ビジネスフォンと警備装置(SECOM、ALSOKなど)が、何らかの形で接続に関係してくることがあります。
それぞれ別の電話回線を使っていれば、何の問題もないのですが、ビジネスフォンと警備装置で、同じ電話回線を共用しているケースが少なからずあるからです。
なぜ警備装置と電話回線を共用するのかというと、単純にそのほうがお得だからです。
というわけで、警備装置とビジネスフォンで電話回線を共用して接続するケースについて説明します。
【1】アナログ回線をビジネスフォンと警備装置で共用
アナログ回線を警備装置を経由させてから、ビジネスフォンに接続します。
ほとんどの警備装置は、電話回線をIN/OUTする仕組みになっているので、OUT側をビジネスフォンに接続します。
現在では多くの一般加入電話(アナログ回線)がひかり電話へ移行しています。
ひかり電話のVoIPゲートウェイからつくりだされたアナログ回線を、引き続き警備装置で利用できるのか?
結論から言うと動作はします。
動作はしますが、なにか不具合が起きたときは誰も責任をとってくれません。
警備装置の公式HPを見ても、ひかり電話の接続については、はっきりと記載されていないので、ひかり電話のアナログ回線を警備装置にあてがうかどうかの判断は、自己責任の範疇ということになります。
また、ひかり電話のVoIPゲートウェイや、光回線のONU(光回線終端装置)はAC100Vの電源が必要となるため、停電になると全く使えなくなります。
警備装置はその役割の性質上、停電になっても一定時間は動作が続けられるようにバッテリーが内蔵されています。
ひかり電話を警備装置の回線として使用すると、停電時にひかり電話のほうが先に使えなくなってしまうため、いざという時に何の役にもたたないことが考えられます。
上記のような理由から、私の個人的な意見としては、ひかり電話のアナログ回線を警備装置で利用することはおすすめできません。
【2】INS64回線をビジネスフォンと警備装置で共用(U点接続)
INS64回線を警備装置を経由させてから、ビジネスフォンに接続します。
警備装置を経由したINS64回線を、U点としてビジネスフォンに接続します。
【3】INS64回線をビジネスフォンと警備装置で共用(T点接続)
INS64回線をDSUで分岐させてから、警備装置とビジネスフォンに接続します。
警備装置とビジネスフォンは、それぞれT点で接続します。
【4】INS64回線をビジネスフォンと警備装置で共用(S点接続)
INS64回線をU点でビジネスフォンに収容後、INS64回線パッケージのS点から、警備装置に接続します。
INS64回線パッケージに内蔵されたDSUを利用するわけですね。
【5】ビジネスフォンのアナログ内線として警備装置を接続
ビジネスフォンのアナログ内線パッケージ(一般内線パッケージ)の内線回路に、警備装置を接続します。
アナログ内線として収容された警備装置は、ビジネスフォンに収容された電話回線を通じて警備会社と通信を行います。
ビジネスフォンの機種によっては、アナログ内線で供給される電圧がアナログ回線の供給電圧よりも低いために、アナログ内線では警備装置が正常に動作しないこともあります。
(例)
アナログ内線の電圧:-27V
アナログ回線の電圧:-48V
【6】ビジネスフォンのISDN内線として警備装置を接続
ビジネスフォンのISDN内線用パッケージの内線回路に、警備装置を接続します。
ISDN内線として収容された警備装置は、ビジネスフォンに収容された電話回線を通じて警備会社と通信を行います。
最後に
何らかの形で、ビジネスフォンと警備装置が接続されているケースについて、いくつか紹介しましたが、次のような場合は関係ないので、特に気にする必要はありません。
- ビジネスフォンと警備装置で、電話回線を完全に分けている場合
- 警備装置を携帯電話で接続している場合
- 警備装置をネットワーク接続している場合
特に、ひかり電話などのIP電話サービスが増えていることから、警備装置をネットワークに接続するケースが多く見られるようになってきましたね。
最後までご覧いただきましてありがとうございます。