD専用線で接続する
同じ敷地内、あるいは同じ建物内のビジネスフォン・PBX同士を専用線接続するケースもあります。
この場合、アナログ専用サービスの契約は不要です。
その代わり専用線通話したいビジネスフォン・PBX間を、物理的に電話線で接続する必要があります。
いわゆる直結ですね。
【2】LD専用線では、番号の通知はできない
LD専用線では次のように、相手に番号を通知したり、相手からの番号を表示させることはできません。
- かけてきた相手の内線番号や、拠点番号は表示されない
- 相手先に自分の内線番号や、拠点番号を通知することはできない
LD専用線は「個別線信号方式」
LD専用線では、OD専用線と同じく「個別線信号方式」と呼ばれる方式が採用されています。
「個別線信号方式」では音声信号と制御信号が同一の回線上で扱われるため、通話中に音声以外の情報 (発番号の情報など) を、同時に送受信することができないからです。
【3】LD専用線パッケージ1枚あたりに接続できる本数
- 2回線
- 4回線
- 8回線
【4】LD専用線パッケージによく付けられる型番
- LD
- LDT
- DIO
- DIOPU
最後に
近年ではアナログ専用線サービスの代わりに、IPネットワークを使ったVPNを使うケースが増えてきており、LD専用線での接続は年々減ってきています。
そんなこともあり、LD専用線パッケージは姿を消しつつある基板のひとつと言えるかもしれません。
最後までご覧いただきましてありがとうございます。