PHSアンテナ接続パッケージは、PHSアンテナをビジネスフォン・PBXに接続して、PHS子機を内線として使用するための基板です。
【1】PHSをビジネスフォン・PBXの内線として使うために必要
PHSは1.9GHz帯の周波数帯の電波で通信を行います。
この周波数帯の電波を作り出すのがPHSアンテナになります。
そのPHSアンテナをビジネスフォン・PBXに接続するために必要となるのがPHSアンテナ接続パッケージなのです。
ちなみにPHSアンテナは次のように呼ぶこともあります。
- BS
- CS
- 基地局
【2】PHSアンテナ1台で、PHS子機3台まで同時通話可能
PHSアンテナ1台から出力される電波で、PHS子機3台まで同時通話が可能です。
3台を超える同時通話をすることがある場合は、PHSアンテナの台数を同時通話する範囲内で、最低2台以上設置する必要があります。
例えば、7台程度の同時通話が見込まれる場合は、その範囲内にPHSアンテナを最低3台以上設置しなければなりません。
PHSアンテナを3台設置する場合、必要となるPHSアンテナ接続パッケージの内訳は、次のようになります。
2回線用のPHSアンテナ接続パッケージなら、2枚必要
4回線用のPHSアンテナ接続パッケージなら、1枚必要
【3】PHSアンテナ1台あたりの電波範囲は、半径30m~50m程度
平均的な電波範囲としては、PHSアンテナを中心とした、半径30m~50m程度となっています。
しかし、PHSアンテナの電波範囲は、設置環境により大きく左右されます。
電波を遮るような障害物がない場所であれば、100m以上カバーできることもあります。
逆に、電波環境に悪いところに設置した場合は、壁1枚隔てただけでも、電波が届かなくなってしまうケースもあります。
電波状況は目視することができませんので、PHSアンテナを新規に設置するときには、事前に電波測定を行った上で、計画的に設置するようにしましょう。
【4】PHSアンテナは、電話機よりも必要とする電力量が多い
PHSアンテナは、広範囲にわたって電波を作り出す分、必要とする電力量も電話機より多く必要になります。
ビジネスフォン・PBXの機種によっては、PHSアンテナ接続パッケージの他に、別途電源供給用のユニットを追加実装しなければならないこともあります。
【5】PHSアンテナ接続パッケージとPHSアンテナ間は2芯、もしくは4芯で接続
PHSアンテナは、広い敷地に設置することが多いので、ビジネスフォン・PBXから遠く離れた場所に取り付けることが多々あります。
ビジネスフォン・PBXとPHSアンテナ間は、通常は2芯の電話線で接続しますが、距離が遠くなると、2芯だけでは電力供給が不十分になることもあります。
その場合、電力供給用としてさらに2芯追加して、4芯の電話線でPHSアンテナを接続することもあります。
【6】ビジネスフォン・PBXから遠く離れた場所にPHSアンテナを設置する場合は、AC100Vを別途供給することもある
4芯の電話線で接続しても、PHSアンテナが動作しないほど遠くに設置しなければならないこともあります。
その場合、PHSアンテナの近くにあるコンセントから、AC100Vの電源を別途供給することで、電力不足を解消します。
【7】PHSアンテナ接続パッケージ1枚あたりに接続できるPHSアンテナの台数
- 2台
- 4台
- 8台
- 16台
【8】PHSアンテナ接続パッケージによく付けられる型番
- CSI
- CSIU
- CDLC
- BSIU
最後に
PHSアンテナ接続パッケージは、昔は距離に関係なく4芯の電話線での接続が必須でしたが、最近は2芯だけで動作するようになってきています。
必要な電話線の芯線数は減りましたが、設置距離に関しても改善されているので、次のようなオプション機器を追加するようなことは、今ではほとんどありません。(年々進化してるんですね)
- 別途電源ユニットを増設
- AC100Vを別途供給
PHS子機は、PHSアンテナさえ設置してしまえば、電波の届く範囲内で、どこでも自由に通話ができるのが最大の魅力といえるでしょう。
最後までご覧いただきましてありがとうございます。