PB信号パッケージは、局線や内線電話機からのPB信号 (プッシュ信号) を受信/送信するための基板です。
PBレシーバー、PBレジスターともいいます。
【1】PB信号 (プッシュ信号) とは?
高群周波数 (Hz) | |||||
1209 | 1336 | 1477 | 1633 | ||
低群周波数
(Hz) |
697 | 1 | 2 | 3 | A |
770 | 4 | 5 | 6 | B | |
852 | 7 | 8 | 9 | C | |
941 | * | 0 | # | D |
PB信号 (プッシュ信号) とは、電話のダイヤルボタンを押すときに聞こえる「ピポパポ・・・」といった音のことを指します。
このPB信号 (プッシュ信号) は、高群周波数と低群周波数を合成して作り出され、ダイヤルするボタンごとに異なります。
ダイヤルボタンの 1 を押した場合
高群周波数 (Hz) | |||||
1209 | 1336 | 1477 | 1633 | ||
低群周波数
(Hz) |
697 | 1 | 2 | 3 | A |
770 | 4 | 5 | 6 | B | |
852 | 7 | 8 | 9 | C | |
941 | * | 0 | # | D |
- 高群周波数 1209Hz
- 低群周波数 697Hz
ダイヤルボタンの 8 を押した場合
高群周波数 (Hz) | |||||
1209 | 1336 | 1477 | 1633 | ||
低群周波数
(Hz) |
697 | 1 | 2 | 3 | A |
770 | 4 | 5 | 6 | B | |
852 | 7 | 8 | 9 | C | |
941 | * | 0 | # | D |
- 高群周波数 1336Hz
- 低群周波数 852Hz
このPB信号 (プッシュ信号) をビジネスフォン・PBXが受信できなければ、いくらボタンを押しても何の動作もすることはありません。
【2】ビジネスフォン・PBXがPB信号 (プッシュ信号) を必要とする場面
実際にビジネスフォン・PBXが、PB信号(プッシュ信号)を必要とする場面について説明していきましょう。
1. プッシュ信号の一般内線電話機から電話をかけるとき
ダイヤル種別が「PB」もしくは「MF」になっている一般電話機から電話をかけるときに、PB信号受信パッケージが必要になります。
- 内線100の受話器を上げて、101とダイヤル
- 101とダイヤルされたPB信号を、PB信号受信パッケージが受信
- PB信号の内容を判別後、内線101を呼び出す
2. プッシュ回線契約のアナログ回線を使って電話をかけるとき
ビジネスフォンに収容しているアナログ回線 (プッシュ回線) を使って、外線発信するときにPB信号受信パッケージが必要になります。
- 内線電話機から0発信でアナログ回線を捕捉する
- 相手の電話番号をダイヤルする
- 相手の電話番号をダイヤルした内容のPB信号を、PB信号受信パッケージがアナログ回線に送出する
3. PB信号のLD専用線、OD専用線を使って電話をかけるとき
回線種別を「PB」に設定しているLD専用線、もしくはOD専用線を使って電話をかけるときにもPB信号受信パッケージが必要になります。
- 内線電話機から専用線発信特番で、LD/OD専用線を捕捉する
- 相手の番号をダイヤルする
- PB信号受信パッケージが、相手のダイヤル内容のPB信号を、LD/OD専用線パッケージに送出する
4. ビジネスフォン・PBXに内蔵しているボイスメールを利用するとき
ビジネスフォン内蔵ボイスメールにアクセスして、音声ガイダンスに従って操作をするときにもPB信号受信パッケージを使用します。
- 内線電話機からボイスメールにアクセスする
- 音声ガイダンスに従って操作をするときに、PB信号受信パッケージからPB信号を送出する
5. アナログ回線のダイヤルインの着信を受けるとき
アナログ回線のダイヤルイン着信のときにも、PB信号受信パッケージが必要になります。
- xx-xxxx-1111のダイヤルイン番号に着信する
- 1111というPB信号を受信する
- 1111を受信したらビジネスフォンの設定により内線1000に着信させる
PB信号を受信するための回路は、CPUパッケージにも内蔵で4回路程度実装されていますが、電話機や外線、専用線の数に応じて、PB信号を受信するための回路も増やす必要があります。
そのようなときに、PB信号受信パッケージをビジネスフォン・PBXに追加で実装するわけですね。
【3】PB信号パッケージ1枚あたりの回路数
- 4回路
- 8回路
- 16回路
【4】PB信号パッケージによく付けられる型番
- PBR
- PBRT
最後に
PB信号 (プッシュ信号) は受信するときに一時的に使用するだけのものなので、外線、内線と同じ数だけの回路が必要というわけではありません。
電話をする頻度にもよりますが、PB信号を使用する内線、外線の合計に対して1割~2割程度のPB信号用の回路が確保してあれば、まず問題ないでしょう。
最後までご覧いただきましてありがとうございます。