ビジネスフォン・PBXの法定耐用年数は6年となっていますが、必ずしも6年ごとに取り替えなければならないということはありません。
設置環境やメンテナンス状況によっては、10年を過ぎても問題なく稼働し続けることもあります。
逆に設置環境が悪いと、6年も経たないうちに故障するケースもあります。
では、ビジネスフォン・PBXはどのタイミングで取り替えればいいのか?
- 故障して全く使えなくなってから取り替えるのがいいのか
- 故障する前に、早めに取り替えるのがいいのか
- 故障ががちらほらと、目立つようになってきてから取り替えるのがいいのか
ビジネスフォン・PBXを取り替えるタイミングは、どのように見極めればいいのでしょうか。
ビジネスフォン・PBXを取り替える良いタイミングとは?
ビジネスフォン、PBXを取り替えるタイミングは、以下のようなパターンがよく見受けられます。
- リース期間終了 (リースアップ) に伴う取替え
- ビジネスフォン、PBX製造メーカーのサポート終了に伴う取替え
- 新機能、新サービス対応に伴う取替え
- 会社、事業拡大に伴う取替え
- 事務所移転に伴う取替え
- 業務体制の革新のための取替え
- 故障、不具合に伴う取替え
- 設置業者変更に伴う取替え
リース期間終了 (リースアップ) に伴う取り替え
ビジネスフォン・PBX導入時には、リース契約を結ぶケースが多いです。
リース期間は、大きく分けて5年~7年となっており、最初のリース契約が終了すると、1年単位での更新になります。
1年単位の更新を繰り返して、ビジネスフォン・PBXを限界近くまで使用し続けることもあれば、早めに次の機種に取り替えることもあります。
リース期間終了 (リースアップ) がビジネスフォン・PBXの取り替えのタイミングとしては一番多いのではないでしょうか。
ビジネスフォン、PBX製造メーカーのサポート終了に伴う取り替え
ビジネスフォン・PBXはおよそ5~6年周期くらいで新しい機種がリリースされます。
新しい機種がリリースされると、前の機種の新規販売は基本的になくなります。
増設対応、故障対応、パーツ取寄せなどのサポートは引き続き継続されますが、それも5年くらいで完全に終息します。
あとはビジネスフォン工事会社の在庫品による対応に頼るしかなくなってしまいます。
ここまでくるとさすがに取り替えざるを得ないのではないでしょうか。
新機能、新サービス対応に伴う取替え
ビジネスフォン・PBXも新しい機種が出るごとに新機能や新サービスに対応していきます。
- 電話機をすべてIP電話に変えて、アドレスフリーな環境を実現したい
- スマートフォンを内線として使いたい
- 拠点間での内線通話を行いたい
- IP直収サービスやFMCサービスを導入したい
このような要望を持っているが、現在使用しているビジネスフォン・PBXでは残念ながら実現ができない。
費用対効果が高いと判断されれば、新しいビジネスフォン・PBXへの取り替えに踏み切るケースもあります。
会社の事業拡大に伴う取替え
- 現在使用中のビジネスフォン・PBXでは、これ以上の増設が難しい。
- そうなると現在より容量の大きな機種に取り替える必要がある。
というケースも中にはあります。
ビジネスフォン・PBX導入時には、ある程度の拡張性を考慮するのですが、費用をおさえるために、ギリギリの容量の機種を選択してしまうことも少なくありません。
逆に会社の事業拡大に伴い、より大規模容量の機種に取り替えなければ対応できない、ということもあります。
事務所移転に伴う取替え
事務所を別の場所に移転するので、そのタイミングで新しいビジネスフォン・PBXに取り替えるケースもあります。
使用しているビジネスフォン・PBXをそのまま持っていくことも可能ですが、それでも工事費用はどうしても発生します。
既設ビジネスフォン・PBXをそのまま移転した場合の工事内訳
- 移転先事務所のケーブル先行配線
- 既設ビジネスフォン・PBX及び電話機の取り外し、運搬
- 移転先事務所でのビジネスフォン・PBX及び電話機の再設置
- ビジネスフォン・PBXのデータ変更
- 開通立会、旧事務所の現状復旧
- 材料費、諸経費
では事務所移転に伴いビジネスフォン・PBXを取り替える場合はどうなのでしょうか。
新しいビジネスフォン・PBXに取り替えた場合の工事内訳
- 新しいビジネスフォン・PBX及び電話機一式の機器代(設定費込)
- 移転先事務所のケーブル先行配線
- 移転先事務所での新ビジネスフォン・PBXの設置(電話機は什器搬入後に設置)
- 既設ビジネスフォン・PBX及び電話機の取り外し、廃棄
- 什器搬入後に電話機の設置
- 開通立会、旧事務所の現状復旧
- 材料費、諸経費
新しいビジネスフォン・PBXの機器代はどうしても必要になってきますが、それ以外の工事の内訳は重複している部分が多いことがわかるかと思います。
逆に既設ビジネスフォン・PBXをそのまま移転する場合は、移転当日にしかできない作業の比率が増えることになるので、トラブルの原因になることもあります。
一方、新しいビジネスフォン・PBXに取り替える場合は移転先事務所に先に主装置を設置して、動作確認まで行えるので移転当日の作業の比率は減り、全体的にゆとりのある工程になることが多いです。
業務体制の革新のための取替え
会社の業務のあり方を見直す、あるいは革新するための一環としてビジネスフォン・PBXを取り替えることもあります。
- 今までは固定電話機を主体にしていたが、PHSを新たに導入したい
- 会社の携帯電話を内線として使えるようにしたい
- IP多機能電話機を導入してアドレスフリー環境をつくりたい
- ソフトフォンを導入して固定電話機をなくしたい
故障、不具合に伴う取り替え
故障、不具合が理由でビジネスフォン・PBXを新しく取り替えるケースもあります。
- 既設ビジネスフォン・PBXが故障して使えなくなった。
- 故障頻度が高い
- 動作が不安定
- 故障対応の費用がばかにならない
設置業者変更に伴う取替え
もともとの既存業者から別の業者に変更になったためにビジネスフォン・PBXを取り替えるケースです。
- 既存業者が廃業した
- 競合の結果、別の業者に変わった
- 既存業者の対応が悪いので別の業者に乗り換えた
最後に
ビジネスフォン・PBXを取り替えるタイミングは会社によって多々あるかと思いますが、このページが取替のタイミングを見極める参考になれば幸いです。
最後までご覧いただきましてありがとうございます。