ビジネスフォンで使うモジュラーケーブル。
家電量販店にモジュラーケーブルを買いに行ったはいいものの、思っていたよりも種類があって、どれを買えばいいのかよくわからない。
とりあえず買ってきたものの、電話機につないでも使えない・・・なんてことのないようにモジュラーケーブルについて説明しましょう。
ビジネスフォンで使う、主なモジュラーケーブルの種類
モジュラーケーブルは、他にもつぎのような呼び方をすることもあります。
- モジュラーコード
- 電話機コード
- 機ヒモ
- FTC
そんなモジュラーケーブルについて順番に説明していきましょう。
モジュラーケーブルのコネクタの種類
ビジネスフォンで使われるモジュラーケーブルのコネクタの種類は下記の通りです。
- 6極2芯
- 6極4芯
- 6極6芯
6極はコネクタの極数を表しており、ケーブルの芯線を接続できる数を表しています。
2芯、4芯、6芯は、実際に接続するケーブルの芯線数を表しています。
6極2芯のモジュラーケーブルであれば、ケーブルの芯線数は2芯で、モジュラーの先端コネクタ部分には、2芯分のみ端子がついています。
ストレートとロールオーバー
コネクタの形状とは別に、「ストレート」と「ロールオーバー」の2種類のケーブルがあります。
ストレート
モジュラーケーブルの両端のコネクタの極性が入れ替わることなく、そのままストレートに接続されるケーブルのことです。
通常はこのストレートケーブルを利用します。
ロールオーバー
モジュラーケーブルの両端のコネクタの極性が入れ替わって接続されるケーブルのことです。
極性が入れ替わると、使用できなくなる電話機もあるので注意が必要です。
【コネクタの種類】と【ストレート/ロールオーバー】の組み合わせに注意
コネクタの種類で6極2芯、4芯、6芯を選択し、極性の入れ替え有無でストレート、ロールオーバーを選択します。
- 6極2芯 の ストレートケーブル
- 6極4芯 の ロールオーバーケーブル
- 6極6芯 の ストレートケーブル
といった感じです。
「6極2芯」のモジュラーケーブル
6極2芯のモジュラーケーブルは、真中の2芯のみ使用できます。
ピンアサインでいうと、L1 と L2 部分に当たります。
ストレートケーブルの場合、L1 と L2 は、そのままストレートに接続されます。
ロールオーバーケーブルの場合、L1 と L2 は入れ替わって接続されます。
6極2芯のモジュラーケーブルを使う電話機
- 一般電話機
- FAX ※G4FAXを除く
- 多機能電話機 ※メーカー・機種による
- モデム
- DSU
- ターミナルアダプタ ※LINEポート、TELポート
「6極4芯」のモジュラーケーブル
6極4芯もモジュラーケーブルは、真中4芯を利用できます。
ピンアサインでいうと、L1 と L2、L3 と L4 部分に当たります。
ストレートケーブルの場合、L1 と L2、L3 と L4 は入れ替わらずに、ストレートに接続されます。
ロールオーバーケーブルの場合、次のように極性が入れ替わって接続されます。
- L1 → L2
- L2 → L1
- L3 → L4
- L4 → L3
6極4芯を使う電話機
- 多機能電話機 ※メーカー・機種による
- 停電多機能電話機 ※メーカー・機種による
- 警備装置 ※警備会社の器械による
6極4芯モジュラーケーブルの使用例
- 多機能電話機(L1 と L2 が未使用、L3 と L4 が多機能ライン)
- バス配線用の多機能電話機(L1、L2、L3、L4が多機能ライン)
- 停電多機能電話機(L1 と L2 が多機能ライン、L3 と L4 が停電ライン)
- 警備装置(L1 と L2 が回線IN、L3 と L4 が回線OUT)
「6極6芯」のモジュラーケーブル
6極6芯のモジュラーケーブルは、6芯すべての芯線を使います。
特殊な端末でしか使うことがないので、家電量販店でも見かけることはないでしょう。
ストレートケーブルの場合、L1 と L2、L3 と L4、L5 と L6 は、極性が入れ替わらずに、ストレートに接続されます。
ロールオーバーケーブルの場合、次のように極性が入れ替わって接続されます。
- L1 → L2
- L2 → L1
- L3 → L4
- L4 → L3
- L5 → L6
- L6 → L5
6極6芯を使う電話機
- DSSコンソール付き多機能電話機 ※メーカー・機種による
- 中継台 ※メーカー・機種による
- インターホン付き電話機 ※メーカー・機種による
6極6芯モジュラーケーブルの使用例
- L1 と L2 が多機能ライン
- L3 と L4 が未使用
- L5 と L6 が -48V と GND
- L1 と L2 が多機能ライン
- L3、L4、L5、L6 が停電ライン
- L1、L2、L3、L4 が未使用
- L5 と L6 が中継台ライン
- L1 と L2 が電話回線用
- L3 が GND
- L4 が未使用
- L5 が インターホン1
- L6 が インターホン2
「大は小を兼ねる」モジュラーケーブルの芯線数
「芯線数の多いモジュラーケーブル」は「芯線数の少ないモジュラーケーブル」の代わりに使っても問題ありません。
- 「6極2芯」の代わりに「6極4芯」→○
- 「6極4芯」の代わりに「6極6芯」→○
モジュラーケーブルでは「大は小を兼ねる」のです。
結局どのケーブルを買えばいいの?
ビジネスフォンでよく使われるケーブルは「6極2芯」もしくは「6極4芯」のどちらかです。
「6極6芯」のケーブルはめったに使われることがなく、お店でも売っているところは多くありません。
「大は小を兼ねる」ことから「6極4芯」を選択しておけば、L3 と L4 を使う多機能電話機でも使用可能です。
「ストレート」と「ロールオーバー」に関しては、2芯で動作する多機能電話機の多くは、極性が入れ替わっても正常に動作する事から、どちらを選択してもいいのですが、4芯のバス接続で動作する多機能電話機は、極性を正確に合わせる必要があります。
というわけで「6極4芯」「ストレート」のモジュラーケーブルを買えばほぼ間違いありません。
最後までご覧いただきましてありがとうございます。