- 事務所を引っ越すので、ビジネスフォンを再設置してほしい
- 人事異動で電話機を移設したり、設定をかえてほしい
- 社員が増えるので電話機をふやしたい
こんなときには、当然ビジネスフォン工事が必要になってきますよね。
そして、工事を実施するビジネスフォン工事会社に、どのような工事をしてもらいたいのかを整理して伝えなければなりません。
しかし、ビジネスフォンや電話のことに関して、右も左もわからない。
あるいは前任者から引き継いだばかりで、まだ社内のビジネスフォンの仕様についてまだ把握できていない。
それ以前に、現在のビジネスフォンの設備状況がまったくわからない。
そんなことはありませんか?
ここではビジネスフォン工事をお願いする際に、打ち合わせなどで押さえておくべきポイントについて説明しましょう。
1. ビジネスフォン本体と電話機の具体的な設置場所を決める
ビジネスフォンの内線電話機には、ビジネスフォン主装置からの配線が必要になります。
ビジネスフォン主装置の設置場所が決まらない = 配線の起点が決まらない
ということなので、まずはビジネスフォン主装置の配置を決めます。
続いて内線電話機やFAX、その他端末の場所を決めます。
設置場所を決めるときには、たたき台となる配置図面に記載していくようにしましょう。
口頭だけで説明するよりも確実に相手に伝わるからです。
電話機の取り付け場所の指示が曖昧な状態で工事が始まってしまうと、あとから「ここにも電話機がいる」といっても、工事会社によっては別見積もりになってしまうこともあります。
内容の変更や追加が出た時は、早めにビジネスフォン工事会社に伝えるようにしましょう。
2. 内線番号やFAXなどの電話番号を決める
内線電話機の設置場所が決まったら、続いて内線番号を決めます。
部屋が1つで内線電話機が数台程度であれば、内線番号は特に気にする必要もないのでビジネスフォン工事会社にお任せしてしまっても大丈夫です。
しかし電話機が数十台以上ある、もしくは複数の部屋、階にまたがるようであれば、内線番号の取り決めは必須です。
内線番号の採番のしかたについては、こちらの記事を参考にしてください。
3. 部署やグループの範囲を内線番号単位で具体的に決める
内線1台ごとに、所属する部署、グループの範囲を明確にします。
この範囲に応じて、内線番号ごとに
- 外線の着信
- 代理応答
- パーク保留
などの設定を行うからです。
この範囲を決めるときには部署、グループで使用する代表番号も併せて決めておきましょう。
4. 代理応答とパーク保留の範囲を決める
4-1. 代理応答
代理応答は近くの内線着信を代わりに応答出来る機能です。
代わりに応答できる内線は、同じ代理応答グループの所属していることが前提となるので、部署ごとや部屋ごとなどの範囲で設定します。
広すぎる範囲で設定してしまうと、全然関係ない内線の代わりに応答してしまうことがあります。
逆に狭すぎる範囲で設定すると、代理応答したくてもできない場面が出てきます。
代理応答できる範囲は、広すぎず狭すぎず、がポイントです。
4-2. パーク保留
パーク保留とは、通話を保留するときに、複数の内線で共用する保留ボタンのことです。
パーク保留は内線全体、あるいはグループ単位で設定します。
部署ごとや部屋ごと、あるいは内線全体などの範囲で設定します。
パーク保留は必ずしも使う機能というわけではありません。
パーク保留を使うことがない運用なのであれば、気にする必要はありません。
5. 多機能電話機のファンクションキーの割付を決める
多機能電話機のファンクションキーに割り付けるボタンの内容と割付位置を決めます。
ボタンの種類には次のようなものがあります。
外線着信、あるいは外線発信で使うボタンです。
外線ボタンには、実際に使用する部署名と電話番号を業者に伝えましょう。
内線全体、あるいはグループ単位で使う保留ボタンです。
パーク保留ボタンの個数とグループの範囲を業者に伝えましょう。
近くの内線着信にかわりに応答できるボタンです。
機種によっては、最初から機能ボタンとして組み込まれているものもあります。
内線着信を別の内線や外線に転送するときに使います。
短縮ダイヤルを使うときに使います。
機種によっては、最初から機能ボタンとして組み込まれているものもあります。
外線着信を留守番に応答させたり、別の電話番号を転送させたりするときに使うボタンです。
部署ごとのファンクションキーの割付例
- キー1~3は総務の外線ボタン
- キー7はモード切替ボタン(ボタンを押すと総務の外線着信はビジネスフォン内蔵の留守番へ)
- キー13~18は各種機能ボタンを割付(13.短縮、17.不在転送、18.代理応答)
- キー19~24はパーク保留ボタン
- キー1~6は営業第1の外線ボタン
- キー7はモード切替ボタン(ボタンを押すと営業第1の外線着信はビジネスフォン内蔵の留守番へ)
- キー13~18は各種機能ボタンを割付(13.短縮、17.不在転送、18.代理応答)
- キー19~24はパーク保留ボタン
- キー1~6は営業第2の外線ボタン
- キー7はモード切替ボタン(ボタンを押すと営業第2の外線着信はビジネスフォン内蔵の留守番へ)
- キー13~18は各種機能ボタンを割付(13.短縮、17.不在転送、18.代理応答)
- キー19~24はパーク保留ボタン
- キー1~3は経理の外線ボタン
- キー7はモード切替ボタン(ボタンを押すと経理の外線着信はビジネスフォン内蔵の留守番へ)
- キー13~18は各種機能ボタンを割付(13.短縮、17.不在転送、18.代理応答)
- キー19~24はパーク保留ボタン
- キー1~4は開発の外線ボタン
- キー7はモード切替ボタン(ボタンを押すと開発の外線着信はビジネスフォン内蔵の留守番へ)
- キー13~18は各種機能ボタンを割付(13.短縮、17.不在転送、18.代理応答)
- キー19~24はパーク保留ボタン
- キー1~4はマーケティングの外線ボタン
- キー7はモード切替ボタン(ボタンを押すとマーケティングの外線着信はビジネスフォン内蔵の留守番へ)
- キー13~18は各種機能ボタンを割付(13.短縮、17.不在転送、18.代理応答)
- キー19~24はパーク保留ボタン
- キー1~4はメンテナンスの外線ボタン
- キー7はモード切替ボタン(ボタンを押すとメンテナンスの外線着信はビジネスフォン内蔵の留守番へ)
- キー13~18は各種機能ボタンを割付(13.短縮、17.不在転送、18.代理応答)
- キー19~24はパーク保留ボタン
- キー1~4はWeb開発の外線ボタン
- キー7はモード切替ボタン(ボタンを押すとWeb開発の外線着信はビジネスフォン内蔵の留守番へ)
- キー13~18は各種機能ボタンを割付(13.短縮、17.不在転送、18.代理応答)
- キー19~24はパーク保留ボタン
- キー1は社長の外線ボタン
- キー7はモード切替ボタン(ボタンを押すと社長の外線着信はビジネスフォン内蔵の留守番へ)
- キー13~18は各種機能ボタンを割付(13.短縮、17.不在転送、18.代理応答)
- キー19~24はパーク保留ボタン
- 外線ボタン、モード切替ボタンはなし
- キー13~18は各種機能ボタンを割付(13.短縮)
- キー19~24はパーク保留ボタン
ちなみに受付の内線104は一般電話機なのでファンクションキーの割付はできません。
6. 外線着信が鳴動する内線を決める
外線着信したときに鳴動する内線電話機を決めます。
全部の内線を鳴動させることもあれば、特定の内線のみ鳴動させることもあります。
外線着信鳴動させる内線の決め方の例
- 役員席は鳴動させない(ボタンの点滅のみ)
- 各部署の内線番号の偶数、あるいは奇数のみ鳴動させる
- 各部署の内線番号の老番の数台のみ鳴動させる
- よく電話を受ける人のみ鳴動させる
- 役席は外線着信しても鳴動しない(外線ボタンは点滅、点滅しているボタンを押して応答はできる)
- 役席以外は外線着信鳴動あり(受話器を上げるだけで応答できる)
- 役席は外線着信しても鳴動しない(外線ボタンは点滅、点滅しているボタンを押して応答はできる)
- 役席以外は外線着信鳴動あり(受話器を上げるだけで応答できる)
- 役席は外線着信しても鳴動しない(外線ボタンは点滅、点滅しているボタンを押して応答はできる)
- 役席以外は外線着信鳴動あり(受話器を上げるだけで応答できる)
- 役席は外線着信しても鳴動しない(外線ボタンは点滅、点滅しているボタンを押して応答はできる)
- 役席以外は外線着信鳴動あり(受話器を上げるだけで応答できる)
- 役席は外線着信しても鳴動しない(外線ボタンは点滅、点滅しているボタンを押して応答はできる)
- 役席以外は外線着信鳴動あり(受話器を上げるだけで応答できる)
- 全席、外線着信鳴動あり(受話器を上げるだけで応答できる)
- 全席、外線着信鳴動あり(受話器を上げるだけで応答できる)
- 全席、外線着信鳴動あり(受話器を上げるだけで応答できる)
- 外線着信鳴動あり(受話器を上げるだけで応答できる)
- 外線着信なし
7. 外線発信時に相手に通知する番号を内線ごとに決める
内線電話機から外線発信したときに、相手に通知する電話番号を決めます。
基本的には部署ごとの代表番号を通知させるのが一般的ですが、中には複数の番号を使い分けるケースもあります。
使い分けるケースも含めて発信者番号通知の取り決めをしておきましょう。
発信者番号通知の決め方の例
- 0発信したときは部署の代表番号を通知する
- 各外線ボタンを押して発信したときは外線ボタンの電話番号を通知する
- 0発信、8発信、9発信というふうに発信特番で通知する電話番号を使い分ける
ただし、相手に通知できる電話番号をビジネスフォンで自由に設定するためには次の電話回線に限られます。
- ISDN回線(INS64、INS1500)
- BRI接続のIP電話(ひかり電話、KDDI光ダイレクトなど)
- PRI接続のIP電話(ひかり電話、KDDI光ダイレクトなど)
- LAN直収のIP電話(ひかり電話、KDDI光ダイレクトなど)
最後に
ビジネスフォン工事では使う機能が増えるほど設定上の取り決めも当然多くなります。
ここでは最低限押さえておくべきビジネスフォンの設定上の7つのポイントとして紹介しました。
この7つのポイントを抑えておけば、ビジネスフォン業者との打ち合わせもスムーズに運ぶことでしょう。
最後までご覧いただきましてありがとうございます。