ビジネスフォン・PBXに接続できる電話回線にはアナログ回線、ISDN回線、ひかり電話、IP電話、専用線、VPNサービス等といった様々な種類があります。
電話回線にも色々な種類があります
電話回線は銅線(メタル線)を利用して信号を送受信する、「一般加入回線」と呼ばれるものを指しますが、近年ではIP網を利用した「IP電話(IP回線)」の普及が急速に高まっています。
他にも拠点間同士を専用に接続して使用する「専用線」や「VPNサービス」、スカイプのような「インターネット電話」など、様々なサービスが存在します。
それら電話回線(局線)の種類について紹介していきましょう。
「アナログ回線」もっともよく使われている電話回線
アナログ回線は電話回線の中でももっともよく使われている一般加入回線のひとつです。
もっとも古くからある電話回線でもあります。
アナログ回線がよく使われる状況
- 一般家庭にある一般電話機に接続
- ビジネスフォン・PBXに外線として収容
- FAXに接続
- 警備装置の警備回線として接続
- ダイヤルアップモデムに接続
- 銀行用端末に接続
- CAT端末に接続
- タイムカードに接続
「INS64回線」企業でよく使われている電話回線
INS64回線はISDN回線のひとつで1回線につき同時2通話が可能なデジタル回線です。
どちらかというと一般家庭よりも企業で使われることが多い回線です。
INS64回線がよく使われる状況
- ビジネスフォン・PBXに外線として収容
- DSUを経由してG4-FAXに接続
- ターミナルアダプタ(TA)に接続後アナログ回線対応の各種端末に接続
- ルータなどのバックアップ用回線として接続
- 警備装置の警備回線として接続
- CAT端末に接続
「INS1500回線」光ケーブルで提供されるISDN回線
INS1500回線はISDN回線のひとつで1回線につき同時23通話可能なデジタル回線です。
容量の大きいビジネスフォン・PBXに接続して使われる機会が多い電話回線のひとつです。
INS1500回線とビジネスフォン・PBX間の接続方法
- 建物には光ケーブルで引き込まれる
- 光ケーブルの先にINS1500用のDSUを接続
- INS1500用のDSUからビジネスフォン・PBX間は4芯の電話ケーブルで接続
「IP電話」ひかり電話や050番号などのIPネットワークを使った回線
IP電話はIPネットワークをインフラとした電話回線です。
普通の電話回線は銅線(メタル線)上に流れる電気信号で通信を行います。
IP電話はIPネットワーク上に音声データを変換したパケットで通信を行います。
IP電話とビジネスフォン・PBX間のよくある接続方法
LANケーブルでビジネスフォン・PBXに直収する場合
- 建物には光ケーブルで引き込まれる
- 光ケーブルの先にONUを接続
- ONUからLANケーブルでビジネスフォン・PBXに接続
VOIPゲートウェイ経由でビジネスフォン・PBXにアナログ回線として接続する場合
- 建物には光ケーブルで引き込まれる
- 光ケーブルの先にONUを接続
- ONUからLANケーブルでVOIPゲートウェイに接続
- VOIPゲートウェイのアナログインタフェースからビジネスフォン・PBXにアナログ回線として接続
VOIPゲートウェイ経由でビジネスフォン・PBXにINS64相当(BRI)の回線として接続する場合
- 建物には光ケーブルで引き込まれる
- 光ケーブルの先にONUを接続
- ONUからLANケーブルでVOIPゲートウェイに接続
- VOIPゲートウェイのBRIインタフェースからビジネスフォン・PBXにINS64相当(BRI)の回線として接続
VOIPゲートウェイ経由でビジネスフォン・PBXにINS1500相当(PRI)の回線として接続する場合
- 建物には光ケーブルで引き込まれる
- 光ケーブルの先にONUを接続
- ONUからLANケーブルでVOIPゲートウェイに接続
- VOIPゲートウェイのPRIインタフェースからビジネスフォン・PBXにINS1500相当(PRI)の回線として接続
「専用線」拠点間のビジネスフォン・PBXを専用線で結ぶ
拠点間のビジネスフォン・PBXを専用線で接続すると次のようなメリットがあります。
- 拠点の違う内線電話機でも内線番号を直接指定して呼び出せる
- 拠点間の専用線通話には通話料金がかからない
ビジネスフォン・PBXの専用線のインタフェースの種類
- LD専用線
- OD専用線
- T1専用線
- PRI専用線
- SIP専用線
「VPNサービス」アナログ回線やISDN回線を使って専用線のような使い方ができるサービス
アナログ回線やISDN回線(INS64、INS1500)のような電話回線にVPNサービス契約をすると専用線のような使い方できるようになります。
VPNサービスのオンネット通話とオフネット通話
VPNサービスにはオンネット通話とオフネット通話の2種類あります。
このオンネット通話とオフネット通話を使い分けて通常の電話回線と専用線の両方の使い方ができるようになります。
オンネット通話
オンネット通話を利用すると専用線のような使い方ができます。
オンネット通話の使い方
- 拠点Aの拠点番号「90」
- オンネット発信特番「9」(閉番号発信のため特番のダイヤル内容に含まれる)
- 拠点Aのビジネスフォン・PBXの内線番号「2000」
- 拠点Bの拠点番号「91」
- オンネット発信特番「9」(閉番号発信のため特番もダイヤル内容に含まれる)
- 拠点Bのビジネスフォン・PBXの内線番号「3000」
- 拠点Aの内線2000の受話器を上げる
- 拠点Bの拠点番号「90」をダイヤル
- 拠点Bのビジネスフォン・PBXの内線番号「3000」をダイヤル
- 拠点Bの内線「3000」に着信する
- 拠点Bの内線「3000」が応答する
- 拠点Aの内線「2000」と拠点Bの内線「3000」でオンネット通話になる
オフネット通話
オフネット通話を利用すると普通の電話回線と同じような使い方ができます。
オフネット通話の使い方
- 拠点Aのビジネスフォン・PBXのオフネット発信特番「0」(閉番号発信のため特番のダイヤル内容に含まれる)
- 拠点Aのビジネスフォン・PBXの内線番号「2000」
- 拠点Aの内線2000の受話器を上げる
- オフネット発信特番「0」をダイヤル
- 相手の電話番号「03-xxxx-xxxx」をダイヤル
- 相手の電話番号「03-xxxx-xxxx」に着信する
- 相手の電話番号「03-xxxx-xxxx」が応答する
- 拠点Aの内線2000と相手の電話番号「03-xxxx-xxxx」でオフネット通話になる
最後に
ビジネスフォン・PBXにはいろんな種類の電話回線を接続することができます。
会社の使い方にあった電話回線を選択しましょう。
最後までご覧頂きましてありがとうございます。