IP電話のLAN直収ってどういうこと?
ビジネスフォンのIP電話LAN直収について順番に説明していきましょう。
IP電話サービスをアナログ回線やBRI、PRIといったメタル回線に変換することなくビジネスフォン・PBXに接続
LAN直収とは、ひかり電話などのIP電話サービスを、アナログ回線やINS64(BRI)、INS1500(PRI)のようないわゆる「メタル回線」に変換することなく、ビジネスフォンもしくはPBXにLANケーブルで直接接続することを指します。
LAN直収できるタイプの回線の種類としては、以下のようなものがあります。
- ひかり電話オフィスタイプ
- ひかり電話オフィスA(エース)
- KDDI光ダイレクト
- 各種IP電話サービス(OCNドットフォンなど)
なぜLAN直収をするのか?
では、何のためにビジネスフォンにLAN直収をするのでしょうか?
それは、ずばり機器代のコスト削減です。
上記の図の構成では、IP電話をINS64回線のT点相当のメタル線に変換しています。(BRI接続)
上記の構成では、IP電話のLAN直収時には【必要のない機器】が存在します。
1つ目の機器はVOIPゲートウェイ
OG420Xiは買取の場合ですと44,000円(税抜 40,000円)の費用がかかります。
レンタルの場合だと1,100円(税抜 1,000円)のレンタル代が毎月かかります。
また設置工事費として1装置ごとに8,800円(税抜 8,000円)が必要となります。
LAN直収だとOG420Xiは必要ないので、機器代、レンタル代、設置工事費のいずれもかかりません。
2つ目の機器はビジネスフォン側のINS64回線パッケージ(BRIパッケージ)
LAN直収の場合はLAN直収用のパッケージが別途必要となりますが、基本的にはINS64回線パッケージ(BRIパッケージ)のほうが高額になるケースが多くなります。
そのため、ビジネスフォン側の費用面でもLAN直収のほうにメリットがあると言えるでしょう。
通話本数に応じて機器の増設が必要
いずれの機器もそれぞれの収容能力以上の通話本数を増設したい、となった場合には機器を新たに増設する必要があります。
機器を増設すると当然、機器の費用、レンタル費用、工事費用も必要となります。
また、機器の数が増えてくると設置スペースの問題や電源の確保といった問題も新たに浮上してきます。
そうなると設置場所そのものを見直す所から始めなければならなくなるかもしれませんね。
LAN直収なら
LAN直収の場合ですと、基本的にはビジネスフォン側のLAN直収パッケージの収容能力を超えなければ、基本的にはビジネスフォンのデータ設定だけで事足ります。
収容能力を超えた場合は機器としてはLAN直収パッケージをビジネスフォンに追加収容するだけで済みますので、設置スペースの問題、電源の確保といった問題も基本的には起こりません。
最後に
今後もますます普及が進むであろう「LAN直収」でのビジネスフォンへの接続ですが、いくつか注意しなければならない点もあります。
1つは障害発生時の切分けが難しい点です。
LAN直収の接続形態で通信障害が発生した場合、網側に原因があるのか、あるいはビジネスフォン側に原因があるのか、メタル回線の接続形態に比べて、原因を突き止めるのに時間がかかるケースがあります。
2つ目は事務所の移転時には慎重になる必要があります。
ビジネスフォンをそのまま移転先の事務所で利用する場合に、光回線の開通が間に合わないケースがあります。
インターネットに関してはADSLで代用が聞きますが、LAN直収部分に関しては本開通を待つしかありません。
一時的にアナログ回線やINS64回線のようなメタル回線で間に合わせなければならないケースも出てくるかと思います。
その場合は、ビジネスフォン側にもアナログ回線やINS64回線に対応したパッケージを実装させる必要があるので、余分な出費がかさむことになってしまします。
移転計画は慎重に立てるようにしましょう。
メリット、デメリットありますが、管理人としましては「LAN直収」おすすめです。
最後までご覧いただきましてありがとうございます。