IP多機能電話機~ビジネスフォン・PBXとLAN接続して使用する多機能電話機~

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多機能電話機

IP多機能電話機とは、ビジネスフォン・PBXにLAN接続して使用できる、IPネットワーク対応の多機能電話機のことです。

 

 

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IPネットワーク上なら、どこでも同じ内線番号を利用できる

IP多機能電話機は、パソコンやネットワークプリンタと同じように、LANケーブルを接続して使用します。

 

IP多機能電話機は、次の3つの要素を紐付けることで、内線電話機として利用することができるようになります。

 

  • IPアドレス
  • MACアドレス
  • 内線番号

 

 

【通常の多機能電話機】は【接続する電話線】で内線番号が決まるが、【IP多機能電話機】は【端末】で内線番号が決まる

通常の多機能電話機の場合

通常の多機能電話機は、電話線に接続して使用します。

 

多くのビジネスフォン・PBXでは、内線番号は接続する電話線によって決まります。(NTTのアルファシリーズは例外)

 

  • 電話線 = 内線番号

 

IP多機能電話機の場合

一方、IP多機能電話機は、LANケーブルに接続して使用します。

 

IP多機能電話機の内線番号は、IP多機能電話機そのものに依存します。

 

  • IP多機能電話機 = 内線番号

 

IP多機能電話機は、接続するケーブルによって内線番号が左右されないので、社内のビジネスフォン・PBXがつながっている同じIPネットワークにさえ接続できれば、どこでも同じ内線番号でIP多機能電話機を使用できます。

 

 

IP多機能電話機の給電方法は2種類

 

通常の多機能電話機の場合

通常の多機能電話機は、ビジネスフォン・PBXに接続された電話線から電源が供給されるため、別途外部電源を必要としません。

 

IP多機能電話機の場合

IP多機能電話機は、LANケーブルを接続しますが、基本的にLANケーブルからは電源を供給されることがないため、別途外部電源が必要になります。(通常のスイッチングHUBは電源供給機能を持っていないため)

 

PoE-HUBから給電

LANケーブルからIP多機能電話機に電源供給を行うためには、PoE-HUBを使用します。

 

PoE-HUBに接続されているLANケーブルを、IP多機能電話機に接続することで、IP多機能電話機を動作させるのに必要な電力を供給させることができます。

 

電話線と同じようにLANケーブルから給電できれば、別途電源コードで外部電源を供給する必要がありませんので、IP多機能電話機の配線がすっきりとします。

 

 

IP多機能電話機の中には、アプリケーション機能を強化された機種もある

IP多機能電話機は、基本的に通常の多機能電話機と同じ形をしています。

 

しかし、IP多機能電話機の中には、IPネットワークに接続するメリットを生かして、アプリケーション機能を強化したタイプのIP多機能電話機もあります。

 

 

プログラムを組み込んでカスタマイズができる

このアプリケーション強化タイプのIP多機能電話機は、JAVAなどのプログラム言語で作られたプログラム (JAVAアプレット等) を組み込むことで、電話機としてのみならず、情報端末としての機能をカスタマイズすることができ、よりパソコンに近い端末になっています。

 

液晶画面も大型化、高解像度化、フルカラー化されているタイプもあり、より多くの情報を取り扱うことが可能になっています。

 

 

受付用電話機として使用

大型の液晶画面と、プログラムのカスタマイズを活かして受付用の電話機として使用されるケースが多く見受けられます。

 

  • 液晶画面上に呼び出したい相手先の名前や、内線番号などを表示させる
  • 文字検索で担当者を検索してから呼び出しができる
  • 訪問者の興味を引きやすい

 

 

音声系IPネットワークとデータ系IPネットワークを統合することもできる

音声系のIPネットワークと、データ系のIPネットワークを統合することで、IP多機能電話機 (音声系端末) とパソコン等 (データ系端末) を同じIPネットワーク上で利用することができます。

 

 

IP多機能電話機にはLANポートが2つ実装されている

ほとんどのIP多機能電話機には、LANポートが2つ実装されており、次のようになっています。

 

  • 1つ目 は PoE-HUB からの LANケーブル を接続するための LANポート
  • 2つ目 は IP多機能電話機 から パソコン へ接続するための LANポート

 

このLANポートは、通常は1つ目のLANポートしか使用しませんが、2つ目のLANポートにはパソコンを接続して、それぞれ異なるIPアドレスで使用することができます。

 

これが何を意味するのかというと、1つの席に対して必要となるケーブルが、2本から1本に減るということになるのです。

 

1席あたりに対してのケーブルが減るということは、全体的に必要になるケーブルも減るということです。

 

そうなると、当然のことですが、配線にかかる工事費も減るというわけです。

 

IP多機能電話機とパソコンのネットワークを同一にすれば、ケーブルの配線量が減り、レイアウト変更時などにかかる、配線工事費用の節約につながるのですね。

 

 

最後に

IP多機能電話機の最大のメリットは、IPネットワーク上のどこに接続しても同じ内線番号で使えるという点にあります。

 

また電話線ではなく、LANケーブルに接続するので、近くにPoE-HUBがあれば、そこからLANケーブルを伸ばすだけで済ませられる手軽さも、メリットとして大きいでしょう。

 

通常の多機能電話機に比べると、高価なIP多機能電話機ですが、ランニングコストや運用面で考えると、価格面でのデメリットよりも、トータルでのメリットのほうが大きいかもしれませんね。

 

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