- ビジネスフォン・PBXの取替え
- 電話回線(局線)の全体的な構成の変更
- 電話料金の月額コストの削減
上記のような理由で、電話回線(局線)の種類を変更をしたい。
たとえば、
- アナログ回線 → INS64回線(ISDN回線)
- アナログ回線 → ひかり電話
- INS64回線(ISDN回線) → ひかり電話
のように変更して、少しでもコストを削減したい。
このように考えるかたは、多数いらっしゃることでしょう。
そこで、電話回線(局線)の種類を変更するときに必要となる、いくつかの注意点について順番に説明していきたいと思います。
電話回線(局線)がビジネスフォン、PBXと警備装置で共用している
ビジネスフォン・PBXに収容している電話回線が、警備装置(セコム[SECOM]、アルソック[ALSOK]など)と共用していることがあります。
警備装置は電話回線(局線)やインターネット回線など、いくつかの接続方法があります。
- アナログ回線
- INS64回線(U点接続)
- INS64回線(T点接続)
- 無線接続(携帯電話など)
- インターネット接続(LANケーブルで接続)
上記のうち、アナログ回線とINS64回線の接続のときに、ビジネスフォン・PBXの電話回線と共用するケースは少なからずあります。
警備装置と共用していることを確認しないまま、電話回線(局線)の種類を変更してしまうと、警備装置が正常に動作しなくなってしまい、警備会社の人があわてて飛んできます。
まずはビジネスフォン・PBXに収容されている電話回線(局線)が、警備装置と共用して使われていないかどうか事前に確認しておきましょう。
あとは警備装置の接続インタフェースを変更するか、共用している電話回線(局線)だけそのまま残すのかを判断するだけですね。
代表番号の電話回線(局線)が留守番装置や通話録音装置と並列に接続されている
ビジネスフォン・PBXに収容している電話回線(局線)が、次のような装置に並列で接続されているケースがあります。
上記装置はアナログ回線を接続するのですが、もしもアナログ回線からINS64回線やひかり電話のLAN直収などに変更してしまうと、これらの装置を同じ接続では使用できなくなってしまいます。
どうしても電話回線(局線)の変更をする場合は、装置の接続を次のように変更する必要があります。
- ビジネスフォン・PBXにアナログ内線パッケージを実装し、留守番装置をアナログ内線として接続。ビジネスフォン・PBXのデータ設定を変更。
- あるいはビジネスフォン内蔵ボイスメールを留守番装置代わりに使用する
- 電話回線(局線)への接続をやめて、内線電話機への受話器接続へと変更する。
- ビジネスフォン・PBXにアナログ内線パッケージを実装し、通話録音装置をアナログ内線に接続後、ビジネスフォン・PBXのアナログ回線パッケージに外線として収容する。
- あるいはビジネスフォン内蔵ボイスメールで通話録音を使用する
- ビジネスフォン・PBXにアナログ内線パッケージを実装し、コールシーケンサー(音声応答装置)をアナログ内線に接続後、ビジネスフォン・PBXのアナログ回線パッケージに外線として収容する。
- あるいはビジネスフォン内蔵ボイスメールでコールシーケンサーの代用をする。
FAXをビジネスフォン・PBXに内線として接続している
FAXをビジネスフォン・PBXの内線として接続している状態で、電話回線(局線)の種類を次のように変更すると、FAXが正常に送受信できなくなることがあります。
- アナログ回線 → ひかり電話
- ISDN回線(INS64回線、INS1500回線) → ひかり電話
ひかり電話などのIP電話サービスでは、スーパーG3モードやG4モードでのFAXの動作をサポートしていません。
スーパーG3モードでも動作することはありますが、正常に送受信できるという保証はありません。
G4 FAXに至っては完全に動作保証対象外となっています。
電話回線(局線)の種類を変更する前に、内線FAXがどのような状態で運用されているかを確認することをおすすめします。
停電電話機がついている
ビジネスフォン・PBXが停電などで使えなくなっても、電話回線(局線)と直結して動作する停電電話機がついていることがあります。
停電電話機は電話回線(局線)の種類によって、使う電話機の種類も変わります。
- アナログ回線対応の停電電話機
- INS64回線(U点)対応の停電電話機
- INS64回線(T点)対応の停電電話機
仮に、アナログ回線をINS64回線に変更したとすると、アナログ回線対応の停電電話機をINS64回線対応の停電電話機に変更する必要があります。
また、INS64回線(T点)対応の停電電話機しか、そのメーカーから発売されていない場合は、使用する電話線の芯線数が増えるため、別途配線工事も必要になります。
停電電話機がついている状態で、電話回線(局線)の種類を変える場合は、次のいずれかの方法を選択します。
- 変更後の電話回線(局線)に合った停電電話機を新たに設置する
- 停電電話機用の電話回線だけそのまま残す
- 停電電話機として使うことをやめる(普通の多機能電話機としては使えます)
最近はひかり電話へと変更することが増えていることから、停電電話機の利用そのものが減少している傾向にあります。
最後に
最後に、ビジネスフォン・PBXに収容している電話回線(局線)の種類を変更するときの注意点についておさらいします。
- 警備装置と共用していないか
- 留守番装置や通話録音装置、コールシーケンサーと共用していないか
- スーパーG3モード、G4モードのFAXと共用していないか
- 停電電話機がついていないか
変更してから、やっぱり元に戻すというようなことのないように、とりあえず上記の点について事前に確認することをおすすめします。
最後までご覧いただきましてありがとうございます。