もしINS64回線をビジネスフォン・PBXで利用しているのであれば、INS64回線の契約内容を見直して、少しでも無駄な出費を減らし、現状を改善していきましょう。
まずは、ビジネスフォン・PBXに収容しているINS64回線の契約内容を確認
ビジネスフォン・PBXに、INS64回線を2本収容しているとします。
INS64回線は、1本の契約で同時2通話が可能です。この例では、2本収容しているので、同時4通話まで可能な状態となっています。
その4通話分のうち、1通話分を、アナログ内線(一般内線)として収容されているFAXで使用するとします。
INS64回線の内訳は以下の通りとします。
電話番号 | 月額基本料金 | 備考 |
xx-xxxx-1111 | 4,158円
(税抜価格 3,780円) |
会社代表
(事務用・ライト回線) |
xx-xxxx-2222 | 4,158円
(税抜価格 3,780円) |
FAX用
(事務用・ライト回線) |
合計 | 8,316円
(税抜価格 7,560円) |
それぞれ単独での契約 |
この場合、会社代表の電話番号 (1111) と、FAX用の電話番号 (2222) は、単独での契約となっているので、それぞれ2通話ずつの利用になります。
会社代表の電話番号 (1111) は複数の人が利用するので、同時2通話のINS64回線の特性を活かせます。
一方、FAX用の電話番号 (2222) は、1回線用のFAX1台しか利用しないので、1通話分あれば十分です。
同時2通話のINS64回線の特徴を活かせていないので、少しもったいないですね。
こういう使い方をされているケースは、実はよくあります。
このような場合、使用しないFAX番号の片割れを、他の内線電話機から外線発信用として利用します。
しかし、FAXの電話回線で電話をかけると、相手にはFAXの電話番号が通知されます。
相手の人が、通知されたFAXの電話番号に、折り返し電話をかけると、FAXが応答してしまいます。
このように相手の人に迷惑をかけてしまうことになるので、FAXの回線を発信用で使うのはあまりおすすめはできません。
【変更例1】利用率が低い場合は、iナンバーを利用して、回線本数を減らす
電話回線の使用頻度があまり高くないのであれば、INS64回線を1本に絞り、iナンバーを利用します。
iナンバーというINS64回線専用のサービスを利用すれば、1本のINS64回線に対して、最大3つまで電話番号を持たせることができます。
サービスの月額料金は以下のようになっています。
- 2つの電話番号契約時 (月額:330円) ※税込
- 3つの電話番号契約時 (月額:440円) ※税込
ビジネスフォン・PBXがこのiナンバー機能に対応していれば、次のような動作が可能です。
- xx-xxxx-1111 着信時 → 通常通り着信
- xx-xxxx-2222 着信時 → FAXに着信
相手に通知する電話番号も、xx-xxxx-1111 もしくは xx-xxxx-2222 のどちらでも、電話機ごとに設定することが可能です。
使い勝手がよくなった上、月額料金も次のように下げることもできました。
変更例1の月額基本料金
電話番号 | 月額基本料金 | 備考 | |
変更前 | 変更例1 | ||
xx-xxxx-1111 | 4,158円
(税抜価格 3,780円) |
4,158円
(税抜価格 3,780円) |
事務用・ライト回線 |
xx-xxxx-2222 | 4,158円
(税抜価格 3,780円) |
330円
(税抜価格 300円) |
iナンバー |
合計 | 8,316円
(税抜価格 7,560円) |
4,488円
(税抜価格 4,080円) |
-3,828円 |
【変更例2】利用率が高い場合は、代表ダイヤルインで回線を有効利用
会社代表の電話番号 (xx-xxxx-1111) の使用頻度が高いので、通話できる本数を増やしたい、というような場合は、代表ダイヤルインを契約するという手もあります。
電話番号 xx-xxxx-1111 と xx-xxxx-2222 の2本分のINS64回線に対して、代表ダイヤルイン契約をすれば、合計4通話分を1つのグループとして扱えます。
今までだったら、xx-xxxx-1111 の電話番号は、最大2通話分までしか利用できなかったのが、最大4通話分まで利用することが可能になります。
例えば次のような割り振りも可能です。
- xx-xxxx-1111 は 3通話まで利用
- xx-xxxx-2222 は 1通話のみ利用
この代表ダイヤルインは、電話回線に対してではなく、電話番号に対して動作するので、どの電話回線がどの電話番号で、といった縛りがありません。
代表ダイヤルイン着信時の動作例
代表ダイヤルイングループ内の電話番号であれば、ビジネスフォン・PBXの設定で自由に変更可能
- 電話番号に応じて着信先、着信本数などを変更できる
- 内線電話機ごとに相手に通知する電話番号を変更できる
この代表ダイヤルインを使用すれば、電話回線をより効率的に利用することができるので、電話回線の最大本数を少なくできるというメリットがあります。
デメリットとしては、電話番号1番号ごとに月額料金880円(税抜 800円)が必要となります。
変更例2の月額基本料金
電話番号 | 月額基本料金 | 備考 | ||
変更前 | 変更例2 | |||
基本料金 | 基本料金 | ダイヤルイン 使用料 |
||
xx-xxxx-1111 | 4,158円
(税抜価格 3,780円) |
4,158円
(税抜価格 3,780円) |
880円
(税抜価格 800円) |
代表ダイヤルイン |
xx-xxxx-2222 | 4,158円
(税抜価格 3,780円) |
4,158円
(税抜価格 3,780円) |
880円
(税抜価格 800円) |
代表ダイヤルイン |
合計 | 8,316円
(税抜価格 7,560円) |
10,076円
(税抜価格 9,320円) |
+1,760円 |
変更前に比べると、ダイヤルイン使用料の分の月額料金が増えましたが、もう1回線増やすことに比べれば、費用対効果は高いです。
最後に
ビジネスフォン・PBXに収容しているINS64回線は、iナンバー、ダイヤルインなどのサービスと組み合わせることで、その回線の特性を活かすことができます。
- 同時通話の本数は少ないけれども、電話番号だけ欲しい場合は、iナンバー
- 同時通話の本数は多いが、電話回線の増設はあまりしたくない場合は、代表ダイヤルイン
新たに電話回線を新設するか、現状の電話回線をダイヤルイン契約してやりくりするか、いろいろと検討してみるのもよいかと思います。
最後までご覧いただきましてありがとうございます。