アナログナースコールパッケージは、ビジネスフォン・PBXに、アナログインタフェースのナースコールシステムを接続するために必要となる基板です。
【1】アナログナースコールシステムとビジネスフォン・PBXを接続してPHS子機を連動させる
ビジネスフォン・PBXと、ナースコールシステムを接続することで、ビジネスフォン・PBX配下のPHSを連動させることができます。
ナースコール呼出でPHSを同時に呼び出す
各所に設置されている、ナースコール呼出ボタンが押されると、ナースコール親機の他に、複数のPHS子機を同時に呼び出すことが可能になります。
呼び出されたPHS子機は、液晶画面に押しボタンの場所の名称が表示されるので、ナースコール親機の表示を確認しなくても、呼び出された場所にまっすぐ駆けつけることができます。
PHSなのでどこでも対応できる
ナースステーションのスタッフにPHS子機を配布しておけば、ナースステーションに設置されているナースコール親機に縛られることもありません。
【2】実はアナログナースコールパッケージは、ほとんど製造されていない
現在のナースコールシステムは、デジタルインタフェースのデジタルナースコールシステムが主流となっています。
アナログインタフェースのナースコールシステムは、老朽化に伴い年々デジタルインタフェースのものにリプレースされてきているので、アナログナースコールパッケージもごく一部の機種でしか製造されていません。
【3】アナログナースコールシステムと連動しているビジネスフォン・PBXをリプレースするには
現在販売されているビジネスフォン・PBXでは、ほとんどの場合アナログナースコールシステム用パッケージは製造されていません。
ここで3つの選択肢が出てきます。
【3-1】アナログナースコールパッケージを実装できるビジネスフォン・PBXにリプレース
1つめは、現状と同じように、アナログナースコールパッケージを実装できるビジネスフォン・PBXにリプレースする、という選択肢です。
しかし、アナログナースコールパッケージを実装できるビジネスフォン・PBXは、ごくごく限られています。
アナログナースコールと連動できたとしても、他の機能面が満足いくものであるかどうかはわかりません。
【3-2】現状のビジネスフォン・PBXとは別に新しいビジネスフォン・PBXを設置。新旧ビジネスフォン・PBX間を専用線で結んで運用
2つめは、現状のビジネスフォン・PBXはアナログナースコール接続用として残し、新しいビジネスフォン・PBXを別途設置する、という選択肢です。
現状のビジネスフォン・PBXと、新しいビジネスフォン・PBX間は、専用線で結びお互いに通話ができるように設定して運用します。
ナースコール連動以外での機能面の選択肢が増えるというメリットがある代わりに、余分に設備投資する必要があるというデメリットもあります。
【3-3】デジタル-アナログ変換装置で変換後、新ビジネスフォン・PBXのデジタルナースコールパッケージに接続
3つめは、デジタル-アナログ変換装置を使用して、アナログナースコールシステムをデジタルナースコールパッケージに接続する、という選択肢です。
ナースコール対応しているビジネスフォン・PBXは、基本的にはデジタルナースコールパッケージを実装して接続します。
デジタル-アナログ変換装置で6芯のアナログ接続から、4芯のデジタル接続に変換すれば、アナログナースコールシステムを、デジタルナースコールパッケージに接続することができるようになります。
接続するナースコール制御機の台数と同じ数だけ、デジタル-アナログ変換装置が必要になるというデメリットはありますが、ビジネスフォン・PBXの選択肢が増えるというメリットもあります。
【4】アナログナースコールシステムとビジネスフォン・PBX間を6芯のケーブルで接続
アナログナースコールシステムとビジネスフォン・PBX間は6芯のケーブルで接続します。
6芯ケーブルの内訳
- CA・CBの2芯
- RA・RBの2芯
- TA・TBの2芯
この6芯のケーブルを使ってアナログ信号で通信を行います。
【5】アナログナースコールパッケージ1枚あたりに接続できるナースコール制御機の台数
- 2台
- 4台
- 8台
【6】アナログナースコールパッケージによく付けられる型番
- NC
- NCI
- NCIF
最後に
アナログナースコールパッケージは、今となっては、ほとんど使われることのないパッケージです。
どうしてもアナログナースコールシステムに接続する必要がある場合は、デジタル-アナログ変換装置で変換すればいいので、よほどのことが無い限りは、使用することはまずないでしょう。
最後までご覧いただきましてありがとうございます。