会社の事務での電話対応は苦手という人は結構います。
でも、会社業務はこの「電話対応」がなければ成り立たないと言っても過言ではありません。
電話を取るのが苦手だから遠ざけているような人がいれば、その部署の成績を落とす一つの要因になっているんですよ。
自分が会社を盛り立てる役になれるよう、電話対応のマナーとコツを身につけましょう!
「電話対応」が苦手な方へ
仕事において、電話は3コール以内で出ることが基本とされています。
電話対応が苦手な人にとってこの3コールが鳴り響く間は、心臓が高鳴る思いですね。
私も新入社員の時はそうでした。
しかも電話関係の会社へ勤めていましたから、なおさら電話対応命とされており、先輩方の目も厳しいものでした。
次から次へと電話は鳴りますので、すぐに電話を取るのは自分しかないという状況にもなり、とにかく、電話対応をしながら、自分の仕事をこなす毎日でした。
そのような新入社員期間を過ごした結果わかったことがあります。
「会社に早く慣れたければ、まずは電話に出るべき」ということです。
電話対応で得られることを箇条書きにしますと、
- 職場の人の名前、人柄を覚えられる
- 取引先の名前を覚えることができる
- どの人がどの会社の担当かが自然にわかる
- 職場の仕事の流れがつかめる
- 問い合わせを受けて返答することにより、商品を覚えられる
- 確実に度胸はつく
と、仕事をしていくには良いことずくめです。
もちろん、始めはわからないことだらけで、ミスを連発しますが、ミスを経験しなければ仕事を覚えられないからと、開きなおるぐらいで対応していきましょう。
その準備として、電話対応の基本的なマナーはしっかり身に着けておくべきです。
では、実際の電話対応のマナーやコツを見て行きましょう。
電話に出る時のマナーとコツ
まずは電話を取るところからです。
会社の第一印象が決まると言っても過言ではありません。
会社の代表者として話すつもりで出ましょう。
3コール以内で取る
電話をかける側は3コールを超えると、出るのが遅いと感じる人が多いとのこと。
4コール以上鳴ってから出てしまった場合は、
「大変待たせして申し訳ございません。」
の一言を付け加えると、相手の方に良い印象を与えることができます。
集中したい仕事の途中で電話が鳴ると、取りたくないことが多いです。
ですが、電話対応は直接、取引相手や契約者とやりとりするとても大切な仕事です。
気持ちを切り替えて対応しましょう。
声のトーンを明るくして出る
電話では、声のみでのやりとりになりますので、声色で相手の気持ちを判断しがちです。
低く元気のないトーンですと、
対応するのが面倒なのかな
と勘違いされてしまい、相手によってはクレームになることも。
意識して、声をワントーン上げて対応しましょう。
電話を取った時の文言は会社のルールに従って
私の勤めていた会社では、「ありがとうございます。~株式会社~部、山本でございます。」という決まった文言がありました。
決まった文言があるのでしたら、それに従いましょう。
小さなことと思われがちですが、きちんと統一された挨拶で全員が自信を持って電話に出ると、教育が行き届いており、信頼できる会社だという印象になります。
決まった文言がないようでしたら、始めに「ありがとうございます」を付けることは、好印象ですのでおすすめします。
また、部署名を言えば、再度相手が部署を確認する手間が省けますので忘れずに言いましょう。
相手が名乗れば「お世話になっております」
取引相手、契約者からの電話ばかりでなく、新規の相手からも電話が入ります。
ですが相手が名乗ったら必ず、
「お世話になっております」
と言いましょう。
新規のお客様でも、電話をかけてきたということは、自分の会社を知ってもらえていたということですので、それだけで「お世話になっている」ということになります。
気持ちは声に現れますから、心から感謝して言いましょう。
相手が社内の人であれば、「お疲れ様です。」の一言を挟んで用件を聞くのが慣例です。
相手が名乗らなかった場合
個人のお客様からの場合、名乗らず問い合わせだけで電話が終わることもあります。
ですが、契約内容の問い合わせなど、どうしても名前を聞かなければいけない場合は、
「恐れ入りますが(失礼ですが)、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
のように、「恐れ入りますが(失礼ですが)」を必ず付けて聞くようにしましょう。
余談ですが、私がいた職場で、まだ慣れていない女性が、「お名前様をお願いします。」と言っており、慌てて訂正してもらったことがあります。
名前は人ではないので様は付きません。
丁寧な言葉を使わなければいけないと思い、緊張もともなって、行き過ぎた表現をしていたようです。
ある程度敬語の勉強はしておく必要がありますね。
復唱することで、ミス確認
相手が名乗ったら、
「~社の~様でいらっしゃいますね。いつもお世話になっております。」
と、会社と名前を復唱するようにしましょう。
復唱することにより、聞き間違いがあれば、相手が訂正してくれます。
その時は、
「申し訳ございません、~様でいらっしゃいますね」
と謝罪の上、再度復唱しましょう。
相手の声が聞こえづらい時
相手の言っていることが聞き取れなかった場合は、
「申し訳ございません。お電話が少々遠いようでございます。」
と言った後に、再度尋ねるようにすれば丁寧に聞き返すことができます。
電話を取り次ぐ時
電話を取り次ぐ時は相手だけでなく、取り次ぐ社内の人にも、気持ちよく電話に出てもらえるよう心掛けることが大切です。
メモとペンは常に用意しておく
相手の名前から取り次ぐ内容まで、必ずメモを取りましょう。
本当に忙しい時は、聞いた名前さえ頭から飛んでしまう場合もあります。
常にデスクの上にペンとメモを置いておけば慌てることはありません。
担当者への取り次ぎ
担当者への取り次ぎ方を、見てみましょう。
相手:「山本部長はお手すきでしょうか。」
自分:「山本ですね。お繋ぎいたしますので、少々お待ちくださいませ。」
聞いた名前は、確認の意味も含め復唱すると確実です。
「山本ですね。」のように、取り次ぐ時に限らず、社外の人と話す時には、社内の人の名前からは役職・敬称を省きましょう。
担当者には、かかってきた相手の社名と名前の両方を伝えて繋ぎましょう。
電話を保留にしてから担当者に話しかける
保留をするのを忘れて、社内担当に呼びかけている声や、社員同士の話し声が相手に聞こえてしまうと、会社の品位を下げてしまいます。
取り次ぐ時も、問い合わせ内容を社内の人に相談する時でも、必ず保留をしてから話しかけるようにしましょう。
保留が長くなる時は一旦切る
保留をして担当者と話す時間が長くなる場合、相手を待たせるので失礼になります。
「申し訳ございませんが、少々お時間がかかりますので、折り返しお電話をさせていただいてよろしいでしょうか?」
と、電話番号を聞いて一旦電話を切りましょう。
担当者が不在の場合
まず、担当者が不在で気を付けなければいけないことは、相手に聞かれても、担当者の携帯電話などの個人情報や現在の居場所を、許可なく伝えてはいけないということです。
では、対応方法を解説していきましょう。
担当者が外出の場合
「申し訳ございません、あいにく山本は外出しております。午後4時頃には戻る予定ですが、戻りましたらこちらからご連絡いたしましょうか?」
まず第一に、担当者が電話に出られないことをお詫びしてください。
帰社予定の時刻を聞けば、相手も折り返しの電話をもらうか判断しやすいので、伝えるようにします。
担当者が社内にいるけれど、席をはずしている場合
「申し訳ございません。あいにく山本は席を外しております。戻りましたらご連絡いたしましょうか?」
「席を外しております」と言えば、相手には社内にいることがわかります。
間違えてもお手洗いに行ってますなど、詳細を伝えないでください。
折り返しの電話がほしいとのことでしたら
「かしこまりました。では、念のため電話番号をお伺いしてよろしいでしょうか?」
と、相手の電話番号を必ず聞いておきましょう。
担当者が相手の会社の電話番号を知っていたとしても、相手が出先からかけてきている場合もあります。
折り返しかける電話番号は聞き取り必須項目になります。
伝言をあずかる場合は5W2Hをメモの基本に
担当者が不在の場合、伝言をあずかる場合があります。
この場合、特にメモは重要になってきますが、5W2Hの内容を基本にメモをとっておくと良いでしょう。
5W2Hとは何を表すか知っていますか?
- 誰が(Who)
- いつ(When)
- どこに(Where)
- 何を(What)
- なぜ(Why)
- どうする(How)
- いくら、いくつ(How much)
この7項目を基本に電話の相手の伝言を聞き、メモを取れば、担当者に漏れなく情報を伝えられます。
この7項目を書けるフォーマットでメモを作成しておくと、聞き忘れを防げますし、便利です。
更に自分の名前も入れておくと手間が省けますね。
聞き取りながら書くメモは、追いつくのが大変です。
自分なりに略語やカタカナを使い、早く書ける工夫をしましょう。
伝言を受けた内容を復唱しながらメモをとるのも、内容確認にもなりますし、時間をかせぐコツです。
メモはわかりやすく箇条書きに清書して机にセロハンテープで貼る
もちろん、メモはきれいなメモに清書して担当者の机に置いてください。
後で見る担当者のことを考え、箇条書きでわかりやすく書いておきましょう。
メモを机の上に置いたからと言って、安心してはいけません。
私が新入社員のころ、メモを上司の机に置いておいたのに伝わっていないことがありました。
メモが机の下に落ちていたのです。
それでは意味がありませんし、当然私は注意を受けました。
それ以来、メモはセロハンテープで担当者の机に貼りつけるようになりました。
セロハンテープで机に貼っておくことは、担当者に対して親切ですので是非実行してください。
内容は、他の社内の人に見えない方がいい時もありますので、メモは折って貼っておきましょう。
最後に
私の事務経験で言うと、電話対応をしていて、「え?こんな人が世の中にいるの?」と感じる相手からの電話も正直ありました。
でも、そんな人とのやり取りも経験することによって、次の電話対応への自信につながります。
どんな失礼な相手でも、こちらがしっかりマナーを守り、対応していけば大丈夫です。
電話対応を嫌い遠ざけていては、社内のことを覚えられません。
今回の記事のマナーとコツを活用して、今日からどんどん電話に出ましょう。
社内の人からの評価も上がりますよ。
最後までご覧いただきまして、誠にありがとうございます。