多くのビジネスフォン/PBXにはホテル機能が実装されています。
ビジネスフォン/PBXとホテルシステムを連動
ホテルシステムとビジネスフォン/PBXを連動させることで、ホテルの業務を一元管理することができ、さらに様々な機能を提供することが可能になります。
まずはホテル機能に付随する様々な機器について紹介していきましょう。
フロント受付端末
フロント受付端末でチェックインやチェックアウトといった主な受付業務を行います。
フロント受付端末はホテルシステムの配下として接続されており、ビジネスフォン/PBXとはホテルシステムのホストコンピュータを経由して間接的に連動します。
ホテルシステム用ホストコンピュータ
ホテルシステム用ホストコンピュータはホテルシステム全体の管理を行います。
フロント受付端末もその配下の一つになります。
ホテルシステム用ホストコンピュータとビジネスフォン/PBXを連動させることでそれぞれの配下の端末も全て連動します。
ホテルシステムとビジネスフォン/PBXは連動することで、ホテル機能の真価を発揮するといえるでしょう。
ビジネスフォン/PBX
客室数の多いホテルではビジネスフォン/PBXとホテルシステムの連動は欠かせないものとなっています。
客室数が100室未満のホテルでしたらビジネスフォンでまかなうことが出来るかもしれませんが、100室を超えるようでしたらPBXでの運用をおすすめします。
またホテル機能によってはPBXでしか対応できないケースもありますので、機器の選定は慎重に行いましょう。
ルームインジケータ
ルームインジケータはフロントや各フロアに備え付けられており、客室の状態に応じてランプを表示します。
チェックイン、チェックアウト、清掃中、清掃完了、空き室といった客室の状態に応じてランプ表示も変わります。
またルームインジケータの客室のボタンを押すことで仮チェックイン操作をすることも可能です。
最近ではPC上でルームインジケータ機能を実装させたり、タッチパネルのような液晶画面に置き換わってきているケースも見受けられます。
客室状態変更用端末
客室ごとに外線発信の規制や着信規制、その他コネクティングルームなどの様々な変更を行うことができます。
例えば修学旅行などの団体客が宿泊する場合、客室電話機から外線発信をできないように規制をかける、といった操作を行ったりします。
通話料金管理用端末/通話料金印字用プリンタ
客室電話機やバンケット電話機ごとの通話料金を管理、必要に応じて印字します。
通常、通話料金はビジネスフォン/PBXからホテルシステム側に対して情報が送信され、ホテルシステム側で通話料金の精算を行うのですが、中には宴会場で利用するバンケット内線のような特殊な電話機もあります。
そういった電話機の場合は個別に精算することがあるので、通話料金管理用端末/通話料金印字用プリンタを使ってその都度精算を行います。
ボイスメールサーバ
ボイスメールサーバをビジネスフォン/PBXに別途接続することで、客室電話機にボイスメール機能を提供することができます。
外からホテルに電話をかけ、客室に取り次がれたが相手が不在で出ない、といった場合にボイスメール機能を使って相手に伝言を残すことができるようになります。
伝言を残された客室電話機はメッセージウェイティングランプが点滅するので、受話器を上げて聞き取り用の操作を行うことで、相手からの伝言を聞き取ることができます。
フロント電話機
ホテルのフロントに設置される電話機です。
主に客室からの呼び出しに対応したり、客室に電話をかけたりするときに使用します。
業務用電話機
ホテル内の客室業務以外の部分で使用する電話機です。
ホテルの内線は大きく分けて客室用電話機と業務用電話機の2種類に分かれます。
業務用電話機はホテル内の事務所や厨房、清掃員室など、ホテルの裏方で主に使用されます。
PHS子機/PHSアンテナ
PHS子機/PHSアンテナはホテルシステムとは直接関わり合いのないものですが、広いホテル内での業務の効率化には欠かせないものとなっています。
多くの客室を少ないスタッフで連携を取りながら効率良く業務をこなすためには、移動しながらでもいつでも内線で連絡を取れる環境は欠かせません。
また業務で使うだけでなく、PHS端末を宿泊されているお客様に貸出しするケースも見受けられます。
中継台
外線着信を効率良く振り分けるために中継台を利用します。
中継台はホテルシステムに必須ではありませんが、大規模なホテルになってくると、問い合わせの電話の数も多くなります。
電話を効率良く取り次ぐための操作は中継台が最も得意とするところです。
業務用電話機でも対応は可能ですが、着信数の多いホテルではある意味かかせない機器の1つと言えるでしょう。
客室電話機
名前のとおり客室で利用する電話機です。
客室電話機は普通のオフィスで利用するような縦長タイプと異なり、横に長いデザインのものが多くなっています。
またメッセージウェイティングランプが実装されているので、ホテルのフロントから伝言がある時やボイスメールにメッセージが入っているときにはメッセージウェイティングランプが点滅して知らせてくれます。
客室電話機は1桁でフロントを呼び出す機能や、モーニングコールといった機能が提供されています。
ホテルに宿泊しても客室電話機を使うケースはほとんどないかもしれませんが、ホテルによってどんな電話機がついていて、どんな機能が提供されているのか一度じっくりとご覧になってみてはいかがでしょうか?
バンケット電話機
バンケット電話機は客室ではなく主に宴会場や式場で利用する電話機です。
通常は外線発信が規制されていますが、必要に応じて外線発信を許可(チェックイン)して、その場にいるお客様のどなたでも利用できるようにします。
ハウスホン
客室フロアの共用部に置かれる電話機です。
主にフロントを呼び出すときに利用します。
ホテルによっては受話器を上げただけでフロントを呼び出すように設定しているケースもあります。
ハウスホンは基本的には外線発信を規制しており、あくまでも内線機能だけの提供になります。
最後に
ビジネスフォン/PBXのホテル機能はホテルシステムと連動するかしないかで提供できるサービスの幅が異なります。
小規模なホテルであれば、ホテル機能は不用な場合もありますが、客室が何百室もあるようなホテルではビジネスフォン/PBXとホテルシステムの連動は欠かせないものとなっています。
様々なホテル機能につきましては順次ページを作成してまいりますので、どうぞよろしお願いします。
最後までご覧頂きましてありがとうございます。