IP電話(IP回線)はひかり電話や050番号など、IPネットワークを利用した音声通話サービスのことです。
IP電話はIPネットワークを利用
IP電話(IP回線)は従来の電話回線(アナログ回線、ISDN回線)のような「回線交換方式」で提供される電話回線と違い、インターネットと同様、「IPネットワーク」を利用した電話回線です。
IP電話(IP回線)は、通話料金や基本料金、その他の付加サービス料金等が、従来の電話回線(アナログ回線、ISDN回線)よりも安く設定されており、ますます普及が進んできています。
050番号~ISP(インターネットサービスプロバイダー)のIP電話サービス~
IP電話(IP回線)は従来の通信事業者だけでなく、ISP(インターネットサービスプロバイダ)からもサービスが提供されており、その種類も多種多様となっています。
そのIP電話(IP回線)ですが、IP電話(IP回線)は専用の番号が総務省によって取り決められており、携帯電話やPHSのように、通常の電話回線とは異なる番号体系が定められています。
いわゆる「050番号」です。
この050番号は携帯電話やPHSと同様、050のあとに残り8桁(合計11桁)の番号を持っています。
この050番号は通信事業者やISPによって番号の範囲が定められています。
ひかり電話~NTT東西のIP電話サービス~
ひかり電話は光ファイバーで提供される
ひかり電話はIP電話(IP回線)の1種で、建物には光ファイバーで引きこまれます。
ひかり電話は従来の電話回線のように銅線(メタル線)ではなく、ガラスもしくはプラスチックで作られた光ファイバーというケーブルで提供されます。
光ファイバーは電気信号ではなく光で通信を行う
光ファイバーは銅線(メタル線)のように電気信号で通信を行うわけではなく、光信号で通信を行います。
光信号で通信を行うメリット
- 電気信号よりも通信距離が長い
- 電気信号よりも通信損失が少ない
- 通信速度が安定している
- 大規模容量の通信が可能
このように光ファイバーを使うことでリアルタイムに通信の送受信を行う必要のある音声の通信も無理なく実現することができるのです。
電話番号をそのまま移行できる
ひかり電話は従来の電話回線の電話番号をそのまま移行して利用することができます。
- アナログ回線
- INS64回線
- INS1500回線
G3-FAXの通信も可能
NTTのひかり電話はひかり電話独自のIPネットワークを構築しており、通話品質も高く安定しているので、FAXの通信も行うことが可能です。(あまり推奨はされていないようですが)
ただしスーパーG3対応のFAXでは正常に送受信できないことがあります。
その場合FAXの設定をスーパーG3からG3に変更しなければなりません。
IPネットワークの通信状況によっては通話品質が安定しないこともある
ひかり電話はIPネットワークを利用するので、IPネットワークの通信状況(トラフィック)によっては通話品質が安定しないこともあります。
ひかり電話はインターネットと音声を1本化して月額料金を削減できるというメリットがある反面、通信状況によっては音声通話に影響が出てくるかもしれないというデメリットもあります。
データ通信のトラフィックが常時多い状況が続くようであれば「ひかり電話用」と「データ通信用」で光ファイバーを別々に契約したほうがよいかもしれません。
ひかり電話は使い方に応じてサービスを選択
ひかり電話はユーザの使い方に応じて4つのサービスに分かれています。
- ひかり電話(家庭用)
- ひかり電話(オフィスタイプ)
- ひかり電話(オフィスA)
- ひかり電話(ビジネスタイプ)※2016年3月31日サービス終了
ひかり電話(家庭用)
ひかり電話(家庭用)はビジネスユースではなく、個人など一般家庭をターゲットに提供されているサービスです。
使用できる同時通話数も最大2通話までとなっています。
ひかり電話(家庭用)のビジネスフォン・PBXへの接続方法
- アナログ回線としての接続
- LANケーブルでの直接接続(LAN直収)
ひかり電話(オフィスタイプ)
ひかり電話(オフィスタイプ)は小規模事業所~中規模事業所をターゲットとしており、最小3通話(3ch)から最大8通話(8ch)まで対応しています。
電話番号は合計で32番号まで取得可能です。
ひかり電話(オフィスタイプ)のビジネスフォン・PBXへの接続方法
- アナログ回線としての接続
- INS64相当(BRI)回線としての接続
- LANケーブルでの直接接続(LAN直収)
ひかり電話(オフィスA)
ひかり電話(オフィスA)は最大100チャネル/300番号まで対応しており、小規模事業所~大規模事業所まで幅広く対応しています。
ひかり電話(オフィスA)のビジネスフォン・PBXへの接続方法
- アナログ回線としての接続
- INS64相当(BRI)回線としての接続
- INS1500相当(PRI)回線としての接続
- LANケーブルでの直接接続(LAN直収)
ひかり電話(ビジネスタイプ)※2016年3月31日サービス終了
ひかり電話(ビジネスタイプ)は中規模事業所~大規模事業所をターゲットとしており、数百回線規模でのサービスを提供しています。
料金体系も家庭用やオフィスタイプと異なっており、同一契約グループ内であれば通話料金が無料になるなど、VPNとしての色合いが強く、IPセントレックスにも対応しています。
全国展開しているような事業所にうってつけのサービスといえるでしょう。
ひかり電話(ビジネスタイプ)のビジネスフォン・PBXへの接続方法
- アナログ回線としての接続
- INS64相当(BRI)回線としての接続
- INS1500相当(PRI)回線としての接続
- LANケーブルでの直接接続(LAN直収)
ひかり電話(ビジネスタイプ)は新規申し込み終了
ひかり電話ビジネスタイプはひかり電話オフィスA(エース)の登場により新規申し込みは終了しています。(2012年12月追記)
KDDI光ダイレクト~KDDIのIP電話サービス~
KDDI光ダイレクトはKDDIが提供する法人向けのIP電話サービスです。
電話番号をそのまま移行できる
現在利用中の普通の電話回線からKDDI光ダイレクトに移行しても電話番号はそのまま利用することができます。
KDDI光ダイレクトを契約した拠点間で定額通話が可能
ビジネス通話定額というサービスと組み合わせることで、KDDI光ダイレクトを契約した拠点間での定額通話が可能になります。
au携帯電話への定額通話も可能
同じくビジネス定額通話と組み合わせることで、KDDI光ダイレクトからau携帯電話への定額通話が可能になります。
KDDI光ダイレクトのビジネスフォン・PBXへの接続方法
- アナログ回線としての接続
- INS64相当(BRI)回線としての接続
- INS1500相当(PRI)回線としての接続
- LANケーブルでの直接接続(LAN直収)
最後に
IP電話(IP回線)には他にも様々なサービスが提供されています。
とりあえずは
- 月額料金
- 通話料金
- 定額通話
これらの料金やサービス内容を加味した上で、IP電話(回線)の導入を検討することをおすすめします。
最後までご覧いただきましてありがとうございます。