IP電話がまだ登場していない時代の、ビジネスフォンの外線の接続パターンは、大きく分けて次の3つだけでした。
- アナログ回線
- INS64回線
- INS1500回線
IP電話が登場してからは、VOIPゲートウェイやLAN直収など、接続のバリエーションが増えて説明されてもよくわからない、という方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
というわけで、ビジネスフォンに外線を収容するときの接続パターンについて、いろいろとまとめてみました。
【1】 アナログ回線をビジネスフォンに接続する場合
アナログ回線は2芯の電話線でビジネスフォンに接続します。
ビジネスフォン側はアナログ回線用のパッケージを筐体のスロットに収容します。
収容されたスロットの回路部分に、アナログ回線を1回線ずつ接続することで、ビジネスフォンに外線とし収容されます。
【2】IP電話をアナログ回線としてビジネスフォンに接続する場合
ひかり電話などのIP電話は、アナログ回線対応のVOIPゲートウェイで、アナログ回線に変換します。
VOIPゲートウェイの回路から、2芯の電話線として出力されたアナログ回線を、ビジネスフォンのアナログ回線パッケージの回路に接続することで、ビジネスフォンに外線として収容されます。
VOIPゲートウェイで変換されるアナログ回線の本数は2本、4本、8本などの単位になっています。1台では足りない場合は、複数のVOIPゲートウェイを組み合わせてアナログ回線の本数を増やします。
【3】 INS64回線をビジネスフォンに接続する場合
INS64回線をビジネスフォンに接続するパターンは2通りあります。
【3-1】U点としてビジネスフォンに接続
INS64回線は、2芯の電話線で供給されますが、電話線に先には必ずDSUと呼ばれる回線終端装置を接続しなければなりません。DSUへの一次接続点のことをU点と呼びます。
DSUを内蔵したINS64回線用のパッケージを、ビジネスフォンの筐体のスロットに収容していれば、別途DSUを用意する必要がありません。
INS64回線を2芯の電話線の状態で、そのままパッケージの回路に接続することで、ビジネスフォンに外線として収容されます。
【3-2】T点としてビジネスフォンに接続
INS64回線をDSUに接続して4芯に変換後、T点としてビジネスフォンに接続します。
ビジネスフォン側では、DSUを内蔵していないINS64回線用のパッケージをスロットに収容します。
収容したパッケージの回路に対して、DSUから変換された4芯の電話線を接続することでビジネスフォンに外線として収容されます。
【4】IP電話をINS64回線としてビジネスフォンに収容する場合
ひかり電話などのIP電話は、INS64回線対応のVOIPゲートウェイで、ISDN回線に変換します。
VOIPゲートウェイから出力されるISDN回線は、INS64回線でたとえるならDSUから出力される4芯の電話線と同じ部分になります (つまりT点)。
そのため、ビジネスフォンで使用するパッケージはDSUを内蔵していないINS64回線用のパッケージになります。
VOIPゲートウェイの回路から、4芯の電話線として出力されたISDN回線を、ビジネスフォンのDSUを内蔵していないINS64回線用のパッケージに接続することで、ビジネスフォンに外線として収容されます。
VOIPゲートウェイで変換されるISDN回線の本数は2本、4本などの単位になっています。1台では足りない場合はアナログ回線と同じく、複数のVOIPゲートウェイを組み合わせて回線の本数を増やします。
【5】INS1500回線をビジネスフォンに収容する場合
INS1500回線は光ケーブルで供給され、INS1500専用のDSUに接続されます。
INS1500専用のDSUからは、4芯の電話線として出力され、ビジネスフォンに接続します。
ビジネスフォン側ではINS1500回線用のパッケージをスロットに収容します。
収容したパッケージの回路に対して、INS1500専用のDSUから出力された4芯の電話線を接続することでビジネスフォンに外線として収容されます。
【6】IP電話をINS1500回線としてビジネスフォンに収容する場合
ひかり電話などのIP電話は、INS1500回線対応のVOIPゲートウェイで、INS1500回線に変換します。
VOIPゲートウェイの回路から、4芯の電話線として出力されたINS1500回線を、ビジネスフォンのINS1500回線用のパッケージに接続することで、ビジネスフォンに外線として収容されます。
VOIPゲートウェイで変換されるISDN回線の本数は1本だけとなっています。1台では足りない場合は、複数のVOIPゲートウェイを組み合わせて回線の本数を増やします。
【7】IP電話をビジネスフォンにLAN直収する場合
NTTのひかり電話や、KDDIの光ダイレクト、050番号などのIP電話をビジネスフォンにLANケーブルで直接接続して収容します。
ビジネスフォン側には筐体にVOIP回線用のパッケージを収容して、そのパッケージにあるWANポートにLANケーブルを接続することで、ビジネスフォンに外線として収容されます。
VOIPゲートウェイなどの外部の機器が不要になるので、その分のコストを削減できます。
最後に
ビジネスフォンに接続する外線は、ひかり電話などのIP電話が主流になっていますが、接続のしかたのバリエーションにも、色々とあるんだなぁ、ということがお分かりいただけたと思います。
IP電話を導入する時には、いろいろと営業さんから説明を受けるでしょうが、ある程度内容を把握しておけば、理解もしやすいことでしょう。
最後までご覧いただきましてありがとうございます。