電話回線セレクターという言葉を初めて聞く方も、いるのではないでしょうか。
家電量販店でも隅の方に置いてある商品ですので、気づかなかった方も多いでしょう。
この機器は、1つの電話回線で2台の固定電話を使う場合に便利な機器です。
使い方によっては、便利な機器となります。
ここでは電話回線セレクターについて、解説していきます。
電話回線セレクターとは?
電話回線セレクターは、別名「テレフォン転換器」という名称でも発売されている機器です。
どのような機能があるのか、解説していきましょう。
1つの電話回線を2口に分配する
電話回線セレクターは、1つの電話回線を2口に分ける通信機器です。
電話機が複数台あっても、それぞれに回線を契約する費用がかからないことがメリットです。
また通話中は、どれか1つの電話機が回線を占有します。
このため、使用中を示すランプやスライドスイッチがついていることも特徴です。
自動と手動の2種類がある
電話回線セレクターには、自動と手動の2種類があります。
自動切換式の電話回線セレクターは、先に使用した機器に接続する仕様です。
例えば先に受話器を上げて通話を始めたら、通話が終わるまで接続し続けることになります。
このため、どの回線が使用中かを示すランプがついています。
一方で手動切換式の場合は自動切換式と異なり、スライドスイッチでどの電話機につなぐかの指定が優先されます。
このためスイッチを切換えない限り、同じ電話機を使うことになります。
実勢価格
電話回線セレクターの実勢価格は、以下の通りとなっています。
ここでは、amazonを例に取り上げます。
分配アダプタとどう違う?
電話回線を分配する機器としては、分配アダプタもあります。
電話回線セレクターが分配アダプタと異なる点は、通話内容が他の電話機に漏れないという点にあります。
電話回線セレクターならば、どちらか片方の電話機を使用している間、もう一方の電話機は回線から接続されていない状態です。
このため、通話内容が漏れる心配がありません。
またFAXを使用している場合は、電話回線セレクターを利用することで通信中の割り込みが防止できます。
このため、文字化けなどを防ぐことにつながります。
電話回線セレクターを使うメリットとデメリット
電話回線セレクターは、うまく使えば便利な機器です。
しかしさまざまな制限事項があることには注意が必要です。
ここでは電話回線セレクターを使うメリットとデメリットそれぞれについて、解説していきましょう。
1つの回線で、電話を2台使いたい場合に便利
電話回線セレクターは、オフィスや家庭に敷設している電話回線が1回線の場合で、かつ電話機を2台使いたい場合に適しています。
但し同時に利用できる電話機は、どちらか1台に限定されます。
それでは、どのような用途で使うと便利なのでしょうか。
電話回線セレクターが効果的な例として、日中はオフィスに事務スタッフが1人しかいないけれど、机に座っているだけでなく社内のさまざまな場所を動き回るといったケースが考えられます。
この場合は、よく作業を行う場所にもう1台電話機を置くことで、スピーディーな電話対応が可能となります。
コードレス電話機と異なり、電波が届くかどうかの心配は不要です。
また携帯電話を内線機がわりに使う場合と異なり、紛失のおそれもありません。
このようなケースでは、自動切り換えが可能な電話回線セレクターを使うと便利でしょう。
電話とFAXの自動切り換えはできない
電話回線セレクターは、FAXと電話、モデム信号を判別する機能はありません。
このため、
- 電話は電話機へ
- FAXからの通信はFAXへ
というふうに、自動的に切り替えることはできません。
もしFAXからの受信を自動で切り替えたい場合は、電話の信号とFAXの信号を判別できる「電話・FAX自動切換器」が必要となります。
但し、以下のような機器構成であれば、工夫しだいで手動切換式の電話回線セレクターを利用することは可能です。
- 1台は、FAX兼用の電話機
- もう1台は、電話専用
この場合、FAX兼用の電話機をふだん使うほうの機器として扱えば、もう1台の電話専用機を使うときだけ手動の電話回線セレクターを使って切り替えればよいこととなります。
ビジネスフォンの多機能電話機では使えない
電話回線セレクターは6極2芯となっていることと、アナログ回線のみの対応となっています。
このため、ビジネスフォンの多機能電話機では利用できません。
またIP多機能電話機でも利用できません。
自動切換式の場合、コンセントにつなげて使う電話機はFAX・モデム用の方に接続する
ミヨシ製の自動切換式「DSR-222」を利用する場合は、電話機用とFAX・モデム用の表示があります。
FAX・モデム用の方はパッケージに記載の通り、電話機をつなげることもできますから、電話機2台での切換えも可能です。
またお持ちの電話機がコンセントにつなげて使うタイプの場合は、FAX・モデム用の方に接続する必要があります。
もし電話機用の方に接続した場合は、ノイズが他の機器に悪影響を及ぼす可能性があります。
電話回線セレクターを使うと、1台分の電話回線で2台つなげられる
小規模なオフィスや家庭では、頻繁に電話が鳴ることは少ないでしょう。
場合によっては、一度も電話が鳴らない日もあるかもしれません。
このような箇所では、電話回線を複数持つことは経費の無駄です。
電話回線セレクターを使うことによって、電話機が2台あっても1台分の電話料金で済むため、ランニングコストの節約につながります。
但し、電話とFAXを自動で切換えたい場合は、「電話・FAX自動切換器」が必要となりますから注意が必要です。
アナログ回線をお持ちの方は、便利に使いつつ電話回線のコストを節約する方法として、電話回線セレクターの利用もご検討ください。
最後までご覧いただきまして、誠にありがとうございます。