- ビジネスフォンを新設する場合の工事内容の内訳はどうなっているのか?
- 見積を見てもよくわからないし、説明を聞いてもピンとこない。
このような方もいらっしゃるかと思います。
というわけで、ビジネスフォン工事会社が実際に工事する内容について、簡単にですがまとめてみました。
ビジネスフォンの機器代
まずはビジネスフォンの機器代ですね。
機器代の内訳としては、次のようなものが挙げられます。
- ビジネスフォン主装置
- 各種パッケージ
- 電話機などの各種端末
- その他付属機器
ビジネスフォン主装置
ビジネスフォン主装置は、電話機ではなく、電話機を接続するメインになる大元の装置のことを指します。
内線や外線はすべてこのビジネスフォン主装置に接続されることによって、様々な機能を利用して効率よくみんなで電話を使うことになるわけです。
接続する内線や外線に応じて、ビジネスフォン主装置に必要となるパケージと呼ばれる基板を実装していくことになります。
各種パッケージ
各種パッケージはビジネスフォン主装置に実装する基板のことを指します。
パッケージは接続する回線や端末の種類、接続する数に応じて様々な種類のものが存在します。
CPUパッケージ
CPUはビジネスフォン主装置を制御するメインとなるパッケージになります。
ビジネスフォンの設定はこのCPUに対して行うことになります。
内線パッケージ
内線パッケージは内線電話機を接続するために必要となる基板のことです。
多機能電話機
一般電話機
IP電話機
ISDN内線電話機
接続する台数に応じて回路数もいくつかの種類があります。
2回線、4回線、5回線、8回線、12回線、16回線、24回線、32回線などです。
外線パッケージ
外線パッケージは次のような電話回線を収容するために必要となる基板のことです。
アナログ回線
INS64回線
INS1500回線
IP回線
各種専用線(LD、OD、1.5M、TTC2M、SIPなど)
接続する回線数に応じて回路数もいくつかの種類があります。
2回線、4回線、5回線、8回線、12回線、16回線、24回線、32回線、64回線、128回線などです。
その他パッケージ
他にも様々な種類のパッケージがあります。
PB信号パッケージ
ナンバーディスプレイパッケージ
放送・ドアホン接続パッケージ
PHSアンテナ接続パッケージ
電話機、各種端末
ビジネスフォンの配下で使用する電話機や各種端末のことです。
- 多機能電話機
- 一般電話機
- PHSアンテナ
- PHS子機
- ドアホン
- 放送設備
- SIP電話機
- IP多機能電話機
その他付属機器
ビジネスフォン装置一式以外にも、様々な付属機器が必要になることもあります。
ルーター
ルーターは次のような用途で、ビジネスフォンと組み合わせて利用されます。
- 拠点間のビジネスフォン同士を接続するためのVPNルータとして利用
- IP外線を収容するために利用
- IP内線のルーティングで利用
スイッチングハブ(SW-HUB)
スイッチングハブ(SW-HUB)は、次のような用途でビジネスフォンと組み合わせて利用されます。
- ビジネスフォンと保守用パソコンを接続
- 課金用パソコン、ホテルシステム管理用パソコンを接続
- RASルータを接続(ビジネスフォンのリモートメンテナンスのため)
- IP外線を収容するために利用
- IP内線を接続するために利用
RASルータ
VoIPゲートウェイ
VoIPゲートウェイは次のような用途で、ビジネスフォンと組み合わせて利用されます。
- IP外線を収容するため
- 専用線を収容するため
19インチラック
ビジネスフォンのIP化が進んでいることから、19インチラックに搭載することが前提で設計されている機種も中にはあります。
他にもONU、ルータ、スイッチングHUB、VOIPゲートウェイなど、IP外線やIP内線に別途必要となる機器もあるので、こういった機器をキレイに収容するには19インチラックはうってつけの収納機器といえるでしょう。
通話録音装置、留守番装置、コールシーケンサーなど
通話録音装置
ビジネスフォンに収容する内線や外線に接続することで、通話内容をすべて自動的に録音できます。
留守番装置
ビジネスフォンに接続して、業務時間外や休日に留守番が代わりに外線着信に応答します。
コールシーケンサー
ビジネスフォンに収容している外線が着信した時に、お待たせメッセージを送出します。
ビジネスフォンのデータ設定、試験調整費
ビジネスフォンは機器をそろえて設置するだけで動く、というものではありません。
ビジネスフォンを利用するお客様の仕様に応じてデータ設定をすることで、はじめてまともに使うことができます。
設置業者はビジネスフォンのデータ設定を行い、設定通りに動作するかどうかの試験調整をして、問題がないかどうかを確認します。
配線工事費
電話機や各端末を接続するために必要な電話ケーブルを配線する費用です。
建物の広さ、形状によって配線方法は異なってきます。
事務所のような電話機を集中して設置するのと、広い店舗内の各所に電話機を設置するのでは、配線工事の内容も全く異なってものになってきます。
電話機の台数と配線工事費は必ずしも正比例するものではありませんので注意が必要です。
材料費
材料費とては次のようなものが挙げられます。
- 各種電話用ケーブル
- 電話用端子、プラグ
- モール等の保護部材
- 配管
- 消耗品
設置する端末が多い、あるいは配線長が長い、といった場合には当然材料費も比例して高くなります。
端末取付費
配線工事費とは別に端末取付費というものがあります。
設置業者にもよりますが、端末取付費に配線工事を含む場合もあります。
あるいは配線工事費は含まないが、端末の試験調整費を含むこともあります。
端末の試験調整費
端末を取り付け後、様々な試験調整を行います。
取り付けた内線電話機1台1台すべて試験調整をして問題があるようであれば、随時設定を調整したり、端末そのものの見直しをします。
試験調整費は端末取付費に含まれることもあります。
開通立会費
ビジネスフォン設置工事が終了し、無事に開通したら本格的な運用開始時に設置業者が立会いを行います。
電話機の使い方の説明や、トラブル対応、設定の微調整など、運用時の状況に応じて設置業者が対応します。
完成図書作成費
完成図書作成費は必ずしも発生するものではありません。
工事終了後、現在のビジネスフォンの設置状況がどうなっているのかを把握しておきたいのであれば、完成図書を作成してもらっておいたほうがいいでしょう。
諸経費
主には交通費、駐車場代、ガソリン代、消耗品費などです。
設置業者によっては見積金額の数パーセントで設定している場合もあります。
最後に
上記に記載したのはあくまでも「ビジネスフォン新設」部分のみの工事内容です。
ほかにはビジネスフォンに収容する電話回線の手配や電気工事も必要になります。
一括でまとめて工事してくれる業者もあるかもしれませんが、基本的には各々別途発注する形になるかと思います。
担当者様、大変でしょうが頑張ってください。ファイト。
最後までご覧いただきましてありがとうございます。