デジタルコードレス電話機とは、デジタル信号でワイヤレス通信を行うPHS子機タイプの電話機のことです。
デジタルコードレス電話機(PHS子機)を使うためにはデジタルコードレス基地局(PHSアンテナ)が必要
デジタルコードレス電話機(PHS子機)はビジネスフォン・PBXから電話線で有線接続されたビジネスフォン・PBX専用のデジタルコードレス基地局(PHSアンテナ)からの電波を受信して、通信を行います。
そのため、デジタルコードレス電話機(PHS)を使用するエリアにデジタルコードレス基地局(PHSアンテナ)を設置する必要があります。
デジタルコードレス基地局(PHSアンテナ)の電波範囲
デジタルコードレス基地局(PHSアンテナ)の電波範囲は次のようになっています。
- デジタルコードレス基地局(PHSアンテナ)を中心とした半径30m~50m程度(見通しのよい場所に設置した場合)
建物の状況によっては電波状態が悪い場合がある
特に次のような構造物のある場所では電波状態が著しく悪くなることがあります。
- 鉄筋の比率が多い建物(鉄は電波を吸収します)
- ガラスで覆われた部屋(ガラスは電波を反射します)
- コンクリートの壁が厚い部屋
上記のような環境にデジタルコードレス基地局(PHSアンテナ)を設置する場合は、事前に電波測定をしておく必要があります。
デジタルコードレス基地局(PHSアンテナ)1台あたりのの同時通話数
デジタルコードレス基地局(PHSアンテナ)1台あたりに接続できるデジタルコードレス電話機(PHS子機)の台数は3台までとなっています。
デジタルコードレス電話機(PHS子機)が多く設置されるエリアでは電波範囲だけでなく同時通話数も考慮しなければなりません。
- 同時通話数が2台の場合、基地局数1台~
- 同時通話数が5台の場合、基地局数2台~
- 同時通話数が9台の場合、基地局数3台~
尚、デジタルコードレス基地局(PHSアンテナ)間の設置距離は最低1m~2m程度距離をあけて設置しないと、電波が干渉して、正常に電波が飛ばなくなるので注意しましょう。
デジタルコードレス電話機は市販されている自営標準のPHS子機も使える
デジタルコードレス電話機として使用するPHS子機には次のようなものがあります。
- ビジネスフォン・PBXメーカー製の自営標準のPHS子機
- ビジネスフォン・PBX専用の多機能PHS子機
- 一般に市販されている自営標準のPHS子機
市販品のPHS子機には黒ロムと白ロムの2種類がある
市販品のPHS子機には次の2種類があります。
- 公衆番号(070番号)を持っている「黒ロム」
- 公衆番号(070番号)を持っていない「白ロム」
「黒ロム」PHSは公衆番号(070番号)と内線番号の両方が使えます。
一方「白ロム」PHSは内線番号のみ使用できます。
ビジネスフォン・PBXの機能に特化した多機能PHS
ビジネスフォン・PBXのメーカーが専用に製造しているPHSは、市販品の「黒ロム」のように070番号は持っていません。
そのかわり市販品のPHS子機と異なり、ビジネスフォン・PBXの機能に特化した設計がなされており、市販品のPHSよりも、より便利な使い方ができるようになっています。
多機能電話機ライクな使い方ができる
ビジネスフォン・PBX専用の多機能PHSは、多機能電話機と同じようにファンクションキーや各種機能キーが実装されており、市販のPHS子機よりも多機能電話機に近い感覚で利用することが可能です。
特にファンクションキーがあるのとないのとでは、使い勝手が大きく違ってきます。
デジタルコードレス子機(PHS子機)は広い場所では必須の電話機
デジタルコードレス電話機(PHS)は主に次のような場所で導入されるケースが多いです。
- スーパー
- 病院
- ホテル
- 工場
- その他大型施設
レイアウトフリー、アドレスフリー環境でも導入されるケースが増えている
最近では事務所(オフィス)のアドレスフリー環境構築のためや、レイアウト変更時の負担を減らすために導入されるケースも増えており、音声、データを問わずオフィスを無線化にする傾向も強くなりつつあります。
最後に
デジタルコードレス電話機(PHS子機)の利用環境を整備するためには相当なイニシャルコストを必要とします。
その反面、次のようなメリットを活かすことで長期的なコスト削減も可能です。
- レイアウト変更時の配線工事費削減
- どこでも内線通話ができるので、社内間の内線通話がより活発になる
- 電話対応時の人的工数の削減
- デジタルコードレス電話機(PHS子機)なら配線が不要なので増設が簡単
デジタルコードレス電話機(PHS子機)に慣れてしまうと、もう固定電話機には戻れないかもしれませんね。
最後までご覧いただきましてありがとうございます。