専用線は特定の拠点間同士を接続して利用する専用回線のことです。
特定の拠点間を接続
専用線は、通常の一般電話回線(局線)と異なり、特定の拠点間やグループ間で接続して使用する回線のことをいいます。
各拠点間のビジネスフォン主装置もしくはPBXを、この専用線で接続することで、拠点間同士の通話が無料で行えます。
定額料金
専用線は特定の拠点間同士を接続して利用する専用回線のことで、普通の電話回線(局線)のような通話時間に応じて課金を行う従量課金とは異なります。
専用線は通話時間の多少に関係なく、月々に定額料金を支払う仕組みになっており、頻繁にやりとりを行う拠点間や、遠距離の通話料金を節約するのに有効です。
専用線の種類
専用線には様々な種類があり、使用状況に応じて最も適した専用線を選択します。
近距離の拠点間同士を接続するのであれば、市内専用線(LD)を、遠距離の拠点間同士を接続するのであれば、市外専用線(OD)を使用します。
光ファイバーやISDN回線等のデジタル回線を利用したデジタル専用線もあります。
最近は旧来のメタル線(銅線)を利用した専用線は減少傾向にあり、代わりにIP網を利用したIP専用線が主流となっています。
IP網を利用したIP専用線のほうが、コストが安く、使用チャネル数の増減も行いやすいので、よりフレキシブルに導入することができます。
市内専用線(LD)
市内専用線(LD)は近距離の拠点間同士を接続するのに使用します。
通常の一般電話回線(局線)と同じく、2Wのメタル線(銅線)で接続するので、ビジネスフォン主装置もしくはPBXに実装する市内専用線(LD)のユニットも他の専用線方式に比べて比較的安価になっています。
拠点間同士を接続する他にも、並列もしくは配下でビジネスフォン主装置もしくはPBXを接続する場面でも用いることがあります。
市外専用線(OD)
市外専用線(OD)は遠距離の拠点間同士を接続するのに使用します。
遠距離の通信を行うので、信号増幅装置(インバンドリンガ)を経由して通信を行います。
ビジネスフォン主装置もしくはPBXと信号増幅装置(インバンドリンガ)間は6Wのメタル線で接続し、信号増幅装置(インバンドリンガ)と対局の信号増幅装置(インバンドリンガ)間は4W(電気通信事業者からレンタル)もメタル線で接続します。
最近ではコスト面からIP網を利用したIP専用線にシフトしています。
デジタル専用線
デジタル専用線は光ファイバーやISDN回線等のデジタル回線を利用した専用線のことです。
デジタル信号を利用するので、アナログ信号を利用した専用線方式に比べて、音質が高く安定しています。
とくに光ファイバーを利用したデジタル専用線は、1本のデジタル回線で最大30chの通話路が利用できるので、専用線が多数集中するような大規模な拠点で導入されるケースが多いです。
IP専用線
IP専用線はIP網を利用した専用線で、現在では最も普及が進んでいる専用線です。
ネットワークの通信速度、通信帯域を十分に確保さえできれば、他のメタル線(銅線)やデジタル専用線に比べて、比較的容易に使用本数を増減させることができるので、状況に応じて柔軟な対応が可能となります。
また、他の専用線に比べてコスト面で優れており、通話品質も安定しているので、今後もますますIP専用線へとシフトしていくことでしょう。
IPへ移行
専用線は通信事業者から銅線(メタル線)を借り上げて利用するので、月額の基本料金が割高になっており、よほどの通信トラフィックがない限り、導入には二の足を踏むことも多いでしょう。
近年では、物理的な専用線ではなく、IP網を利用した専用線へと移行しており、旧来の専用線は現在ではほとんど利用されることがありません。
IP網を利用した専用線であれば、月額料金も旧来の方式に比べて低く、通話数(通話チャネル数)の増減も簡単にできるので、より導入が簡単になっています。
SIP専用線
IP網を利用する専用線の中でもSIP専用線なら、電話番号情報も透過して相手に送出することができるので、内線の延長のような感覚で利用することができます。
各拠点にSIP対応のVOIPゲートウェイを接続することで、IP網を利用したSIP専用線網を構築することが可能です。
最後に
一昔前は、専用線といえば「専用線サービス」を利用するのが当たり前だったのですが、現在ではすっかりIPネットワークへと置き換わっています。
通話品質が向上しつつ、番号透過などの便利な使い方もできるようになり、現在の専用線は大きく進化したものになっています。
拠点間の通話が多く、通話料金の削減を考えられているのであれば、専用線は欠かせません。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございます。