「コード・ブルー3」というドラマを見たことがありますか?
私は録画派なのでしばらく撮り貯めしていましたが、先日やっと1話目を見ることができました。(遅いって?)
たくさんの医療機器が登場する中、私はというと、白と黒の固定電話機のことが気になって気になって仕方がありませんでした。
職業病ですね。
そんなわけで、「コード・ブルー3」に登場する電話機について、あれこれ考察してみたいと思います。
白い固定電話はSAXA(サクサ)製の多機能電話機
画面上に白い電話機が2台並んでるのが見えますね。
この2台の電話機はSAXA(サクサ)製のビジネスフォンで使われる多機能電話機ですね。
PLATIAⅡ(プラティア・ツー)というビジネスフォンの「TD820」という型番の30ボタン多機能電話機になります。
上記写真(小さいですが)の左から4番目の電話機になります。
TD820を拡大するとこうです↓↓
「TD820」は本来は中小規模向けの電話機
TD820はSAXA(サクサ)のPLATIAⅡ専用の電話機なのですが、PLATIAⅡはどちらかというと中小規模向けのビジネスフォンとなっています。
最上位機種の「PLATIAⅡ Ultimate」でも最大288台までしか取り付けできませんので、「コード・ブルー3」のような大病院で設置されることはまずないでしょうね。
とはいうものの、まったく可能性がない、というわけでもありません。
PLATIAⅡ~大元のPBX間で専用線接続しているのかも
おそらく病院内には全体の大元となる大規模容量タイプのPBXが設置されているものと思われます。
大型PBXとは別に、緊急救命用でPLATIAⅡとTD820電話機が専用に設置して、大型PBXとPLATIAⅡ間は専用線で接続しているのではないでしょうか。
専用線の種類は?
大型PBXとPLATIAⅡ間を結ぶ専用線としては、次の2種類が考えられますね。
PLATIAⅡと大元にある大型PBXをSIP専用線で結ぶ。
となると、大型PBXの機種は沖電気製の「DISCOVERYneo」もしくは「SS9100」がついている可能性が高いですね。
PRIインターフェースに対応したVOIPゲートウェイをPLATIAⅡ側と大型PBX側の両方に起き、VOIPゲートウェイ間はIPネットワークで接続。
この接続の場合、どこのメーカーのPBXでも接続できるというメリットがあります。
PLATIAⅡ側と大型PBX側にそれぞれPRIパッケージを収容してダイレクトに接続、という方法もありますね。
大型PBX側のPRIパッケージはISDN内線用として設定し、PLATIAⅡ側は外線として設定することで相互接続が可能です。
この接続の場合も、PBX側のメーカーが限定されない、というメリットがありますね。
黒い固定電話はNAKAYO(ナカヨ)製のSIP電話機
画面左端に黒い電話機がありますよね?
この黒い電話機はNAKAYO(ナカヨ)が販売しているSIP電話機「IP-24N-ST101A」になります。
この電話機は電話線ではなくLANケーブルに接続するタイプの電話機なので、おそらくどこかに上手に隠して中継用のPOE-SWをつけてるんでしょうね。
さすがにAC給電はないと思いますので。
黒い固定電話はおそらく大元のPBXに接続されているのでは?
この黒い電話機ですが、おそらく白い電話機とは別系統で運用されていると思われます。
私の予想では、大元のPBXの直接の配下にあるんじゃないかと。
SIP電話機なので、SIPサーバー機能さえあれば、基本的にはどこのメーカーのPBXでも利用できますから、PBXの機種の特定は難しそうです。
NAKAYO(ナカヨ)とのOEM上の関係で言えば、日立の大型PBX「CX-01」あたりがついているんじゃないかな?と思うのですが、なんともいえませんね。
スマホはドコモ製のAndroid
「コード・ブルー3」の劇中で使われているスマホはドコモ製のAndroidのようです。
おそらく内線としても運用していると思うのですが、具体的にどのような形で接続しているのかまではよくわからないですね。
PLATIAⅡ配下に内線接続、ということも考えられますが、利用範囲が緊急救命だけに限定されてしまうので、可能性としては低いと思います。
私ならそんな設計にはせずに、大型PBXへの接続一択ですね。
「コード・ブルー3」の場合、おそらく次の2通りに絞られると思います。
大型PBXからSIP電話機(黒の固定電話)が接続されていることから、おそらくスマホに関しても無線LAN環境が構築されているのではないかと思われます。
ほとんどの大型PBXではSIPサーバー機能を内蔵しているので、無線LAN環境さえあれば、スマホの内線化が可能となっています。
各PBXメーカー専用のSIPクライアントアプリをスマホに入れて、病院内(無線LAN環境)では内線として、病院外ではふつうにスマホとして使っているのではないでしょうか。
とはいってもSIPクライアントアプリはスマホのバッテリー消費が激しいため、まだまだ運用上厳しいのが現状なんですけどね。
もうひとつ考えられるのがNTTドコモの「オフィスリンク」を利用した方法です。
- スマホにオフィスリンクを契約し、スマホ間で内線通話
- 大型PBXにオフィスリンク専用線を収容し、黒電話とスマホ間で内線通話
- PLATIAⅡのTD820(白電話)からは、専用線経由で大型PBXに接続後、オフィスリンク専用線からスマホに発信し内線通話
大規模な事業所ではオフィスリンクなどのFMCサービスを導入する事例が多いことから、「コード・ブルー3」のような大病院でも導入することは十分に考えられます。
ところで病院内でスマホで通話しても大丈夫なの?
今はもう病院では携帯電話やスマホは使ったらダメ、というようなことはありません。
以前は医療機器の誤動作を招くということで、病院内での携帯電話やスマホの利用は控えることが当たり前でした。
しかし第2世代(2G)の携帯の電波が2012年に停波されて、第4世代(4G)の電波がメインで使われるようになったことから、2014年には実質的に病院内での携帯・スマホの利用が解禁されるようになったんですね。
病院内で使える定番の無線の電話機といえばPHSなんですが、現在ではスマホがナースコール端末として使われるケースもちらほらと出てきています。
「コード・ブルー3」ではその流れを組んでスマホを劇中でバンバン使っているんだと思われます。
最後に
「コード・ブルー3」に出てくる白と黒の固定電話はそれぞれ次のメーカーから発売されているものです。
- 白の固定電話はPLATIAⅡというビジネスフォンで使う30ボタン多機能電話機「TD820」
- PLATIAⅡの販売メーカーはSAXA(サクサ)
- 黒の固定電話はLANケーブルに接続するSIP電話機「IP-24N-ST101A」
- 「IP-24N-ST101A」の販売メーカーはNAKAYO(ナカヨ)
SAXA(サクサ)とNAKAYO(ナカヨ)は宣伝のために、よくドラマや映画などで製品貸出をしているのですが、1つのドラマに同時に登場するなんてことは、なかなかめずらしいんじゃないでしょうか。
テプラやシールなどでの電話機へのデコレーションも、実際の医療現場を想起させるようなリアリティを感じます。
とにかく「コード・ブルー3」は目が話せないドラマになりそうです。
違う意味で。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございます。