ビジネスフォン・PBXの内線電話機として、PHSを導入することが可能です。
PHSを内線化すれば、次のようなメリットがあります。
- レイアウト変更時の配線変更の工事が不要
- PHSアンテナからの電波の届く場所であれば、どこでも通話ができる
- 通話しながら動けるので何かと便利
PHSをビジネスフォン・PBXの内線として活用すれば、仕事の流れが間違いなく良くなります。
というわけで、PHS内線について順番に説明していきましょう。
PHSをビジネスフォン・PBXの内線として利用
ビジネスフォン・PBXでは、PHSを内線電話機として利用することができます。
ビジネスフォン・PBX専用のPHSアンテナの電波が届く範囲内であれば、どこでもPHSを内線を利用することができます。
PHSを内線電話機として利用するにはビジネスフォン・PBX専用のPHSアンテナを必要な個所に設置
PHSを内線として使うためには、ビジネスフォン・PBX専用のPHSアンテナが必要になります。
PHSを内線として利用するためには、実際に使用するエリアの必要な箇所にPHSアンテナを設置しなければなりません。
PHSアンテナを設置するためには、ビジネスフォン・PBXから、ケーブルの配線が必要になります。
PHSアンテナに関する条件は下記のとおりです。
PHSアンテナの電波の強さはメーカーや機種によって多少の差はあります。
だいたい平均すると、PHSアンテナを中心として、およそ半径30m~50m程度の範囲をカバーすることができます。
ただし、建物の状況によっては著しく電波が悪くなることもあります。
特にコンクリートや鉄板などが多い建物などでは、想定していたよりも電波が飛ばないことが多々あります。
そのような場合は、電波がの通りが悪い場所に直接PHSアンテナを取り付けるなどして改善する必要があります。
逆に周囲に電波を遮るような障害物がない場所では、100m以上電波が届くこともあります。
PHSアンテナは、1台につきPHS子機3台まで同時通話が可能となっています。
PHS子機が多数利用されるような場所では、同時通話数に応じてPHSアンテナの数も増やさなければならないこともあります。
逆にPHSの台数が少ない場所では、PHSアンテナの電波さえカバーできていればOK、というケースもあります。
PHSアンテナを設置するときは、実際にPHSを使う場所の電波範囲と、PHSの同時通話数(トラフィック)を考慮してから、計画的に設置しなければなりません。
PHSアンテナは多すぎても、少なすぎても良くないからです。
PHSアンテナが少なすぎると、電波がカバーできずに圏外が多くなります。
逆に多すぎると、PHSで通話中にPHSアンテナの切替(ハンドオーバ)の頻度が高くなってしまい、通話の途切れが多くなる可能性があります。
PHSアンテナは適切な場所に、適切な数を設置するように心がけましょう。
レイアウト変更時の配線工事の費用を削減
PHSは固定電話機と違って、電話線が必要ありません。
充電台の電源さえ確保できればいいので、電話線の配線が必要ない分、レイアウト変更時の負担が減ります。
年に数回、定期的にレイアウト変更を行うような会社では、特に実感できるのではないでしょうか?
PHSなら内線の増設が簡単にできる
PHSなら固定電話に比べて、増設が簡単です。
通常、固定電話機を増設するときは次のような手順が必要です。
固定電話機の内線を増設するときの手順
- ビジネスフォン・PBXの主装置内に実装されている、内線パッケージの空き回路の有無を確認
- 設置場所近辺のケーブルの有無を確認。ケーブルが無ければ、設置場所まで新たにケーブルの配線。
- ビジネスフォン・PBX、中継端子盤、及び中継端子のケーブル接続
- 内線に関連するデータの設定
- 固定電話機取付、及び動作確認
特にケーブル (電話線) が全くない場所に、固定電話機を増設するときは、配線にかかる費用の分だけ高くなります。
では、PHSの場合はどうでしょうか。
PHS内線を増設するときの手順
- 内線関連データの設定
- PHS子機にデータ書き込み
- 動作テスト
PHSであれば、PHSアンテナの電波が届く範囲内であれば、どこでも利用できるので、配線費用はかかりません。
また、ビジネスフォン・PBXのパッケージの空き回路も気にする必要がありません。(システム全体の容量は考慮する必要がありますが)
必要なのは、ビジネスフォン・PBXのデータ設定と、PHS子機のデータ書き込みぐらいのものなので、かかる手間が全く違います。
かかる手間が違うということは、当然費用も違う、というわけですね。
最後に
PHSを利用するためには、専用のPHSアンテナを必要な箇所に設置する必要があるため、初期導入時の費用はどうしても高くなります。
しかし、一度導入してしまえば
- ランニングコストの削減
- 業務の効率化
を実現することが可能です。
また、次のように業務上、PHSがかかせないケースもあります。
- 病院、介護施設でナースコール呼出をPHSで受ける
- 工場、ホテルなど、広い敷地や建物内で、PHSを社員に持たせる
PHSはすべての会社に必要な代物では決してありません。
しかし、PHSのような移動しながら通話できる手段がないと、仕事にならない業種も少なからずあります。
PHS導入時は、会社の業務内容に応じて、メリット・デメリットを精査した上で、検討されることをおすすめします。
最後までご覧いただきましてありがとうございます。