ビジネスフォン・PBXで使っている電話機が突然すべて使えなくなった?
このようなシステムダウン状態に陥ったビジネスフォン・PBXの障害にはいくつかの原因が考えられます。
まずはできる範囲で障害の原因を狭めていきましょう。
1. 全ての電話機が使えなくなった!
全ての電話機が使えない場合(システムダウン)に考えられるのは次のようなパターンです。
- 1-1. 配線の不良
- 1-2. ビジネスフォン・PBXの電源が抜けている、あるいは電源がOFFになっている
- 1-3. ビジネスフォン・PBX本体の故障(システムダウン)
- 1-4. スイッチングハブの故障(IP電話機の場合)
- 1-5. ビジネスフォン・PBXのパッケージが故障
では具体的にパターンごとの対応を説明していきましょう。
1-1. 「配線の不良」の対応
内線電話機を接続している電話ケーブルの配線の不良が、システムダウンの原因になっていることもあります。
特に一番多いのが「ケーブルのショート」です。
内線電話機の1台や2台程度のケーブルのショートであれば、その電話機が使えなくなるだけで済むのですが、一度に多数のケーブルのショートが発生するとビジネスフォン・PBXがダウンすることがあります。
この状況でビジネスフォン・PBXの電源をOFF/ONしても、またシステムダウンを起こしてしまいます。
1-1-1. ケーブルがショートするよくあるケース
- OAフロアの脚の下敷きになっている
- 机の脚や什器の下敷きになっている
- 配管の中の中継部分が清掃などで水浸しになっている
ケーブルのショートはプロでないと見分けがつかないケースが多いので、とりあえずは電話線が机や什器の下敷きになっていないかどうかを簡単にでもいいので確認してみましょう。
それらしい場所があれば、ケーブルを圧迫している物を避けて、ビジネスフォン・PBXの電源をOFF/ON後、しばらく様子を伺いましょう。
問題ないようであれば、そこが原因だったと考えるのが妥当といえるでしょう。
逆に直らなければ別の原因があると考えられます。
1-2. 「ビジネスフォン・PBXの電源が抜けている、あるいはOFFになっている」の対応
- 文字通り電源が抜けているだけなので、ビジネスフォン・PBXの電源コードがコンセントに正常にささっているか確認する。
- コンセントにささっているのであれば、コンセントの電源が正常に生きているかどうか確認する。
- コンセントの電源が生きていないのであれば、元のブレーカーが落ちていないかどうかを確認する。
- ビジネスフォン・PBXの電源ボタンがOFFになっていないかどうか確認する。OFFになっていたらONにする。(注1)
上記のいずれかを確認しても復旧しない場合は、ビジネスフォン・PBX本体の故障の可能性があります。
1-3. 「ビジネスフォン・PBX本体の故障(システムダウン)」の対応
- ビジネスフォン・PBXの電源がONの状態になっており、通電しているようであれば、一度電源をOFFにして再度ONにしてみる(注1)
- 電源をONにして、少し時間を置いてから多機能電話機が使える状態になっているかどうか確認する
上記の手順を実施しても復旧しない場合はビジネスフォン・PBXの設置業者に速やかに連絡を取りましょう。
1-4. 「スイッチングハブの故障(IP電話機の場合)」の対応
IP電話機を使っている場合はビジネスフォン・PBX以外にスイッチングハブを利用します。
このスイッチングハブの故障が原因で、IP電話機が使えない状態になっている可能性があります。
1-4-1. IP電話機の接続元となるスイッチングハブの電源が入っているかどうか確認する
IP電話機は、LANケーブルを接続して使用するため、基本的にはスイッチングハブからの配線となります。
IP電話機が広い範囲で一斉に使えなくなってしまった場合には、大元にあるメインのスイッチングハブ、あるいは大元に近い中継のスイッチングハブの電源が入っているかどうかを確認します。
電源が入っていないようであれば、電源の差し込みや電源スイッチの状態を確認の上、電源を投入しましょう。
1-4-2. 抜けているLANケーブルがないかどうか確認する
スイッチングハブのそばで、抜けているLANケーブルがあった場合、すぐには差し込まずにLANケーブルに取り付けられている線名札のタグ名称などを確認しましょう。
あえて差さずにおいている予備系統のLANケーブルなどもあるからです。
明らかに抜けてしまったLANケーブルだと判別できるのであれば、しかるべきポートに差し込みましょう。
1-4-3. スイッチングハブのリンクランプが消えているLANケーブルがないかどうか確認する
スイッチングハブにLANケーブルが差さっているのに、リンクランプが消えている場合は、そのLANケーブルを一度抜き差ししてみましょう。
抜き差ししてもスイッチングハブのリンクランプがつかない場合は、次の可能性が考えられます。
- ケーブルの反対側に端末もしくはスイッチングハブがささっていない
- ケーブルが断線している
- スイッチングハブのポート不良、あるいはリンクランプの不良
ケーブルの反対側に端末がささっているのにリンクランプがつかないのであれば、次のような可能性が考えられます。
- 反対側の端末が故障している
- スイッチングハブのリンクランプが消えているポートが故障している
- ケーブルが断線している
もし可能であれば、スイッチングハブの電源を一度OFF/ONしてみたほうがいいかもしれません。
電源をOFF/ONしても復旧しないようであれば、上記の3つの障害の可能性が高いと言えるでしょう。
1-4-4. ネットワークがループしていないか確認する
LANケーブルの接続がループ状になっていると、ネットワークがダウンする原因になります。
例えば、次のような接続をしてしまうとループ状態に陥ります。
- SW-HUB1 → LANケーブル → SW-HUB1
- SW-HUB1 → LANケーブル → SW-HUB2 → LANケーブル → SW-HUB1
ネットワークがループ状態になると、ブロードキャストストームが発生し、通信状態が輻輳、最終的にネットワークがダウンしてしまいます。
このような接続になっている場所があるかどうかを確認し、該当部分のLANケーブルを速やかに抜く必要がありますが、ある程度の知識と経験がないと対応は難しいかもしれません。
ケーブルをループ接続しても、自動的にループを防止する機能がついたPoEスイッチングハブを導入しておけば、システムダウンの防止策になります。
1-5. 「ビジネスフォン・PBXのパッケージが故障」の対応
- 使っている内線電話機以外の種類の内線端末(多機能電話機、一般電話機、内線FAX、PHSなど)が正常に使えるかどうかを確認する
- ビジネスフォン・PBXに収容している電話回線の電話番号を携帯電話などから呼出してみる(ISDN回線やLAN直収のIP回線の場合、呼出音(リングバックトーン)が聞き取れるようであれば、ISDN回線パッケージやLAN直収用のVOIPパッケージが正常に動作していると判断ができる)
- 上記手順で内線パッケージが怪しいかどうかの判断が難しいようであれば、ビジネスフォン・PBXの電源を一度OFF/ONしてみる(注1)
上記の手順を実施しても復旧しない場合はビジネスフォン・PBXの設置業者に速やかに連絡を取りましょう。
なお、多機能内線パッケージが怪しいと判断ができるようであれば、その旨をビジネスフォン工事会社に伝えましょう。
あらかじめ伝えておけば、ビジネスフォン工事会社が、あらかじめ代わりのパッケージを用意した上で対応してくれることもあるので、復旧までの時間を短縮する可能性が高くなります。
最後に
ビジネスフォン・PBXは、基本的にはシステムダウンしにくい設計がなされているので、そう簡単に落ちることはありません。
しかし、システムダウンは起きるときには起きるものです。
システムダウンが発生したときに、少しでも原因の範囲を絞り込むことができれば、復旧までの時間を短縮することにつながります。
普段から付き合いのあるビジネスフォン工事会社がいるのであれば、電話ですぐに聞くことができるかもしれませんが、そうでない場合はビジネスフォン工事会社を一から探すところから始めなければなりません。
頼るビジネスフォン工事会社がない場合には、自分達でできることを実施するしかありません。
自己責任にはなってしまいますが、意外と簡単に復旧するケースも少なくありません。
そんなときに、この記事が少しでも参考になれば幸いです。
最後までご覧いただきましてありがとうございます。