INS1500回線用パッケージは、ISDNの1次群インタフェースである、INS1500回線を収容するための基板です。
【1】INS1500回線とは
ISDNサービスのひとつである、INS1500回線について簡単に説明しましょう。
INS1500回線は1回線で同時23通話
INS1500回線は、1回線接続するだけで、最大23通話まで利用できます。
INS1500回線のチャネル構成は「23B+D」となっており、23の通話チャネル (Bチャネル) と1つの制御チャネル (Dチャネル) で構成されています。
通信速度が1.544Mbps
INS1500回線は23B+Dで構成されていますが、チャネル毎の通信速度は次のようになっています。
チャネル情報 | 通信速度 | チャネル数 |
Bch | 64Kbps | 23ch |
Dch | 64Kbps | 1ch |
フレーム化情報 | 8Kbps | – |
23B+D+フレーム化情報、合計すると約1.544Mbps。
だからINS1500なんですね。
INS1500回線はメタルケーブルではなく光ケーブルで建物に引き込まれる
アナログ回線やINS64回線はメタルケーブル (銅線) を利用します。
一方、INS1500回線は回線品質を保つために光ケーブルを利用します。
INS1500専用のDSUからビジネスフォン・PBX間はメタルケーブルで接続
光ケーブルで建物に引き込まれた後は、INS1500専用のDSUに接続されます。
INS1500専用DSUから先は、4芯の電話線でビジネスフォン・PBXに実装されたINS1500パッケージに接続します。
【2】パッケージ1枚に対して、1本のINS1500回線を接続
INS1500回線は、1回線で多チャネルの構成となっているので、INS1500回線パッケージ1枚に対して、複数のINS1500回線を収容することはありません。
パッケージ1枚に対して収容できるのは1回線のみです。
【3】INS1500にすればビジネスフォン・PBXの消費スロット数を節約できる
INS1500回線は、1回線だけで23通話分の通話本数を確保できます。
使用するパッケージは1枚。
ではアナログ回線やINS64回線で、INS1500回線と同じチャネル数を収容する場合ではどうでしょうか?
アナログ回線を23回線収容した場合
アナログ回線パッケージ 1枚あたりの回線数 |
パッケージの必要枚数 |
4回線 | 6枚 |
8回線 | 3枚 |
16回線 | 2枚 |
INS64回線を12本 (24通話分) 収容した場合
INS64回線パッケージ 1枚あたりの回線数 |
パッケージの必要枚数 |
2回線 | 6枚 |
4回線 | 3枚 |
16回線 | 2枚 |
このようにアナログ回線、INS64回線ともに複数のパッケージを必要とします。
パッケージが増える分、ビジネスフォン・PBX本体の消費スロット数も当然増えます。
スロット数によってはビジネスフォン・PBXの筐体の架数を増やさなければならないケースもあります。
というわけで、INS1500回線は消費スロットの節約にもなるわけですね。
【4】INS1500回線は中~大規模容量タイプのビジネスフォン・PBX向け
INS1500回線は1回線で23本の通話ができることから、中~大規模容量タイプのビジネスフォン・PBXでよく使用されます。
中~大規模容量タイプのビジネスフォン・PBXを設置している、次のような場所で利用されるケースが多いです。
- 大手企業
- 官公庁
- コールセンター
- ホテル
【5】INS1500回線パッケージ1枚あたりに接続できる回線数
- 1回線
【6】INS1500回線パッケージによく付けられる型番
- PRI
- PRIIU
- PRIT
最後に
INS1500回線パッケージは、同時通話できる数が多いことから、小規模容量タイプのビジネスフォンで使用することは、まずありません。
中~大規模容量タイプのビジネスフォン・PBXで利用されることが多いパッケージになります。
最後までご覧いただきましてありがとうございます。