ビジネスフォン・PBX本体の筐体の形状、大きさ、重さに応じて様々な設置方法があります。
【1】ビジネスフォン (小規模容量タイプ) の設置方法
ビジネスフォン (小規模容量タイプ) は筐体サイズがあまり大きくないので、比較的自由に設置場所を選ぶことができます。
【1-1】一番多いのが床に小規模容量タイプのビジネスフォン本体を設置する方法
一番多く見受けられるのが、床に設置する方法です。
多くの小規模容量タイプのビジネスフォンは、筐体下部に床置用品を別途取り付けることで、床に単純に置くだけの設置方法が取られることが多いです。
床置用品がなくても床に置くだけのことなので、ほとんどの場合問題ありません。
しかし次の点に注意しましょう。
- ビジネスフォンの放熱部分を塞がないように注意する
- ビジネスフォンに内蔵しているバッテリーの実装の都合により、筐体を設置する向きに制限が設けられていることがある
- メンテナンスができなくなるような置き方は極力控える
【1-2】床に置かずに、壁面に小規模容量タイプのビジネスフォン本体を設置する方法
床に設置するのではなく、壁面にビジネスフォンを固定する方法もあります。
小規模容量タイプのビジネスフォンは筐体が小さく、重さもそれほどないことから壁面への設置が可能です。
ビジネスフォン本体の背面に取付金具をつけることで、壁面への固定が可能となっています。
天井に近い部分の壁面に、ビジネスフォン本体を固定すれば、設置スペースの節約にもなります。
【1-3】19インチラックに小規模容量タイプのビジネスフォン本体を搭載する
様々なネットワーク機器を搭載するときに使用する19インチラックに、ビジネスフォン本体を搭載する方法もあります。
ビジネスフォン本体に、19インチラック搭載用の部品を取り付けることで、19インチラックにコンパクトに搭載することが可能です。
最近はひかり電話、KDDI光ダイレクトなどのIP電話の普及がすすんでいることから、IP電話に付随するネットワーク機器もまとめて、19インチラックに搭載すれば機器やケーブルをすっきりと収納できます。
【2】ビジネスフォン (中~大規模容量タイプ) の設置方法
ビジネスフォン (中~大規模容量タイプ) の多くは、ビルディングブロック方式が採用されており、筐体 (キャビネット、架) の増設状況によって設置方法が異なってきます。
【2-1】中~大規模容量タイプのビジネスフォンを、床に置いて設置する方法
中~大規模容量タイプのビジネスフォンは、容量に応じて筐体を増設します。
筐体があまり増設されていないようであれば、床に置くだけの設置方法でも基本的に大丈夫です。
【2-2】中~大規模容量タイプのビジネスフォンを、床に固定して設置する方法
ビジネスフォンの増設架が多くなってくると、全体的に高さも出てきますので、床にポンと置いただけでは、少し不安定な状態になります。
そのため、ビジネスフォンを床面に固定するなどの耐震対策が必要となってきます。
【2-3】中~大規模容量タイプのビジネスフォンを、床面と壁面の両方に固定して設置する方法
ビジネスフォンによっては、床面と壁面の両方での固定を推奨しているケースもあります。
床面だけでは、ビジネスフォンの筐体がぐらついてしまうので、壁面にも併せて固定することでぐらつきを防止するわけです。
【2-4】中~大規模容量タイプのビジネスフォンを、壁面に固定して設置する方法
設置環境によっては、建物の躯体に傷をつけることがNGの場合もあります。
そのようなときは、床面での固定はせずに、パーテーションなどの壁面だけで固定して設置します。
【2-5】中~大規模容量タイプのビジネスフォンを、19インチラックに搭載する
ラック搭載専用の取り付け用品を、中~大規模容量ビジネスフォンに取り付けて、19インチラックに搭載する方法もあります。
将来的に筐体を増設する可能性がある場合は、増設分も考慮した上で、19インチラックに搭載するように設計しましょう。
【3】PBX (中規模容量タイプ) の設置方法
PBX (中規模容量タイプ) の多くは、ビルディングブロック方式が採用されており、基本的には前述の【ビジネスフォン(中~大規模容量タイプ)】と同様の設置方法となります。
ただし、中には床面もしくは壁面に固定設置することを前提として製造されている機種もあります。その機種に関しては、床に置くだけでの設置ができません。
【4】PBX (大規模容量タイプ) の設置方法
PBX (大規模容量タイプ) は、床面に固定設置することが前提となっています。
筐体も大きくなるので、傾きが無いように、レベルを正確に測って設置する必要があります。
耐震対策をより強化する場合は、天井からアングル、もしくはチェーン(鎖)で固定します。(ここまでの対策はなかなかしませんが)
筐体を設置するときは、筐体のメンテナンスができるように、筐体の周囲には人が十分に作業できるくらいのスペースを確保する必要があります。
【5】PBX (サーバータイプ) の設置方法
PBX (サーバータイプ) は、基本的には19インチラックに搭載することが前提となっています。
19インチラック搭載以外の設置方法としては、筐体間を専用金具で連結し、床置用の筐体の上に固定して設置する方法もあります。
サーバータイプのPBXは、他のタイプのビジネスフォン・PBXと異なり、筐体内部でケーブルの余長を取り回せるようなスペースがないため、スタンドアローンでの設置はあまりおすすめできません。
見た目の良さ、メンテナンス性の高さ、セキュリティ面などを考慮すると、スタンドアローンでの設置ではなく、19インチラックへ搭載するほうをおすすめします。
最後に
ビジネスフォン・PBXには様々な形状の機種があり、その機種に応じた設置方法があります。
そして設置場所の環境によっても、設置する方法は当然変わります。
ビジネスフォン・PBXの設置環境を、あらかじめ整えておくことも大事な要素のひとつと言えるのです。
最後までご覧いただきましてありがとうございます。