ひかり電話使ってますか?
小規模ビジネスフォンへひかり電話を導入するパターンは今や当たり前の黄金パターンともいえます。
ネットと電話をセットで使うのであれば、やっぱりひかり電話がお得なんですよね。
アナログ回線やISDN回線は2025年のIP化以降も利用できますが、月額基本料金や通話料金面ではひかり電話のほうに軍配が上がるため、今後もひかり電話への移行は進むことでしょう。
そこで、今回はひかり電話オフィスA(エース)を小規模ビジネスフォン(もしくはPBX)へLAN直収するケースを例にあげて説明していきましょう!
ひかり電話オフィスA(4ch/2番号)・内線9台の導入例
ひかり電話(4ch/2番号)を小規模タイプのビジネスフォンにLAN直収、内線は合計9台、という構成での導入例について説明していきましょう。
まずは電話機やビジネスフォン主装置などの配置状況から見ていきましょうね!
ビジネスフォンの配置状況
通話で使うための多機能電話機は【緑】、複合機FAXと留守番装置は【赤】で記載しています。
内線番号は次のように設定されています。
- 多機能電話機の内線は「10~16」
- 留守番電話機の内線は「20」
- 複合機FAXの内線は「30」
では続けてパソコンなどのLAN接続が必要となるネットワーク機器の配置状況を見ていきましょう。
ネットワーク機器の配置状況
図面上にあるLAN接続が必要なネットワーク機器をリストアップすると次のようになります。
- デスクトップパソコン(7台)
- 複合機
- スイッチングハブ
- ルーター
- ビジネスフォン主装置
- ONU
デスクトップパソコン(7台)と複合機はLAN接続される端末ですね。
スイッチングハブは複数のパソコンにLANケーブルを効率よく分配するために、机の島内に設置します。
ルーターは社内のパソコンや複合機などのLAN端末と外部のインターネットの間の橋渡しをしたり、パソコンや複合機にIPアドレスを割り当てたりするために使用します。
ビジネスフォン主装置はひかり電話をLAN収容するために、ONUから直接LANケーブルを接続します。
ONUは、ひかり電話とインターネットを接続するために必要となる光回線終端装置です。
文章だけでは理解しづらいと思いますので、具体的な構成図を例に説明していきましょう。
ビジネスフォンとネットワークの構成図
光ケーブルで建物内に引き込まれた光回線はONU(光回線終端装置)に接続されます。
ONUまではNTT東日本・西日本の所有物となりますので、ここが責任分界点となります。
ONUからはLANケーブルでビジネスフォン主装置のVOIPパッケージのWANポートに接続し、ひかり電話をLAN直収します。
ここまではひかり電話とインターネットで共通のルートになります。
1本の光回線で電話とインターネットを共用する形ですね。
次は無線LANルーターからプロバイダへの通信を許可するためにVOIPパッケージでPPPoEブリッジ設定を行います。
VOIPパッケージのLANポートから無線LANルーターのWANポート間をLANケーブルで接続することで、ビジネスフォン主装置のVOIPパッケージをスルーしてインターネット接続が可能になります。
VOIPパッケージ経由後はひかり電話の通信は除外され、インターネットだけの通信となります。
ルーターのLANポートからは、島内に設置されたスイッチングハブと、ルーターの横に設置された複合機にそれぞれLANケーブルを接続します。
スイッチングハブのLANポートからは島内にある各デスクトップパソコンにLANケーブルを接続すればネットワーク機器に関する接続は完了です。
さて、次はビジネスフォン主装置の先に接続する内線についてです。
多機能電話機(7台)は、主装置に実装された多機能内線パッケージから電話線で接続します。
留守番装置(内線20)と複合機FAX(内線30)はアナログ内線パッケージから電話線で接続します。
ここからは、この構成図を使ってひかり電話オフィスAについて説明していきましょう。
ひかり電話オフィスA(4ch/2番号)
今回の構成はひかり電話オフィスA(4ch/2番号)となっており、契約している電話番号は次の2番号です。
- xx-xxxx-1111(代表)
- xx-xxxx-2222(FAX)
チャネル数は4ch契約となっているので、xx-xxxx-1111とxx-xxxx-2222を合わせて同時4通話まで可能です。
代表番号で3ch、FAXで1ch
多機能電話機では代表の電話番号xx-xxxx-1111を、FAXではxx-xxxx-2222を利用します。
- xx-xxxx-1111は同時3通話
- xx-xxxx-2222は同時1通話
xx-xxxx-1111は多機能電話機に割り付けられた3つの外線ボタンを使って発信・着信を行い、相手には1111の電話番号を通知します。
xx-xxxx-2222は複合機FAXだけに着信し、発信するときは2222の電話番号を相手に通知します。
多機能電話機に外線ボタンを割り付けての運用は、一番よくあるお決まりのパターンですね。
着信すると外線ボタンがピカピカ点滅
外線着信すると割り付けられた外線ボタンがピカピカと点滅し、着信ベルが鳴動します。
また、ひかり電話オフィスA(エース)ならナンバーディスプレイが基本契約でついてくるので、液晶画面に相手の電話番号が表示されます。
外線ボタンを押して着信に応答
着信中の外線ボタンを押すと、着信に応答し、外線通話になります。
通話になると外線ボタンは点灯状態へと変わるのですが、実際に通話している電話機と他の電話機とでは点灯するランプの色が異なります。
ここでは通話者の電話機は緑、他の電話機は赤としていますが、機種や設定によってランプ色は異なりますので注意してくださいね。
保留ボタンで外線ボタンに通話を保留
外線通話を保留するときは、保留ボタンを押します。
これまで通話していた相手には保留音が流れ、外線ボタンは保留点滅状態へと変わります。
実際に保留操作した人の電話機と、他の人の電話機では通話時と同様、ランプ色が異なります。
ここでは保留者の電話機は緑点滅、他の電話機は赤点滅としていますが、機種や設定によってランプ色や点滅のしかたは異なりますので、これも注意してくださいね。
保留中の外線ボタンで取り次ぎ
取り次ぎはとても簡単です。
保留したあとで近くの人に声をかけて、保留点滅中の外線ボタンを押してもらうだけです。
このように多機能電話機と外線ボタンを組み合わせての運用は、ビジネスフォンを導入する大きな強みのひとつともいえますね。
留守番装置の2通りの運用方法
営業時間外や休日時に着信したときは留守番が応答するようにするのですが、今回は別途留守番装置を取り付ける構成となっています。
アナログ内線20として接続された留守番装置に留守番応答させるためには、次の2通りの方法があります。
外線1111着信時は常に留守番装置にも同時着信させておき、留守番装置の応答ボタンON/OFFで応答するかしないかを切り替えます。
メリット
- 操作がわかりやすい
デメリット
- 留守番装置でしか留守番の切り替え操作ができない
多機能電話機にモード切替ボタンを割り付けて、モードごとに外線1111の着信先を切り替えます。
- 営業中は外線ボタンに着信
- 営業時間外・休日は留守番装置(内線20)に着信
メリット
- モード切替ボタンがついた電話機なら、どこからでも留守番応答のON/OFFを切り替えられる
デメリット
- モード切替の誤操作を招きやすい
数多くの便利機能も活用できる
ビジネスフォンでは他にも数多くの便利な機能が実装されています。
業務の効率化に是非とも役立てていただきたいですね。
今回の構成のランニングコスト例
今回の構成の月額ランニングコスト例について順番に説明していきましょう。
なお、無線LANルーター、スイッチングハブ、パソコンは既設流用としてここでは計算には含みません。
インターネットプロバイダ接続料
1,100円(税抜 1,000円)/月
フレッツ光ネクスト回線使用料
5,940円(税抜 5,400円)/月
ひかり電話オフィスA(4ch/2番号)
1,210円(税抜 1,100円)/月
1,100円 × 3ch = 3,300円(税抜 3,000円)/月
110円(税抜 100円)/月
ビジネスフォン一式のリース料金
11,000円(税抜 10,000円)/月
【リース条件】(税抜)
ビジネスフォン一式 500,000円
リース期間 6年
リース料率 2%
リース総額 720,000円
複合機FAXのリース料金
11,000円(税抜 10,000円)/月
【リース条件】(税抜)
複合機FAX 500,000円
リース期間 5年
リース料率 2%
リース総額 600,000円
ランニングコスト合計
上記の月額ランニングコストを合計すると、次のようになります。
内訳 | 月額料金(税込) |
プロバイダ接続料 | 1,100円 |
フレッツ光ネクスト回線使用料 | 5,940円 |
ひかり電話オフィスA(4ch2番号) | 4,620円 |
ビジネスフォン一式リース料金 | 11,000円 |
複合機FAXリース料金 | 11,000円 |
合計 | 33,660円 |
各メーカーの最新の小規模ビジネスフォン
国内のビジネスフォンメーカーが販売している最新の小規模ビジネスフォンについて紹介しましょう。
NTT製 小規模ビジネスフォン
小規模容量タイプのビジネスフォンです。
外線 | 最大12ch |
内線 | 最大30台 |
発売日 | 2022年3月1日 |
極小規模容量タイプのビジネスフォンです。
外線 | 最大8ch |
内線 | 最大10台 |
発売日 | 2022年3月1日 |
小規模容量タイプのビジネスフォンです。
外線 | 最大12ch |
内線 | 最大30台 |
発売日 | 2020年12月15日 |
極小規模容量タイプのビジネスフォンです。
外線 | 最大8ch |
内線 | 最大10台 |
発売日 | 2020年12月15日 |
極小規模容量タイプのホームテレホンです。
外線 | 最大2ch |
内線 | 最大8台 |
発売日 | 未確認 |
NEC製 小規模ビジネスフォン
小~大規模容量タイプのビジネスフォンです。
外線 | 最大400ch |
内線 | 最大960台 |
発売日 | 2022年4月18日 |
日立製 小規模ビジネスフォン
小規模容量タイプのビジネスフォンです。
外線 | 合計:22ポート |
内線 | |
発売日 | 2017年6月20日 |
沖電気製 小規模ビジネスフォン
小規模容量タイプのビジネスフォンです。
外線 | 合計:最大26ポート |
内線 | |
発売日 | 2022年6月15日 |
小~中規模容量タイプのビジネスフォンです。
外線 | 合計:最大82ポート |
内線 | |
発売日 | 2022年6月15日 |
SAXA(サクサ)製 小規模ビジネスフォン
小規模容量タイプのビジネスフォンです。
外線 | 合計:最大26ポート |
内線 | |
発売日 | 2022年7月1日 |
小~中規模容量タイプのビジネスフォンです。
外線 | 合計:最大82ポート |
内線 | |
発売日 | 2022年7月1日 |
小規模容量タイプのビジネスフォンです。
外線 | 合計:最大26ポート |
内線 | |
発売日 | 2021年3月 |
外線 | 合計:最大82ポート |
内線 | |
発売日 | 2021年3月 |
IWATSU(岩通)製 小規模ビジネスフォン
小規模容量タイプのビジネスフォンです。
外線 | 合計:最大36ポート |
内線 | |
発売日 | 2022年1月26日 |
小規模容量タイプのビジネスフォンです。
外線 | 最大12ch |
内線 | 最大16台 |
発売日 | 2013年6月4日 |
NAKAYO(ナカヨ)製 小規模ビジネスフォン
小規模容量タイプのビジネスフォンです。
外線 | 合計:最大64ポート |
内線 | |
発売日 | 2017年6月20日 |
小規模容量タイプのビジネスフォンです。
外線 | 最大2ch |
内線 | 最大8台 |
発売日 | 2017年12月28日 |
パナソニック製 小規模ビジネスフォン
小規模容量タイプのビジネスフォンです。
外線 | 合計:最大26ポート |
内線 | |
発売日 | 2017年4月 |
小~中規模容量タイプのビジネスフォンです。
外線 | 合計:最大82ポート |
内線 | |
発売日 | 2017年4月 |
最後に
小規模ビジネスフォンとひかり電話の組み合わせは、電話とネットをセットで利用する場合にはある意味欠かせない組み合わせであるとも言えます。
そして、ひかり電話のサービス開始時はLAN直収という選択肢がなかったため、VOIPゲートウェイで従来の回線インタフェースに合わせる形での収容しかできませんでした。
- アナログ回線相当のアナログ接続をするためのVOIPゲートウェイ
- INS64回線のT点相当のBRI接続をするためのVOIPゲートウェイ
- IN1500回線のT点相当のPRI接続をするためのVOIPゲートウェイ
LAN直収にすれば、これらVOIPゲートウェイを必要としませんので、月々の機器レンタル料金も不要となります。
機器が増えるとごちゃごちゃしますしね。
ひかり電話サービス開始当初にビジネスフォンを導入された企業様は、これらVOIPゲートウェイでひかり電話を利用し続けているケースもあることでしょう。
TSAではビジネスフォン更新の際には下記項目についての検討をオススメします。
- ひかり電話オフィスA(エース)のLAN直収に対応したビジネスフォンへ更新
- 複合機や携帯電話のプランの見直し
ビジネスフォンの更新は電話のみならず、全体的な通信コスト見直しのチャンスでもあります。
せっかくの機会なんですから徹底的に見直しましょう!
月々の通信コストの見直しなんて普段は絶対しませんからね。
面倒ですから。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございます。