ビジネスフォンに収容した外線は、発信専用出ない限りは何らかの形で着信することになります。
ビジネスフォンでは、外線の契約やビジネスフォンの設定を組み合わせることで様々な形の着信をさせることが可能です。
一般着信(放送着信)
一般着信はよく利用される着信のさせ方のひとつです。
ビジネスフォンの多機能電話機に、電話回線をそのまま外線ボタンとして割り付ける設定をして、着信するとその外線ボタンが点滅し着信ベルが鳴動します。
点滅中の外線ボタンを押すと着信に応答することができます。
受話器を上げるだけで応答できるように設定することもあります。
複数の電話機に同じように外線ボタンを割り付けておけば、着信時にすべての電話機の外線ボタンが点滅・鳴動するので放送着信とも呼ばれます。
索線式着信
複数の外線を1つのグループとみなして、1つの索線ボタンに集約して着信させます。
全ての外線を外線ボタンとして割り付けると、ボタンの数が足りなくなるようなときに索線式着信を利用します。
分散着信
外線着信するとビジネスフォンに接続された局線表示盤や直流リンガが着信鳴動します。
この着信方式は出始めのPBXでよく使われていたやり方です。
内線電話機も今のような多機能電話機ではなく、一般電話機しかなかった時代の名残ですね。
局線表示盤
着信したときに外線に応じて表示盤内のランプが点灯し、着信ベルが鳴動します。
電話機から分散応答の特番をダイヤルして着信に応答します。
直流リンガ
着信したときにビジネスフォンから電圧が送られ、直通リンガの着信ベルが鳴動します。
局線表示盤と違い、着信ベルが鳴動するだけでランプ表示はありません。
電話機から分散応答の特番をダイヤルして着信に応答します。
個別着信(DIL着信)
外線着信を特定の内線に直接着信させる着信方式です。
専用の電話番号を内線に持たせたいときに使用します。
サブアドレス着信
外線番号*内線番号とダイヤルすることで、内線を直接狙って着信させることができます。
この着信を利用するためには、発信側にも次のような条件が必要です。
- 使用回線がINS64、INS1500などのISDN回線(IP電話は不可)
- 携帯電話が着信外線と同じキャリア(NTT、KDDI、ソフトバンク)で、なおかつ携帯電話自体が発サブアドレス発信に対応した機種
なお、サブアドレス着信はINS64回線、INS1500回線の特有の機能になります。
追加ダイヤルイン(DID)
外線着信した後、かけてきた人が内線番号をダイヤルすることで直接その内線を呼び出します。
取り次ぎの手間を減らしたいときや、社内連絡用として使うことがある着信方式です。
付加番号ダイヤルイン、簡易DIDと呼ぶこともあります。
追加ダイヤルインの操作例
DISA
外線着信した後、ビジネスフォンのサービス特番をダイヤルすることで、社内の内線と同じような操作を(部分的にですが)行うことができます。
操作できる機能例
- 外線発信
- 専用線発信
- ボイスメールアクセス
- 内線グループ呼出
- 構内放送(ページング)
- モード切替
- 不在転送
DISAの操作例
ダイヤルイン
着信先の電話番号に応じてビジネスフォンで着信を振り分けします。
電話回線ごとではなく電話番号ごとにビジネスフォンで着信方法を設定するので、電話番号によっては全然違う着信の仕方になることがあります。
ダイヤルインの着信方法の設定例
ダイヤルイン方式で着信させるためには、ビジネスフォンに収容する電話回線の契約をダイヤルインにする必要があります。
iナンバー
iナンバーはINS64回線独自の機能で、着信時に局から送られてくるiナンバー情報に応じてビジネスフォンで着信方法を設定します。
iナンバー情報ごとに全然違う着信の仕方になるように設定することも可能です。
iナンバーの着信方法の設定例
iナンバーはダイヤルインと違う複数本の回線を同じグループとして扱うことができないので、単独のINS64回線でしか利用できません。
iナンバーで着信させるためには、INS64回線にiナンバー契約が別途必要となります。
中継台着信
外線着信すると中継台に着信し、オペレーターが別の内線に通話を転送します。
病院や銀行など規模の大きな施設などは、中継台着信を採用していることがあります。
PBXが出始めたころによく利用されていた着信方式のひとつでもあります。
最後に
このようにビジネスフォンに収容している外線を着信させる方法には様々な種類があります。
ビジネスフォンは外線着信したときにボタンがピコピコ光るだけのものでは決してないのです。
気に入った着信のしかたがあるようでしたら、一度検討されてみてはいかがでしょうか。
最後までご覧いただきましてありがとうございます。