多機能電話機とは、ビジネスフォン・PBX専用の電話機のことです。
ドラマや映画でも良く見かけますよね?
私は仕事柄、ドラマや映画で多機能電話機が出てくると思わずガン見してしまいます。
それはさておき、多機能電話機はビジネスフォン・PBXにおいて、最もオーソドックスで、最もよく使われる電話機なんですよ。
今回は、その多機能電話機について、順番に説明していきますね。
【多機能電話機】~ビジネスフォン・PBX専用の電話機~
多機能電話機は、ビジネスフォン・PBXの様々な機能を利用するための専用電話機です。
一般的にビジネスフォンにおける内線電話機といえば、この多機能電話機のことを指します。
一般電話機とはボタンの種類や形状が異なる
多機能電話機は、ビジネスフォン・PBXの機能を、最大限に活かすために設計されています。
そのため家庭でよく使うような一般電話機とはボタンの種類や形状が大きく異なります。
家庭用電話機の場合
家庭用の一般電話機は、ダイヤルボタンの他には、せいぜい数種類程度のボタンがついている程度です。
多機能電話機の場合
多機能電話機には、およそ十数個~数十個もの様々なボタンが付いています。
これは電話業務の効率化を図るために、様々な工夫がなされた結果なんですね。
メーカー、機種によって異なる
多機能電話機はメーカーや機種ごとに、
- ボタンの機能
- ボタンの名称
- ボタンの配置
- ボタンの個数
等が異なります。
ただし、使用する目的については大きな違いはありません。
そのため、どこのメーカーの多機能電話機も全体的に見ると、そのパーツ構成には共通点がたくさんあるのです。
次は多機能電話機に実装されている各種パーツについて紹介していきましょう。
【コーナーランプ】~着信時に点滅してわかりやすくお知らせ~
【コーナーランプ】は、内線や外線 (局線) の着信時にピコピコと点滅して、着信がきたことをわかりやすくお知らせします。
コーナーランプは、他にも次のようなときに光ります。
- ボイスメールのメールボックスにメッセージが入った時
- 新たに通話録音した内容が保存された時
- 指定時刻にアラームを鳴らした時
- システムのモード状態を変更した時
- システムの障害が通知された時
- 不在着信の履歴が蓄積された時
このようにコーナーランプにはその時その時の状態に応じて、様々な通知をする役割もあるんですね。
【液晶画面 (LCD)】~時刻や内線番号、ダイヤルした番号など様々な情報を表示~
多機能電話機の液晶画面(LCD)には、電話機の使用状態に応じて様々な情報が表示されます。
通常時(待受時)は
- 日付
- 時刻
- 内線番号
等の情報を表示しますが、他にも次のような時に、液晶の表示内容が変わります。
動作・操作内容 | 液晶の表示 |
---|---|
受話器を上げた時 | ダイヤル待ち状態の表示 |
着信時 | かけてきた相手の番号や名称を表示 |
発信時 | 呼び出し中の表示 |
ボイスメール操作時 | 操作内容を表示 |
このように多機能電話機の液晶画面に表示される情報は、様々な機能を利用する上でとても重要なものとなっています。
【ソフトキー】~多機能電話機の使用状態に応じて、様々な機能に変化~
【ソフトキー】は多機能電話機の使用状態に応じて様々な機能に変化します。
電話機の状態 | ソフトキーの内容 |
---|---|
受話器を置いた状態(オンフック) | 履歴、短縮、転送など |
受話器を上げた状態(オフフック) | 履歴、短縮、転送など |
内線を呼出中のとき | ステップ、メッセージなど |
相手が話中のとき | ステップ、メッセージ、ボイスメール、話中呼、予約など |
通話中のとき | 録音、会議など |
上記のように、様々な状態に応じて使用できる機能を自動的に変化させることにより、ソフトキーのボタン数以上の機能を操作することができるんですね。
【ファンクションキー】~様々な機能を割りつけて使用~
多機能電話機にはファンクションキーと呼ばれるボタンが実装されています。
このファンクションキーに対して、様々な機能を自由に割りつけることにより、電話業務の効率化を大幅に向上させることができるんですね。
このファンクションキーの存在は、多機能電話機の大きな特徴の1つだと言えるでしょう。
外線ボタン、代理応答、着信拒否、不在転送など、数十~数百にも及ぶ様々な機能を割りつけて使用することが可能です。
ファンクションキーに割付できる機能の一例
ここでは、ファンクションキーに割り付けることができる機能について紹介しますね。
ここで上げる例はほんのごく一部です
外線
仮想内線
代理応答
着信拒否
不在転送
PB信号
パーク保留
内線予約(キャンプオン)
ファンクションキーの様々な呼び方
多機能電話機の【ファンクションキー】、実はメーカーや機種によって様々な呼び方をすることがあります。
- 外線キー
- 外線ボタン
- 窓
- 盤面
- フレキシブルキー
- フレキシブルボタン
- ボタン
いずれも【ファンクションキー】と同じ意味と思ってもらってかまいません
【各種機能ボタン】~ビジネスフォン・PBXの機種やメーカーによって様々~
多機能電話機で「よく使う機能」については、あらかじめ各種機能ボタンとして割り付けらています。
使いやすいように設計した結果、最初から固定的に実装することにしたのでしょう。
中でも次のような機能ボタンがあらかじめ割りつけられているケースが多く見られます。
ボタン名称 | 用途例 |
---|---|
会議 | 複数の電話機で会議通話(同時に通話)を行う |
機能 | 特殊な操作を行う時などに、起点となることが多い |
フック | フッキング操作を行う |
スピーカ | 多機能電話機の外部スピーカから、通話内容を聞き取る |
短縮 | 短縮ダイヤルを登録したり、発信する |
保留 | 通話を保留する |
転送 | 主に転送操作を行う時に使用 |
応答 | 着信に応答する |
発信 | 外線を使って発信する |
リダイヤル | 直前に電話した番号に、再度電話するときに使用 |
メニュー | 各種メニューを表示する |
クリア | 短縮や名称など、登録した内容をクリアする |
発信履歴 | 過去の発信履歴を確認する |
着信履歴 | 過去の着信履歴を客員する |
十字キー | 液晶に表示されたメニューを選択するときに使用 |
各種調節キー | 通話音量、着信音量、液晶濃度などを調節するときに使用 |
Exit | 液晶に表示されたメニューを終了させるときなどに使用 |
【ダイヤルボタン】~電話番号やサービス特番をダイヤル~
【ダイヤルボタン】は、電話番号やサービス特番をダイヤルするときに使用します。
ほかにも名前を登録したり、音声ガイダンスなどの操作をするときに使用したりもします。
【マイク】~ハンズフリーで通話ができる~
ほとんどの多機能電話機にはマイクが実装されています。
マイク部分には小さな穴が開いています。
このマイク部分に話しかけることで相手と通話することができるんですね。
マイクを使って通話をするときは、スピーカボタンと組み合わせて使用します。
そうすると、受話器をおいたままの状態(オンフック状態)でハンズフリー通話することが可能になるのです。
最後に
このページでは多機能電話機について説明しましたが、いかがだったでしょうか?
多機能電話機は、ビジネスフォン・PBXの特徴を最も表している機器といえます。
特に多機能電話機のファンクションキーの果たす役割はとても大きく、キーの割付かたによってシステム全体の使い方が大きく変わってくるからです。
また最新のビジネスフォンでは、
- 多機能電話機から操作できるメニュー内容
- 着信音の種類
- 液晶やボタンランプの色
など、様々な部分がパワーアップしています。
ビジネスフォンの更新を予定されてるのでしたら、どんな多機能電話機があるのか一度チェックしてみてはいかがでしょうか?
どの多機能電話機もカッコイイですよ!
最後までご覧いただきましてありがとうございます。